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【悲報】iDeCoの拠出可能年齢65歳未満まで延長は全員対象ではありません

投稿日:2019年10月10日 更新日:

現在、iDeCoの拠出可能年齢は60歳未満です。これを65歳未満までに延長する検討がなされているという話は、しばらく前からありました。

最近再度、これに関連するニュースが流れていましたが、こちらの記事では単にこう書かれています。

個人型確定拠出年金(イデコ)への加入期間も、現行の60歳から65歳に延ばす方針。

他の多くの記事も同様の表現なので、おそらく、多くの人はこの文言通りに受け取っていることと思います。しかし、僕が購読している読売新聞の紙媒体には、こう書かれていました。

見直し案では、企業型は70歳未満、イデコは国民年金への加入を要件に65歳未満にそれぞれ延長する。

引用:読売新聞

「国民年金への加入を要件に」ですと?どういうことなのか調べました。

おことわり

僕の理解が間違っている可能性は十分あります。メディアは、高校の国語の先生が満足できるぐらい紛らわしさのない文章で物事を伝えて欲しいものですが、現実はそうではありません。厚生労働省が作成した資料から読み取れたことを根拠に書いていますが、不正確かも知れません。

間違っている場合はご指摘頂けると幸いです。

以下、図は厚生労働省が公開している「第8回 社会保障審議会 企業年金・個人年金部会 資料」からの引用です。

検討内容

現在、60歳未満である拠出可能年齢を、65歳未満までに延長することが検討されています。

それに合わせて、受け取り可能期間も現行の60歳~70歳未満を、70歳以降に延長することが検討されています。ここだけ見ると素晴らしいの一言です。

iDeCoの加入要件

ところが、厳しい制約は残ったままになりそうです。

高齢期の就労が拡大していることを踏まえ、iDeCoの年齢要件(60歳未満)を撤廃し、共通の要件として国民年金被保険者(※)であれば加入可能としてはどうか。

「国民年金被保険者であれば加入可能」とあります。読売新聞紙面に書かれていた「国民年金への加入を要件に」とはこのことを指しているはずです。「国民年金被保険者」の定義はこうです。

  1. 第1号被保険者:60歳未満
  2. 第2号被保険者:65歳未満
  3. 第3号被保険者:60歳未満
  4. 任意加入被保険者:保険料納付済期間等が480月未満の人、65歳未満

ざっくり言うと、第1号被保険者は自営業者、第2号被保険者は勤め人、第3号被保険者は第2号被保険者の配偶者です。

任意加入被保険者は、第1号被保険者または第3号被保険者のうち、60歳になった時の納付月数が480ヶ月未満の場合に、480ヶ月を上限に納付期間を延長できるというものです。僕と妻は大学生時代の約2年間納付していなかった(それが普通の時代だった)ので、任意加入制度を利用します。

よって、この制度改革案だと、第2号被保険者なら65歳になるまでiDeCoを利用可能になりますが、そうでない場合、任意加入している間しか延長されません。つまり、20歳から60歳までの40年間まじめに、フルに納付していた人は任意加入できないので、iDeCoの拠出可能年齢は延長されません。がっかりですね。

年齢的に僕はこの制度改革に間に合わず、妻は間に合う可能性がありますが、妻の場合も延長されるのは約2年です。

もともとそうだった

iDeCoの加入年齢を65歳未満までに引き上げる検討をしているというニュースは、「第7回 社会保障審議会 企業年金・個人年金部会」の内容をもとにしているはずです。ところが、その資料にはこうあったのです。

引用:第7回 社会保障審議会 企業年金・個人年金部会 資料

その審議会に参加していない記者がこの資料を適切に解釈できないのは当然ですが、この時からiDeCoの加入期間の延長は、国民年金基金の加入資格に合わせようとしていたことが伺えます。なお、iDeCoと国民年金基金の運営母体は同じです。

乱暴な言い方をすれば、2019年8月の時点で流れたニュースは不正確過ぎたのです。

厚生労働省は運用成果によって年金額が変わる確定拠出年金について、掛け金を払い込める期間を延ばす方向で検討に入る。上限を60歳から65歳に上げる案が軸だ。期間が延びれば、老後に受け取る年金は増える。60歳を超えても働く人が増えているため私的年金の仕組みを充実させ、先細りする公的年金を補う。

引用:日経経済新聞

僕もこの報道に歓喜したひとりです。でも実際は、第2号被保険者でない人には厳しい内容でした。特に、年金をまじめに納付してきた人ほど厳しいというがっかりなものだったのです。泣きたくなりませんか。

それでも前進には違いありません

第1号被保険者、第3号被保険者には残念な内容ですが、それでも僕は厚生労働省の活動を応援します。制度改革は一気にはできないものですし、確定拠出年金や少額投資非課税制度については怖い財務省が無関係ではないのでなおさらです。まだまだ若い世代の人たちのために、少しずつでも改善を進めて欲しいです。

くじけていない厚生労働省

「老後資金2000万円」問題で、傲慢かつ無礼な麻生太郎財務相は官僚をひどくビビらせました。つみたてNISAやiDeCoの課題改善はもう望めないという声も聞かれました。でも厚生労働省はくじけていません。

iDeCoを含む確定拠出年金の心理的障害となっている「特別法人税」について、令和2年度税制改正要望事項(抄)で撤廃か課税停止措置の延長を明記しています。

主張は従来どおりですが、くじけていたら言い出せないでしょう。

最も大切なこと

現行制度への不満をたれるだけでは何も解決しません。老後資金問題を含めて自助努力は必須で、それができた人とできなかった人の差(格差とも言います)は残酷なまでに広がります。

最も大切なのは、勤勉に働いて倹約に努め、少しでも有利な制度を活用して資産形成を行うことです。そのことの重要さに気付くのは早ければ早いほど良いです。

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