インデックス投資

スリム米国株式(S&P500)とSBIバンガードS&P500の未来を占います

2019年10月24日

この記事は中学生の夏休みの自由研究のようなものと捉えてください。でもきっと、みなさんの興味を十分掻き立てる内容だと思います。単なる憶測ではなく、過去データからの推測です。こんなめんどくさいことをするブロガーは他にはいないと思われます。

それではお楽しみ下さい。

スリム米国株式(S&P500)

スリム米国株式の第一回運用報告書から計算した税込みトータルコストは0.2449%でした。これは信託報酬を引き下げる前のものです。

信託報酬引き下げ後はこうなります。

ただし、運用報告書には全てのコストが記載されないので、真のトータルコストはこれより高いと思った方がいいです。

VOOトータルリターン

VOOを買い、もらえる配当金(米国での10%課税後)を100%再投資した場合に得られるトータルリターンを生成します。

  • 2011年1月5日に10,000円でVOOを買ったことにします。扱う株数は「端株数」です。つまり、VOOの取引価格が12,000円なら0.8333株買ったことになります。
  • 配当金が出たら米国での10%課税後のドルを再投資します。税引き後の配当金でVOOを端株数で買うのです。そうして保有株数を増やします。保有株数が増えるのは配当金を再投資した時だけです。
  • 円をドルに替える為替手数料もVOOの購入手数料もゼロとします。
  • 評価額は円換算して求めます。
  • 評価額の推移を指数化します。

このVOOトータルリターンは、VOOの経費率以外のコストを含んでいません。為替手数料も売買委託手数料もゼロです。つまり、SBIバンガードS&P500が実現できる、理論上の限界リターンと言えます。実際のSBIバンガードS&P500のリターンは、次の要因でVOOトータルリターンから確実に劣化します。

  • 毎営業日信託報酬が純資産総額から天引きされます。
  • 激安だとしても為替手数料がかかります。
  • 激安だとしても売買委託手数料がかかります。(楽天全米株式、楽天全世界株式ではこれが大きな問題を起こしました。)
  • おそらく軽微ですが、保管費用と監査費用もかかります。
  • いくらか現金を保有しようとすため、配当金を100%再投資しない可能性があります。

VOOトータルリターン vs スリム米国株式(S&P500)

スリム米国株式は設定直後に運用が不安定だったことが分かっているので、安定したと思われる2018年8月1日からの比較です。

VOOトータルリターン vs スリム米国株式(S&P500)

赤のラインがVOOトータルリターン、緑のラインがスリム米国株式です。青のラインはリターン差で、VOOトータルリターンースリム米国株式です。

青のラインは右肩上がりです。細かい変動があるのは、スリム米国株式は現物株運用でVOOとはベンチマークが同じことを除いて何の関係もないことを考えれば当然です。

次はVOOトータルリターンのコストを年率0.25%ポイント増量したものとの比較です。

VOOトータルリターンのコストを年率0.25%ポイント増量したものとの比較

青のラインはほぼフラットになりました。スリム米国株式のトータルコストは、運用報告書から計算した値だと0.2449%です。いい感じに思えますが、VOOトータルリターンはVOOの経費率0.03%を含んでいるので、その程度の明文化されていないコストが存在すると思われます。

信託報酬引き下げ後のスリム米国株式(S&P500)

スリム米国株式は11月12日から税込み信託報酬を0.0682%ポイント引き下げます。次はVOOトータルリターンとスリム米国株式のリターンを年率0.068%ポイント増強したものとの比較です。

信託報酬引き下げ後のスリム米国株式(S&P500)

青のラインの傾きは確実に小さくなります。(そりゃ数学的な操作をしたので当然です。)これが、SBIアセットマネジメントが追加コストゼロで、SBIバンガードS&P500を運用できた場合の理論上の限界リターンと、信託報酬引き下げ後のスリム米国株式のリターン差の様子を示しています。

SBIバンガードS&P500がスリム米国株式に負けないためには

SBIバンガードS&P500のリターンがスリム米国株式に負けない(劣後しない)ためには、SBIアセットマネジメントは運用コストを税込み0.182%以下に抑える必要があると推測されます。次は前記グラフの状態から、VOOトータルリターンのコストを年率0.182%ポイント増量したものです。

SBIバンガードS&P500がスリム米国株式に負けないためには

青のラインはほぼフラットです。(そりゃ数学的な操作をしたので当然です。)SBIアセットマネジメントが、VOOの経費率を除く運用コストを税込み0.182%以下に抑えるのなんて楽勝でしょ、と思われますか?目論見書によると信託報酬は税込み0.06264%しかないので、余裕に思えますよね。

SBIバンガードS&P500の隠れコストはいくらになるか

運用報告書から計算したスリム米国株式の隠れコストは税込み0.0799%です。

次は楽天全米株式の第一期と第二期のコスト比較です。(税率8%です。)

運用コスト比較

第二期は隠れコストが大幅に削減されて税込み0.0632%になりました。第一期は税込み0.1325%とびっくりするほど高コストでした。SBIアセットマネジメントが十分に低コストな運用ができれば、スリム米国株式に負けることはないと思われます。

楽天全米株式の運用報告書に現れないコスト

理論値であるVTIトータルリターンと楽天全米株式の現実のリターンとの間には年率0.22%ポイントの差があると考えられます。が、運用報告書から計算されたトータルコストは0.193%なので、0.027%ポイント程度の違いが残ります。

これは次の記事からの引用です。

楽天全米株式はVTIを買うだけのインデックスファンドです。VTIトータルリターンと楽天全米株式のリターンとの間には、運用報告書には現れないコストが存在することは確かです。おそらく、これはSBIバンガードS&P500も避けられないと想像しています。

今後が楽しみ

SBIバンガードS&P500のリターン実績がどうなるかとても楽しみです。特に11月12日以降は税抜き信託報酬が同率になります。(税込みだとわずかに違います。)現物株運用対ETFを買うだけという大きな違いを超えて、同じベンチマークで競い合う(運用会社が意地をかけて戦っている)勝負の行方に興味津々です。

ここまではどうなの?

SBIバンガードS&P500は9月26日に設定されました。設定直後かつ1ヶ月にも満たない状態で比較するのは無謀ですが、せっかくですからやりましょう。あえて設定日から10月21日までの比較です。

SBIバンガードS&P500 vs スリム米国株式

赤のラインがSBIバンガードS&P500、緑のラインがスリム米国株式です。青のラインはリターン差で、SBIバンガードS&P500ースリム米国株式です。

青のラインはプラス圏にありますから、SBIバンガードS&P500の方がリターンが高いことが分かりますが、10月以降は右肩下がりです。

え、iFree S&P500も見たい?いいですよ。

SBIバンガードS&P500 vs iFree S&P500

傾向は同じです。現状、スリム米国株式とiFree S&P500のリターン差はほとんどないことが分かっています。意外ですけどね。

青のラインがこのまま下がり続けると、SBIバンガードS&P500でファーストペンギンになった人たちは泣いちゃうかも知れませんね。

1円も投資しないのに、この熾烈なコスト引き下げ競争と堅実な運用の結果が仔細に観測できるのは素晴らしいです。これだから変態をやめられないのです。

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