インデックス投資

【未来予想】第三の衝撃波を放つのはSBI先進国株式かも知れません

2019年10月28日

SBIアセットマネジメントはSBIバンガードS&P500を、税抜き信託報酬(ETFの経費率を含みます)0.088%で設定すると発表し、証券業界に激震を起こしました。久々に第二の衝撃波を放ったわけです。

え、あれは第二波だったの?そうです。もう忘れてしまった方も多いことでしょうが、第一波はEXE-iつみたて先進国株式を税抜き信託報酬0.1095%で設定するという衝撃的な発表でした。2017年12月のことです。これに対抗して異次元の値下げに踏み切ったのがスリム先進国株式でした。次はスリム先進国株式の税抜き信託報酬引き下げ履歴です。

スリム先進国株式の信託報酬引き下げ履歴

EXE-iつみたて先進国株式に対抗する前は、0.01%ポイント、0.001%ポイントと小幅な引き下げしかしていませんでした。同率までにしか引き下げないので、相手次第なのです。そこへ現物株運用でないEXE-iつみたて先進国株式が圧倒的な低コストで戦いを挑んできたわけです。

三菱UFJ国際投信はわずか3日後に税抜き信託報酬を0.1095%に引き下げると発表して話題をかっさらいました。これが少なくともスリム先進国株式の、おそらくスリムシリーズの現在に大きな影響を与えることになったはずです。

次はスリム先進国株式の設定来の総口数の推移です。

スリム先進国株式の設定来の総口数の推移

赤の矢印は2018年年初にあります。税抜き信託報酬を0.1095%に引き下げると発表した直後から(実際に引き下げる前から)受益者は敏感に反応したことが分かります。

なお、記憶力のいい人は、第一波はEXE-iつみたて新興国株式とそれに対抗したスリム新興国株式だと主張されることでしょう。その通りなのですが、新興国株式はこの記事のテーマから外れるので黙殺したのです。ご了承下さい。

第二波が引き起こした激震

SBIバンガードS&P500が税抜き信託報酬0.088%で設定されると発表されてから、三菱UFJ国際投信は対抗値下げを発表するまで45日もかかりました。対抗値下げは簡単ではなかったわけです。

今回は、第一波の時のように即座に反撃されなかったためか、スリム米国株式(S&P500)に話題をかっさらわれることはなく、SBIバンガードS&P500は順調に純資産総額を増やしているようです。(すでに32億円もあります。)

でも、第三波が控えていることを指摘する人を僕は知りません。(いたらごめんね。)

第三波は第一波のリベンジ

ここからはエンターテイメントだと思ってお楽しみ下さい。

SBIアセットマネジメントはSBIバンガードS&P500を税抜き信託報酬0.088%にしたことで悟りました。SBI先進国株式の税抜き信託報酬を0.1095%から0.088%に引き下げればリベンジできるではないかと。そうです、SBI先進国株式はその昔、EXE-iつみたて先進国株式でした。途中で改名したのです。

SBI先進国株式のベンチマークは、目論見書にはFTSEディベロップド・オールキャップ・インデックスとありますが、中身は無関係なETF2本を組み合わせたものです。

日本と韓国が含まれるなど、先進国株式で人気の高いMSCIコクサイとは大きく異なるものの、そもそもスリム先進国株式の快進撃はこの(現在名称)SBI先進国株式への対抗値下げから始まりました。そのため、もし、SBI先進国株式が税抜き信託報酬を0.088%に引き下げたら「対抗値下げの対象外です」とは言えません。

スリムシリーズがうたっていること

あやうく過去形になるところでしたが、スリムシリーズの最大のうたい文句はこれです。

スリムシリーズの最大のうたい文句

ただし条件があります。

公募投資信託(ETFおよび企業型確定拠出年金のみで取扱いのファンドを除く)をFundmarkの分類を参考に三菱UFJ国際投信が公開情報をもとに集計。他社類似ファンドの信託報酬率が当ファンドを下回る場合、当ファンドの信託報酬率を引き下げ、業界最低水準にすることを目指しますが、これを実現することを保証するものではありません。

