インデックス投資

SBI資産設計オープン(つみたてNISA対応型)の存在価値

2019年11月24日

2008年1月に設定されたSBI資産設計オープン(愛称:スゴ6)には資産成長型と分配型の2つが存在します。資産成長型は一般的なものですが、過去に分配金を出したこともあります。分配型の決算頻度は年6回で、運用報告書で確認できた2017年以降は決算毎に分配金を出しています。

SBI資産設計オープン(分配型)の非効率さについては、次の記事に書きました。

このSBI資産設計オープンには「つみたてNISA対応型」もあります。2017年12月19日に設定されました。資産成長型と分配型は、つみたてNISA適格ではありません。それゆえにわざわざ「つみたてNISA対応型」という、センスに欠けるけど単刀直入なネーミングの商品を新設したわけです。ではどうして資産成長型と分配型は、つみたてNISA適格でないのでしょうか。

指定インデックス投資信託

つみたてNISAでは、投資信託は2種類に分かれます。指定インデックス投資信託と、指定インデックス以外の投資信託です。後者にはアクティブファンドが多いですが、そうでないものも含まれています。

指定インデックス投資信託で、つみたてNISA適格となるためには厳しい要件が3つあります。(要件は他にもたくさんありますが、普通のインデックスファンドにとって厳しいのはこの3つです。)

  • 指定されたインデックスに連動すること。
  • 主たる投資対象に株式を含むこと。
  • 分配頻度が毎月でないこと。

ひとつずつ見ていきます。

指定されたインデックスに連動すること

この要件は最強で、金融庁が受益者保護を重視した結果と言えます。この要件があるだけで、おかしなものを作れなくなります。

SBI設計オープンが投資する資産のインデックス(ベンチマーク)は一般的なもので、全てつみたてNISAで認められたものです。よって、これが理由ではありません。(後でちゃんと説明します。)

なお、この要件の泣き所は、指定されたインデックスだけが正義で、他はそうではないのか、ということです。たとえばS&P500種指数は指定インデックスに含まれていますが、NYダウ指数は含まれていません。そのためeMAXIS NYダウもiFree NYダウもたわらNYダウも、「指定インデックス投資信託」で、つみたてNISA適格には絶対になれません。どこかで線引きが必要ですが、全員が納得する線引きなんて無理です。

eMAXIS NYダウは指定インデックス以外の投資信託で、つみたてNISA適格です。これは、次のとても厳しい要件をクリアできたからで、iFree NYダウ、たわらNYダウにはまだできません。

  • 設定されてから5年以上経過している。
  • 純資産総額が50億円以上。
  • 運用期間において、資産流入超の期間が2/3以上。

iFree NYダウはあと2年頑張れば要件を満たせるはずです。他の要件は満たせています。

たわらNYダウは純資産総額が17億円しかなく、不人気(総口数の伸びも悪い)なので、あと10年頑張っても無理でしょう。

主たる投資対象に株式を含むこと

この要件も厳しいです。たとえば債券100%とか、リート100%のものは絶対に認められません。これは金融庁にとっても苦渋の決断だったことでしょう。でも僕は良い判断だと思います。

SBI資産設計オープンはもちろん株式を含みますから、これが理由ではありません。

分配頻度が毎月でないこと

これは金融庁が譲歩した結果だと想像します。毎月分配型は認められませんが、隔月分配型までなら認められます。SBI資産設計オープン(分配型)は隔月分配なので、これが理由ではありません。

僕はこの要件は、将来、新たに適格認定を受ける商品については厳しくして良い(分配頻度は年2回までとか)と思っています。

パッシブ運用でないとダメ

指定インデックス投資信託であるためには、パッシブ運用でないといけません。8資産均等型のように合成ベンチマークでも良いので、パッシブ運用しなければなりません。複数のインデックスを組み合わせる場合に、その比率をファンドマネージャーの考えで変更してはいけないのです。その観点において、SBI資産設計オープンの資産成長型と分配型はアクティブファンドです。

次は目論見書にある表現です。

引用:目論見書

2つ目がダメです。これはファンドマネージャーの判断で投資比率を変更しますと言っているのです。こういうのをアクティブファンドと言います。

次はつみたてNISA対応型の目論見書の表現です。前記2つ目がありません。

引用:目論見書

役所に申請書を提出したらNG喰らったので一文削除した、そんな感じですが、つみたてNISA対応型はパッシブ運用しますということです。

隠れアクティブファンド

インデックスファンドのように見えて実はアクティブ運用している商品は他にも存在します。

  • セゾングローバルバランスファンド
  • 世界経済インデックスファンド

セゾングローバルバランスファンドがアクティブファンドだと聞いて、嘘だろと思われる方には次の記事がおすすめです。

それから、世界経済インデックスファンドの運用会社は三井住友トラスト・アセットマネジメントで、SBI資産設計オープンと同じです。え、SBIアセットマネジメントじゃないの?違います。紛らわしいですね。

コスト比較

次は運用報告書から計算したトータルコストです。税率8%時代のものです。

運用報告書から計算したトータルコスト

隠れコストはほぼ同じです。信託報酬は、2017年末に設定されたにしては高額で、税抜き0.50%もします。その時にはスリムバランス(8資産均等型)が存在し、その信託報酬は税抜き0.21%でした。やる気が感じられません。そもそもコスト意識の高い受益者をターゲットにしていないと言えるでしょう。わざわざ「つみたてNISA対応型」としたのにです。

SBI資産設計オープン(つみたてNISA対応型) vs 資産成長型

違いは信託報酬だけではないのであくまで参考程度にして下さい。

SBI資産設計オープン(つみたてNISA対応型) vs 資産成長型

青のラインはリターン差で、つみたてNISA対応型ー資産成長型です。この期間ではつみたてNISA対応型の方がパフォーマンスが良いですが、そうでないとしても、つみたてNISA対応型の方が良いでしょう。

SBI資産設計オープン(つみたてNISA対応型) vs スリムバランス(8資産均等型)

投資対象の資産配分が異なるので、この比較には注意が必要です。

SBI資産設計オープン(つみたてNISA対応型) vs スリムバランス(8資産均等型)

この期間だと、SBI資産設計オープン(つみたてNISA対応型)の方が良好でした。

SBI資産設計オープン(つみたてNISA対応型) vs セゾングローバルバランス

キングオブバランスファンドとも比較しました。投資対象が異なるので、この比較には注意が必要です。

この期間だと、SBI資産設計オープン(つみたてNISA対応型)の方が良好でした。

売れ行きは

売れていません。純資産総額は1.01億円しかありません。次は設定来の総口数の推移です。

設定来の総口数の推移

一定のペースで増えていますが、増加率が低すぎます。

理由は不明ですが、SBI資産設計オープン(つみたてNISA対応型)はSBI証券でしか買えません。本当にやる気を感じません。

結論

信託報酬が高いので、コストに注意を払う受益者はまず敬遠するはずです。売れていないのはその結果ではないでしょうか。投資対象資産は一般的なもので、単にその比率が他と違うバランスファンドだというだけで、税抜き信託報酬0.50%では、やる気がないと言われてもしょうがないでしょう。その点では、あまり存在価値を感じません。

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