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【残念】スリムシリーズの受益者還元型信託報酬には期待できません

2019年11月14日

スリムシリーズは受益者還元型信託報酬を採用しています。純資産総額が500億円、1,000億円を超えると、超えた部分について低減された信託報酬が適用されるというものです。全体ではなくて、超えた部分について、というのがミソです。

たとえばスリム先進国株式の税抜き信託報酬は0.0999%で、ニッセイ外国株式、たわら先進国株式と同率ですが、純資産総額が増えると漸減されます。

信託報酬が、純資産総額のしきい値を超えた部分について、0.05%ポイントずつ2段階で安くなる仕組みです。これは実質的に信託報酬が安くなるという点で評価できるものです。そして、純資産総額次第ですが、十分効果(恩恵)があると言えます。でも残念ながら、将来的には期待できません。

スリム先進国株式の場合

スリムシリーズで、受益者還元型信託報酬制により信託報酬が漸減されているのは、現在ではスリム先進国株式だけです。2番手はスリムバランスか、スリム米国株式になると思われます。

次はスリム先進国株式の信託報酬が漸減される様子です。横軸は純資産総額です。

500億円を超えると減り始め、1,000億円を超えると減り方が変わります。スリム先進国株式の現在の純資産総額は656億円なので、税抜き信託報酬は0.0987%ぐらいです。

いつになるかは分かりませんが、純資産総額が1,500億円に達すると、0.0950%程度に下がります。これぐらいになり、ニッセイ外国株式とたわら先進国株式の信託報酬が現在のままなら、感覚的に安さを感じることができるでしょうか。

  • ニッセイ外国株式:0.0999%
  • スリム先進国株式:0.0950%

そんなに下がりません

前記グラフを見るとどんどん下がりそうな期待をしてしまいそうですが、そうではありません。次は純資産総額が5,000億円になるまでの様子です。

純資産総額の増加に伴い徐々に0.0899%に近付きますが、それより下がることはありません。2,500億円を超えると数学的にほとんど減少を実感できないでしょう。

計算上もわずかながら効果あり

では信託報酬差0.005%ポイントは意味のあるリターン差を生み出せるでしょうか。次は期待リターン年率4%、40年間のシミュレーションです。

期待リターン年率4%、40年間のシミュレーション

あくまで信託報酬差0.005%ポイントが生み出すリターン差を見るのが目的です。

リターン差を示す青のラインは複利効果で弓なりに曲がっています。40年間で0.5%程度の差が生まれました。5年分の信託報酬に相当するので、少なくはないです。でも信託報酬差0.005%ポイントというのは隠れコストのちょっとした違いで吹き飛ぶ程度でしかないのも事実です。

制度改悪

次はスリム米国株式(S&P500)の現在の税抜き信託報酬です。11月12日に引き下げられました。

2段階の引き下げ率が0.005%ポイントから0.0005%ポイントに、なんと1/10に減ってしまいました。流石に信託報酬が激安なので削減幅を減らさないと成立しなかったのでしょう。

ところが、同時に信託報酬引き下げが発表されたスリム全世界株式3兄弟(除く日本、3地域均等型、オール・カントリー)も削減幅が1/10に減っていたのです。

これはひどいと思いました。そこまで減らすことはないのではと。

スリムシリーズの他の商品についても、今後信託報酬がさらに引き下げられると、同様の措置が取られると見ていいでしょう。

漸減される様子

減る様子は同じですが、減る幅が1/10です。次は1,500億円までです。

次は5,000億円までです。

言わば、税抜き信託報酬0.1040%が、どんなに純資産総額が増えても、0.1030%に近付くだけです。話題にするほどの数値ではない気がします。

効果の実感は困難

期待リターン年率4%、40年間のシミュレーションです。信託報酬差0.0005%ポイントは小さすぎて満足なリターン差を産めません。

スケールを拡大しました。

40年でリターン差たったの0.05%ポイントです。少ないです。やはり話題にするほどの数値ではないですね。

結論

受益者還元型信託報酬の引き下げ幅が0.005%ポイントなら評価できました。でも、スリム米国株式はしょうがないとしても、スリム全世界株式3兄弟までもが「数字の遊び」の領域でしかない引き下げ幅に改悪されました。その水準だと実質的な意味はなく、単なるイメージ戦略でしょう。

おそらくスリムシリーズの他の商品も、今後信託報酬引き下げが行われると、どこかのタイミングで同様の改悪が行われるでしょう。残念です。

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