引用:三菱UFJ国際投信

スリムシリーズが対抗するのはベンチマークが同じものに限るという選択肢もあったはずですが、それは早い段階で捨てて、ベンチマークにも組成内容(ETFを買うだけなど)にもこだわらず、類似ファンドであってETFでも企業型DC専用でないものには対抗するとしました。

現物株運用に限定しなかったのは正解か

楽天全米株式、楽天全世界株式、SBIバンガードS&P500はETFを買うだけのインデックスファンドです。SBI全世界株式、SBI先進国株式は複数のETFを組み合わせている点が異なりますが、現物株は扱いません。

一方、スリムシリーズは現物株運用です。運用にかかるコストが同じでないであろうことは、素人の僕にも想像できます。それを考えると現物株運用に限定したいところでしょうが、一般の受益者は現物株運用かETFを買うだけかの違いを深く考えずに信託報酬だけで判断するでしょうから、販売戦略上、現物株運用に限定できなかったものと推測されます。

そもそも、圧倒的な純資産総額を獲得できなければ超ローコスト投信から満足な利益を得ることは不可能なのですから、競争に勝って生き残るしかないのです。(移り気な渡り鳥が集まり定着する広大な楽園を築くしかない、という主旨の発言をブロガーミーティングで聞いたことがあります。)

いつになるかは分かりませんが、スリム先進国株式の純資産総額の単位が億円ではなくて兆円になった頃、ようやく利益の話ができるようになることでしょう。道のりは長いです。ちなみに、まだたったの625億円しかありません。「お話にならない」とは三菱UFJ国際投信のある方の表現です。

SBI先進国株式は信託報酬を0.088%にできるのか

目論見書にある数値をまとめるとこうなります。右端はこうすれば税抜き信託報酬が0.088%になるという例です。

目論見書にある数値

SBI先進国株式はETFの経費率がVOOよりわずかに高いため、ETFの経費率を除いた信託報酬部分をSBIバンガードS&P500より安くする必要がありますが、どうせETFを買うだけなので不可能な水準とは思えません。

実際にこれだけの引き下げをしようとすると販売会社の取り分が0.01%ポイント減ることが問題になるかも知れません。たったの0.01%ポイントですが、削減率33%です。スリムシリーズは販社の了解を求めることなく自由に引き下げられると明言していますが、SBIアセットマネジメントが販社とどのような契約を交わしているかですね。

ちなみに、現在の販社は次の7社です。

  • SBI証券
  • 楽天証券
  • 松井証券
  • マネックス証券
  • カブドットコム証券
  • 岡三オンライン証券
  • 筑邦銀行

これなら行けるでしょ。

エネルギー充填率120%まであとどれぐらいでしょうか。FOY2019の投票を考えると発射は10月中に終わらせたいところです。

0.0999%は通過点

eMAXIS先進国株式が2009年10月に税抜き信託報酬0.60%で設定された時、その8年後にスリム先進国株式が0.20%で登場し、0.1095%を経て2019年には0.0999%にまで下がると予想できた人などいないでしょう。それだけ投資環境が改善され競争が進んだわけですが、そもそも正確な未来予測などできないものです。

投資信託だって利潤を追求する金融商品ですから、採算を度外視していくらでも安くはできません。でも先進国株式の税抜き信託報酬0.0999%は通過点だと思っています。その考えが正しいかどうかは時間が経てば分かります。

次にこの水準を破るのはどこかと考えると、一番匂うのはSBIアセットマネジメントではないかと思いました。その場合、SBIバンガードS&P500に合わせて税抜き信託報酬を0.088%にするのが良いかと。それが現実になった時の、現在の御三家(ニッセイアセットマネジメント、アセットマネジメントOne、三菱UFJ国際投信)がどうするかがとても楽しみです。三菱UFJ国際投信はまた3日で対抗値下げを発表できるでしょうか。あるいは・・・。

楽しんで頂けましたでしょうか。それから、今日はにわとりの日ですよ。

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