インデックス投資

One NYダウの販売に見る金融機関と受益者の悲しい現実

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日本でも貧富の差の拡大が問題視されていますが、余裕資金はあるけど金融リテラシーがない人(おそらく高齢者と思われ)はたくさんいるようです。僕にはそうとしか思えません。

NYダウ指数に手軽に投資できるインデックスファンドの選択肢はいくつかありますが、たわらNYダウはそのひとつです。税込み信託報酬は0.2475%と魅力的ですが、隠れコストが高いです。

たわらNYダウを運営しているアセットマネジメントOneは、2019年5月29日にOne NYダウを設定しました。税込み信託報酬は時代にそぐわない0.66%です。スリムシリーズと、つみたてんとうシリーズのように、同じマザーファンドを買うだけのインデックスファンドなのに、異なる信託報酬と受益者へのアプローチ方法をとるものは普通にありますが、信託報酬の高さに驚きました。

でも僕がもっと驚いたのは、信託報酬が魅力的なたわらNYダウよりも、明らかに高額なOne NYダウの方が売れている事実です。そこには受益者をカモにしようとする金融機関と、カモにされてしまう情弱の悲しい現実があります。

たわらNYダウ vs One NYダウ

One NYダウを販売しているのはみずほ銀行だけです。みずほ銀行は、たわらNYダウも販売しています。でもその違いに驚かされます。

たわらNYダウ vs One NYダウ

信託報酬は高いし、購入時手数料も取られます。ボッタクリですね。中身はたわらNYダウと同じマザーファンドを買うだけですから、One NYダウの受益者は、たわらNYダウの受益者と同じリスクを負いながら、余計なコストを負担させられているのです。

リターン比較

次はたわらNYダウとOne NYダウのリターン比較です。One NYダウの設定日直後を避けた2019年6月17日からの比較です。

たわらNYダウ vs One NYダウ、リターン比較

青のラインはリターン差で、たわらNYダウーOne NYダウです。どちらも同じマザーファンドを買うだけで、違うのは運用コストだけですから、青のラインはきれいな直線になります。

次はたわらNYダウの運用コストを年率0.4%増量したものです。

たわらNYダウの運用コストを年率0.4%増量

青のラインはフラットになります。つまり、One NYダウの受益者は、たわらNYダウの受益者より、年率0.4%分のリターンを失っていることになります。さらに購入時手数料も剥ぎ取られているわけです。ひどい話ですが、無知が招いた結果です。

たわらNYダウ vs eMAXIS NYダウ

次はたわらNYダウとeMAXIS NYダウのリターン比較です。たわらNYダウの方がトータルコストが低いです。

iFree NYダウ vs たわらNYダウ

たわらNYダウよりiFree NYダウの方がトータルコストが低いです。

iFree NYダウ vs たわらNYダウ

One NYダウを買うのは馬鹿げていますが、僕は、たわらNYダウよりもiFree NYダウをおすすめします。もちろん、NYダウ指数に投資することの意味、リスクを分かっている人に限ります。

つみたてNISAで買えるのはeMAXIS NYダウだけ

NYダウ指数に投資するインデックスファンドで、つみたてNISAで買えるのはeMAXIS NYダウだけです。次のグラフが示す通り、iFree NYダウの方がeMAXIS NYダウよりリターンが高い(低コストだから)のですが、iFree NYダウはまだしばらくは、つみたてNISAでは買えません。

iFree NYダウ vs eMAXIS NYダウ

NYダウ指数は、つみたてNISAの指定インデックスではないので、指定インデックス投信以外でしか適格申請できません。が、指定インデックス投信以外には厳しい制約があります。特に厳しいものをあげます。

  • 純資産額が50億円以上
  • 信託設定以降5年以上経過
  • 信託の計算期間のうち、資金流入超の回数が2/3以上であること

しっかりとした実績のないものは認められないようになっているのです。iFree NYダウは設定されてからまだ3年なので、あと2年待たないと適格申請できません。残りの2つの条件は、現状のままなら楽勝でクリアできるはずです。

売れ行きは

次は設定来の純資産総額の推移です。iFree NYダウは119億円、eMAXIS NYダウは97億円です。

設定来の純資産総額の推移

次は設定来の総口数の推移です。基準価額に差が付いたものの総口数推移を比較する時は注意が必要です。赤のラインと緑のラインの右端の様子、結構違いますね。

設定来の総口数の推移

iFree NYダウは勢いがあります。eMAXIS NYダウは高コストですがまだ増加傾向です。

次はたわらNYダウとOne NYダウだけをプロットしたものです。

たわらNYダウとOne NYダウだけをプロット

たわらNYダウの純資産総額は16.7億円なのに、One NYダウは29.7億円あります。そうは言ってもアセットマネジメントOneが手にする売上は少ないです。

売上比較

が、総口数の推移を見ると、みずほ銀行が今後も無知な受益者から順調に資金を集めてくれそうですから、One NYダウは、たわらNYダウよりも何倍もおいしい商品と言えるでしょう。儲からない超ローコスト投信なんて真面目にやってられるか!と思っても無理もないです。

情弱がいる限り続くボッタクリ

中身はノーロードで信託報酬が安い(ただし隠れコストは高め)たわらNYダウと同じなのに、購入時手数料は取られるし信託報酬が2.6倍もするOne NYダウを販売する姿勢に疑問を感じます。どうしてOne NYダウを買うことになるのか、そのプロセスは不明ですが、売る方はうしろめたさを感じないのでしょうか。

受益者も、本当に僅かな金融リテラシーがあれば、One NYダウを買わずに済みます。そもそも今どき購入時手数料がかかるものを買うという時点でバカです。無知です。情弱です。余分に払わされるコストはその代償です。

この、金融機関によるボッタクリは、その対象となる情弱が死滅しない限り終わることはないでしょう。

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