インデックス投資

スリム新興国株式よりSBI新興国株式の直近1年リターンが高いのはなぜか

投稿日:2019年10月11日 更新日:

僕自身は新興国株式には投資しませんが、新興国株式に投資するならスリム新興国株式が最良の選択肢だと考えています。それは三重課税コストまで考慮すると、SBI新興国株式のトータルコストは安くないからです。

対するスリム新興国株式のトータルコストは安いです。

ところが直近1年間のリターンは、スリム新興国株式よりSBI新興国株式の方が高いです。どうしてでしょうか。

投資先が違います

スリム新興国株式のベンチマークはMSCIエマージング・マーケット・インデックスです。日本で買える新興国株式インデックスファンドの多くはこれをベンチマークにしています。つみたてNISAの指定インデックスです。

SBI新興国株式のベンチマークはSBI新興国株式はFTSEエマージング・インデックスです。これもつみたてNISAの指定インデックスです。

楽天新興国株式のベンチマークは、FTSEエマージング・マーケッツ・オールキャップ(含む中国A株)・インデックスです。VWO(ETF)を買ったらたまたまベンチマークがそれだったということでしょうが、残念ながら、つみたてNISAの指定インデックスではありません。そのため、楽天新興国株式はつみたてNISA適格にはなれません。

次はSBI新興国株式と楽天新興国株式の、直近1年間のリターン比較です。比較期間は2018年10月1日から2019年9月30です。

SBI新興国株式と楽天新興国株式の、直近1年間のリターン比較

ほとんど変わりません。次はSBI新興国株式とスリム新興国株式の、同じ期間のリターン比較です。

SBI新興国株式とスリム新興国株式の、同じ期間のリターン比較

赤のラインがSBI新興国株式、緑のラインがスリム新興国株式です。受益者なら気にするほどの差が開きました。でもその結果だけ見て、SBI新興国株式がスリム新興国株式より良いと考えるのは早計です。投資先が違うからです。

国別投資比率

国別投資比率はこうなっています。

出典:SCHEVWOMSCI

SBI新興国株式が買っているETFはSCHEです。スリム新興国株式は韓国を含みますが、SBI新興国株式と楽天新興国株式は含みません。なお、SCHEのサウジアラビアとフィリピンの比率は参照したページからは判明しませんでした。

MSCIエマージング・マーケット・インデックスにおける韓国の比率は11%以上あるので、韓国の成績がSBI新興国株式 vs スリム新興国株式の比較に大きく影響すると思われます。

EWYトータルリターン

EWYは韓国株式に投資するETFです。これの取引価格、配当金実績、ドル円換算データからトータルリターンを生成しました。次はMSCIエマージング・マーケット・インデックスをベンチマークにしている、日興インデックスファンド海外新興国株式とのリターン比較です。比較期間は2008年4月15日から2019年9月30日です。

日興インデックスファンド海外新興国株式 vs EWY

緑のラインがEWYです。この比較期間だと韓国は決して悪くありません。次は2012年年初からの比較です。eMAXIS新興国株式に代わってもらいました。

eMAXIS新興国株式 vs EWY

おや、差が縮まってしまいました。次は2018年年初からの比較です。

2018年年初からの比較

これはひどいですね。13%ポイントの差が生まれています。韓国経済はムンジェイン政権下で不調だと聞いていはいましたが、最近は明らかにMSCIエマージング・マーケット・インデックスの足を引っ張っていますね。

この比較結果から、スリム新興国株式よりSBI新興国株式の直近1年間のリターンが高い理由は、投資比率11%超の韓国の存在であると判断します。ベンチマークが違うのでそれだけではないと思いますが、韓国の影響が大きいのは確かでしょう。

韓国経済が不調なままだと

もし韓国経済の不調が長く続くとどうなるでしょうか。確実に言えるのは、MSCIエマージング・マーケット・インデックスにおける投資比率が下がります。投資比率を時価総額加重平均という計算方法で決めているためです。しばらくは足を思いっきり引っ張りますが、投資比率が下がるにつれて影響度が下がります。

そのため、MSCIエマージング・マーケット・インデックスが韓国を投資対象にしているからと言って、よほど韓国が嫌いなら別ですが、韓国に投資しないベンチマークを採用している商品を選択するほどのことはないでしょう。

一方で、トータルコストはスリム新興国株式の方が安いけども、お荷物化している韓国に投資しないSBI新興国株式または楽天新興国株式に投資した方が今後5年、10年は儲かる可能性が高いかも知れません。今日現在、韓国経済の未来に明るさを見い出せる人はきっと少ないでしょうしね。

この話、(新興国株式などの)同じアセットクラスへの投資と言ってもトータルコストだけでは決められないことがある、良い事例と言えそうです。

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