インデックス投資

超高コストアクティブファンドでカモにされる情弱な富裕層

2019年11月28日

投資信託の中には明らかに富裕層を狙っていると思われる商品が存在します。日興BR・H・クオリティ・アロケーションF(H無)はそのひとつです。わずかでも金融リテラシーがあれば買わないでしょうし、過去に買わされてたとしても、金融リテラシーが身につけばさっさと売却してしまうようなものです。

名称が長いので以下「ハイクオリティファンド」と略します。

超高コストアクティブバランスファンド

株式と債券の比率が6:3、その他1のバランスファンドですが、投資先の比率を変動させてリターンの最大化を目指すアクティブ運用です。2014年6月27日に設定されたので、インデックスファンドのローコスト競争が進みだした頃です。(すでにニッセイ外国株式はありました。)なのに、ハイクオリティファンドは超高コストです。

  • 信託報酬は税込み2.068%と桁が違います。
  • 購入時手数料が税込み3.3%もかかります。
  • 信託期間はたったの10年、2024年償還です。
  • 販売しているのは三井住友銀行、SMBC日興証券だけです。

明らかに富裕層を狙っている

次は目論見書からの引用です。

購入時手数料は購入金額によって変わりますが、1億円未満なら3.3%、1億円を超えると半額、5億円を超えるとさらに半額、という設定です。

販売会社が2つしかないし、富裕層をターゲットにしているのは間違いないでしょう。

信託報酬が桁違いに高く、購入時手数料も引いちゃうような設定ですが、さらにひどいことに最近はパフォーマンスも悪いです。

リターン比較

バランスファンドなのでスリムバランス(8資産均等型)と、セゾングローバルバランスファンドに参加して頂きます。スリムバランスの設定日直後を避けて2017年5月26日から2019年11月22日までで比較します。

ハイクオリティファンド vs スリムバランス(8資産均等型)

ハイクオリティファンド vs スリムバランス(8資産均等型)

赤のラインがハイクオリティファンド、緑のラインがスリムバランスです。税込み信託報酬2.068%を払う価値はまったくありません。

ハイクオリティファンド vs セゾングローバルバランスファンド

ハイクオリティファンド vs セゾングローバルバランスファンド

セゾングローバルバランスも分類上はアクティブバランスファンドで、信託報酬も安くはありませんが、ハイクオリティファンドよりははるかに良いです。そのように比べるのが失礼なぐらいです。

次はハイクオリティファンドの設定来のリターン比較です。

ハイクオリティファンドの設定来のリターン比較

2018年10月に始まった世界同時株安以前は互角でしたが、世界同時株安以降はダメダメです。ファンドマネージャーが運を使い切ったのでしょうか。それとも能力発揮できなくなったのでしょうか。

ハイクオリティファンド vs スリム先進国株式

バランスファンドでないものと比較するのはフェアではないですが、参考までにスリム先進国株式と比較しました。2017年5月26日から2019年11月22日までです。

ハイクオリティファンド vs スリム先進国株式

これが現実です。

損していることに気付かない受益者

次は設定来の総口数の推移です。

設定来の総口数の推移

生データを見ると設定日の純資産総額が533.33億円もあります。事前募集だけでそんなに集まったのでしょうか。いくらかは運営側の初期投資かも知れません。

2016年以降は減少傾向ですが、現在の純資産総額は911億円です。まだそんなにあるのかと思ってしまいます。現在も買い持ちしている受益者は、自分が(高コストで低パフォーマンスの商品を買わされて)損していることにも気付かないのでしょう。お金がありすぎて気にならないのかも知れません。

信託報酬は税抜き1.88%なので、年間の売上は17.1億円にもなります。ニッセイ外国株式の純資産総額は1,429億円ですが、信託報酬は税抜き0.0999%ですので、売上は1.4億円しかありません。前者は富裕層向けのボロい商売、後者は一般人向けの薄利多売で儲けるのが難しい商売だというのが良く分かります。

信託期間は10年しかありません

ハイクオリティファンドは2024年に償還されます。これを買わされた富裕層は10年後にもっと判断能力を失っている状態で金融機関から誘いを受けます。きっと、もっと搾取できるボッタクリ商品を勧められることでしょう。金融機関にとって10年後が楽しみな仕掛けが設定時から入っているようなものです。言い過ぎですか?

別世界の話

金融リテラシーはないけど資産はある富裕層の存在が、この超高コストアクティブファンドを儲けさせています。別世界の話なのでどうでもいいですが、もしその資金が超ローコストファンドに振り向けられたら、投資環境はもっと良くなるかも知れません。その富裕層が得るリターンが少々増えてもどうということはありませんが、純資産総額を増やすのにしのぎを削っている超ローコストファンドに、数百億円が流入したら多くの一般人にとってメリットが生まれるように思うのです。期待できませんかね。

それから、アイキャッチ画像はカモですが、今日はにわとりの日です。

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