インデックス投資

世界同時株安からようやく回復した先進国株式

2018年10月に始まった世界同時株安から13ヶ月が経過しました。先進国株式インデックスを代表するMSCIコクサイはようやく、世界同時株安前の最高値を超えることができました。言い換えればこの13ヶ月間、乱高下しながらも成長できていなかったわけです。強気相場と言いつつも、俯瞰すると基準価額は右肩上がりではなかったのです。

次はスリム先進国株式の基準価額の推移です。世界同時株安が始まる直前から2019年11月8日までです。

スリム先進国株式の基準価額の推移

これまで4回回復基調にありました。青の矢印部分です。もうじき世界同時株安前の最高値である12,435円(オレンジの水平線)を超えられるかと思うと、米中貿易戦争の激化を主要因として急落しました。青の矢印4本目にしてようやく最高値を更新できたわけです。現在2%高ですが、このまま上昇を続けることができるでしょうか。

感覚が麻痺している?

米国の経済指標には将来のリセッション(景気後退)入りが近いことを示唆するものもあります。でも米中貿易摩擦の影響が出ているとは言え、不思議なくらい米国経済は堅調です。

米連邦準備理事会(FRB)は政策金利を0.25%引き下げて市場関係者の期待に応えました。これは今の株高の材料になっています。

また、懸案だった英国のEU離脱問題ですが、10月末の期限が来年1月末に延期され、12月12日に総選挙が行われることになりました。いったんはハードブレグジット(合意なき離脱)のリスクが後退したと好感されており、株高の材料になっています。

過去の例では、こういう状況になると米中貿易協議で何か問題が生じるものですが、今回はそうなっていません。本来なら株価に悪影響を与えそうな次の事象を無視しているかのようなのです。

  • トランプ大統領が11月中に習近平国家主席と会談するという話がありましたが、12月に延期されました。
  • 関税の段階的撤廃で合意したと報じられましたが、その後それを否定する見解が政府高官によってされました。
  • トランプ大統領は「米国は関税撤廃に合意していない」と発言しました。中国側の発表を全否定した形です。

中国側の発表は、通商協議の「第1段階」の合意の一環として、双方が貿易戦争の過程で発動した追加関税を段階的に撤廃することで合意した、というものでした。

しかしこれに否定的な発言は米国政権内からありました。トランプ大統領は少し遅れて、これを全否定したのです。これまでならトランプ砲炸裂で株価急落となってもおかしくないのですが、今回はそうなっていません。僕は正直気持ち悪いです。

米中貿易協議の推移を気にして株価の上げ幅は縮小しましたが、まるで感覚が麻痺しているかのようです。そもそも、第1段階の合意にめぼしいものはなく、米中共に国内向けのアピール目的しかないとも言われています。それが的を得ているなら株高の材料になどできないはずなのです。不思議です。

S&P500

次は同じ期間における、スリム先進国株式とスリム米国株式(S&P500)の基準価額の推移です。

スリム先進国株式とスリム米国株式(S&P500)の基準価額の推移

赤のラインがスリム先進国株式です。S&P500の実力を分かっている僕はこのグラフを見て感動しています。ほとんど差がないなんてあり得ない!と。

S&P500はMSCIコクサイより一歩先に世界同時株安前の水準を超えました。でもこの13ヶ月、米国以外の先進国は良く踏ん張ったと言えます。米国株式一強時代に陰りが出てきたのかも知れません。

国内株式

次は同じ期間における、スリム先進国株式とスリムTOPIXの基準価額の推移です。

スリム先進国株式とスリムTOPIXの基準価額の推移

このグラフを見ると急速に回復中に見えますが、比較開始日を2018年年初にすると印象が変わります。

比較開始日を2018年年初に変更

2018年2月に株価調整がありましたが、その後の回復過程が異なっています。ようやく2018年年初の水準に戻しつつあるのが現実です。

新興国株式

次は世界同時株安直前からの、スリム先進国株式とスリム新興国株式の基準価額の推移です。

世界同時株安直前からの、スリム先進国株式とスリム新興国株式の基準価額の推移

このグラフを見ると新興国株式が絶不調だとは全く思えません。これが基準価額を比較する際にハマりやすい落とし穴です。

次は比較開始日を2018年年初にしたものです。

比較開始日を2018年年初にしたもの

印象がガラリと変わります。2018年2月の株価調整から回復できていないのです。米中貿易戦争が簡単に終わらないことを考えると、回復は遠いでしょう。

S&P500再登場

MSCIコクサイとS&P500の2018年年初からの比較も見たいですよね。

MSCIコクサイとS&P500の2018年年初からの比較

S&P500は強いです。比較期間が長くなれば先進国株式に負けることはまずないです。MSCIのコクサイの65%程度は米国株式で、残り35%程度が欧州、カナダ、オーストラリアなので、どうしてもそうなってしまいます。もちろん、将来どうなるかは誰にも分からないわけですが。

これからの1年は

トランプ大統領は、再選のためにはどうしても株高を維持したいはずです。そのためには米国貿易協議でいくらか譲歩しても良いと思うかも知れません。が、トランプ大統領の強固な(そして莫大な資金力を備えた)支持者がそれを許しません。中国の膨張を抑制しつつ米国の株高を維持するという難しい政権運営が求められます。僕には崖っぷちを歩いているようで、とても危なかっしく見えます。

1年は長いです。現在の最後の強気相場がどこまで続くのか、積み立て投資を継続しながら、じっくり観測させて頂きます。

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