インデックス投資

eMAXIS Neoシリーズのパフォーマンスはさまざまですがどれも売れていません

2019年11月19日

近年テーマ型ファンドが乱造された感があります。eMAXIS Neoシリーズは信託報酬が低めに設定された、テーマ型ファンドの代表格です。現在9本がランアップされていますが、それらは3回に分かれて設定されました。でも決算日はみな同じで、先日第一期運用報告書が公開されました。

次は運用報告書から計算したトータルコスト一覧です。最後の列に純資産総額も載せました。

運用報告書から計算したトータルコスト一覧

  • 税込み信託報酬は0.7776%(税率8%)で統一されています。
  • トータルコストは1%前後です。そのテーマに投資したい人には許容範囲と言えるでしょうか。最近のインデックスファンドの超ローコスト化を考えるとまだ高いでしょうか。
  • 純資産総額は、eMAXIS Neoシリーズ共通の初期投資3億円を除いたものです。通常みなさんが目にする金額はこれより3億円多いです。

9本全部で純資産総額はたったの43億円にしかなりません。でも信託報酬のうちの三菱UFJ国際投信の取り分(売上)で考えると、その率はスリム先進国株式の9.26倍にもなるので、スリム先進国株式の純資産総額398億円分の売上が得られるとも言えます。不思議な気持ちになりますね。

登場するグラフ

各テーマごとにグラフが2つ登場します。1つ目はリターン比較、2つ目は設定来の総口数の推移です。

リターンはスリム米国株式(S&P500)と比較しました。あくまでそのテーマに投資した場合と、S&P500種指数に投資した場合の違いを見るのが目的です。また、今はダメでも将来大きく成長して高いリターンをもたらしてくれるかも知れません。要はそのテーマの未来にどれだけ賭けられるか(投資できるか)ですね。

赤のラインがスリム米国株式(S&P500)、緑のラインがeMAXIS Neoです。

総口数の推移は初期投資の3億円を除外してあります。

eMAXIS Neo ロボット

ロボットへの投資は報われていません。

人気は頭打ちです。

eMAXIS Neo 遺伝子工学

遺伝子工学への投資は無残なことになっています。

これでは人気の獲得は難しいでしょう。

eMAXIS Neo 宇宙開発

宇宙開発はボラティリティが高いですが、受益者は満足しているかも知れません。

最近減少しています。

eMAXIS Neo ナノテクノロジー

ナノテクノロジーもボラティリティが高いです。

頭打ちになりそうな気配です。

eMAXIS Neo バーチャルリアリティ

バーチャルリアリティもボラティリティが高いですが、受益者は満足しているのではないでしょうか。

でも売れていないです。

eMAXIS Neo ドローン

微妙です。

頭打ちになっています。

eMAXIS Neo ウェアラブル

微妙です。これならS&P500でいいと思ってしまいます。

頭打ちです。

eMAXIS Neo フィンテック

フィンテックへの投資は報われていません。

頭打ちです。

eMAXIS Neo 自動運転

自動運転への投資はボラティリティが高いですが、受益者は納得しているかも知れません。

でも売れていません。

投資対象は

eMAXIS Neoシリーズは米国Kensho社が開発した指数を採用しています。Kensho社は、データ分析・機械学習・自然言語処理などが専門のテクノロジー企業で、S&P Global社の100%子会社とのことです。

三菱UFJ国際投信は、スリム米国株式(S&P500)の信託報酬を、SBIバンガードS&P500に対抗して大幅に引き下げる際に、S&P500種指数の使用料引き下げ交渉をしたことを公表しています。もしかしたら、Kensho社の指数を9本も採用していることも交渉材料にしたかも知れません。

それはともかく、eMAXIS Neoシリーズはみな現物株運用です。各指数にあうETFなど存在しないためそうするしかないという事情もあるでしょうが、ETFを買うだけ、あるいは、複数のETFを組み合わせただけの手軽に組成できるものではないわけです。

次はトータルコスト一覧の表に、株式銘柄数を追加したものです。株式銘柄数が多いものが隠れコストが大きい傾向にあります。これはやむを得ないところでしょうか。

トータルコスト一覧の表に、株式銘柄数を追加したもの

また、株式銘柄数が少ないものは当然ボラティリティ(リスク)が高くなりますが、期待通り成長すると大きなリターンが期待できます。投資対象として考える場合は気にした方がいいでしょう。

結論

近年設定された、僕ら一般の投資家が目にするテーマ型ファンドで、満足に売れているものを僕は知りません。そもそもニッチなニーズに対応する商品なので、年10億円以上のペースで売れるというのは想定していないのかも知れません。そうであっても、設定、運用して損することがないコスト構造なのでしょうか。これらテーマ型ファンドの損益分岐点(純資産総額がいくら以上なら損はしないという水準)がどれぐらいなのか、とても興味があります。

テーマ型ファンドはメインの投資先にするものではなく、いわゆるサテライト投資で採用するものとも言われます。一定のニーズはありそうですが、eMAXIS Neoシリーズの売れ行きを見ると、果たして設定した価値があるのかどうか僕は疑問に思ってしまいます。それは主に僕の好みによる判断結果ですね。

なお、信託期間はどれも無期限なので、繰上償還されない程度の純資産総額が集まれば、安心して長期投資が可能です。

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