インデックス投資

信託報酬が0.0999%になった先進国株式インデックス御三家の現状

たわら先進国株式は10月1日から信託報酬を税抜き0.0999%に引き下げました。これにより、ついに先進国株式インデックス御三家が同率で並びました。

 

次は御三家の税抜き信託報酬引き下げ履歴です。

信託報酬引き下げ履歴

信託報酬が同率なので、基準価額の差(=リターン差)は次を教えてくれます。

  • 隠れコストを含む真のトータルコスト差。
  • 運用の上手い下手。

この2つの内訳は部外者には分かりません。なので、運用の上手い下手を含めた真のトータルコストが分かるとします。これは危険な要素を含むのですが、それについては後述します。

運用報告書から計算したトータルコスト

目論見書にある税込み信託報酬は、0.10989%で同じです。次は最新の運用報告書にある隠れコスト(税率10%に補正しています)と、現在の信託報酬を加算した推定トータルコスト一覧です。

運用報告書から計算したトータルコスト

右から2列目の隠れコストを見て下さい。これはもう何年も前から言われてきたことですが、たわら先進国株式の隠れコストは驚くほど低いです。そして信託報酬が同じになったので、トータルコストはたわら先進国株式が頭ひとつ飛び抜けています。

これもまた1年以上前から言われてきたことですが、運用報告書には全てのコストが記載されるとは限りません。三菱UFJ国際投信が断言していることなので確かです。決してアセットマネジメントOneの名前は出ませんが、意識していることは間違いないでしょう。どうしてそうなるかと言うと、運用報告書に記載する隠れコストの基準が甘いからです。どこまで記載するか不明確なのです。

三菱UFJ国際投信主催のブロガーミーティングでは何度も出てきた話題ですが、現状は運用報告書にある数値があてにならず、とても不公平です。これを改善するには業界が足並みを揃えて同じルールで統一するしかないと言われています。僕は金融庁が主導すべきことだと思っています。

リターン比較

お待たせしました。税抜き信託報酬が0.0999%で横並びになった10月1日から10月31日までの基準価額の推移を比較します。忖度もインチキもありません。

スリム先進国株式 vs ニッセイ外国株式

スリム先進国株式 vs ニッセイ外国株式

ほとんど差がありません。リターン差を示す青のラインはほぼフラットです。

スリム先進国株式 vs たわら先進国株式

スリム先進国株式 vs たわら先進国株式

ほとんど差がありません。リターン差を示す青のラインはほぼフラットです。

ニッセイ外国株式 vs たわら先進国株式

ニッセイ外国株式 vs たわら先進国株式

ほとんど差がありません。リターン差を示す青のラインはほぼフラットです。

One DC先進国株式乱入

One DC先進国株式は、たわら先進国株式と同じマザーファンドを買います。DC(確定拠出年金)専用商品で、たわら先進国株式より安い税抜0.1090%で設定されて話題になりました。たわら先進国株式の信託報酬(税抜き0.20%)を引き下げる気がないことの証左と受け止められたのです。ところがその後、ニッセイ外国株式、スリム先進国株式の税抜き0.0999%に合わせてきたので、多くの人が驚いたわけです。

たわら先進国株式とOne DC先進国株式の税込み信託報酬には0.01001%ポイントの差があります。1ヶ月だと1/12で差はもっと小さくなるので認識できません。

その比較結果です。

One DC先進国株式乱入

青のラインはほぼフラットで、リターン差は感じません。

つみたて先進国株式乱入

つみたて先進国株式はスリム先進国株式と同じマザーファンドを買います。税込み信託報酬差は0.11011%ポイントあります。1ヶ月でも0.009%ポイントです。

つみたて先進国株式乱入

青のライン、浮いていますね。これは右肩上がりなのでしょうか。Y軸のスケールを拡大しました。

スケールを拡大

はい、右肩上がりです。リターン比較マニアの僕はもっと長期間の推移を確認しているので、断言できます。

結論

御三家のトータルコスト差はほとんどないと思われます。1ヶ月間の比較では認識できるほどの差はない、と言う方がいいでしょう。そしてこれは、たわら先進国株式の運用報告書にある隠れコストの数値があてにならないことの証明でもあります。だからと言って、たわら先進国株式が他より悪いわけではありません。どこの運用会社のものであれ運用報告書にある数値はあてにならないので、そこにある数値を引き合いに出してトータルコスト比較などできないということです。

受益者還元型信託報酬

スリム先進国株式は純資産総額の増加に応じて信託報酬が漸減される「受益者還元型信託報酬」を採用しています。

現在、スリム先進国株式の純資産総額は627億円ありますので、単純計算だと税抜き0.0989%になります。でもその恩恵をグラフで実感できるようになるには時間とさらなる純資産総額の積み上げが必要ですね。

でも、少し三菱UFJ国際投信に忖度すると、漸減率は小さいながらもその経営努力は評価します。

多数決は危険かも

分かりやすいのでこの御三家を例にあげます。ベンチマークはMSCIコクサイで同じ、信託報酬も同じで、リターン差は全ての要素を含めた真のトータルコストを示します。その中で一番リターンが高いものが、多数決により最もトータルコストが低いと判断されますが、これは危険かも知れません。

本来なら、課税後の配当込みベンチマークと比較して、そこから運用コストによってどれだけ劣後したかで見るべきです。が、MSCI社が提供しているベンチマークと比較したらがっかりすることは請け負います。実際にやったことがあるからです。そのため、事実上、多数決に頼らざるを得ません。(おそらく、運用会社は比較に耐えうる「正しい」ベンチマークを持っているはずです。それは一般人がMSCI社からダウンロードして円換算したものとは違うと思っています。)

そうすると、ベンチマークに忠実+高いコストの運用から、高いコストを隠すためにベンチマークに忠実であることよりも、リターンを求めるようになるのではないか、仮にそのような運用になっても気付かない(部外者には分からない)のではないかと心配になります。

インデックスファンドがベンチマークに忠実であることより、わずかでもリターンを求めるようになったらそれはアクティブファンドです。考えすぎでしょうか。

おまけ:Yahoo!ファイナンスの表示

3商品の税込み信託報酬は同じはずですが、Yahoo!ファイナンスの表示は違っています。ニッセイ外国株式とスリム先進国株式は同じですが、数値は正しくないです。

どうやら税抜信託報酬0.099%を1.1倍したようです。たわら先進国株式は税抜き信託報酬0.109%の1.1倍ですが、それはOne DC先進国株式ですね。

僕はこれまで現在の信託報酬を確認するのにYahoo!ファイナンスを参照していたのですが、不安になってきました。

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