インデックス投資

SBIバンガードS&P500はスリム米国株式(S&P500)に勝てないと予想します

2019年12月2日

SBIバンガードS&P500は、税抜き信託報酬0.088%という脅威の超低コストで、証券業界に衝撃をもたらしました。スリム米国株式(S&P500)が対抗値下げできるかどうかについては、大きな注目を浴びました。

設定されて1ヶ月後に、SBIバンガードS&P500は期待したほど低コストではないかも知れないと書きました。

それから1ヶ月ですが、基準価格の推移を見ると、11月12日以降の、税抜き信託報酬が0.088%になったスリム米国株式(S&P500)に勝てないと思っています。これが正しいかどうかは、時間が経てば分かります。

VOOトータルリターン

SBIバンガードS&P500はVOO(バンガード社のETF)を買っています。次の手順でVOOのトータルリターンを生成しました。

  • 2011年年初に10,000円でVOOを買ったことにします。扱う株数は「端株数」です。つまり、VOOの取引価格が9,700円なら1.0309株買ったことになります。
  • 配当金が出たら米国での10%課税後のドルを再投資します。税引き後の配当金でVOOを端株数で買うのです。そうして保有株数を増やします。保有株数が増えるのは配当金を再投資した時だけです。
  • 円をドルに替える為替手数料もVOOの購入手数料もゼロとします。
  • 評価額は円換算して求めます。
  • 評価額の推移を指数化します。

言ってみれば、河童証券がVOOを買うだけのインデックスファンドを組成し、VOOの経費率を除いてコストゼロ(信託報酬もゼロ)で運用したようなものです。実際には様々な運用コストがかかりますから、どこが運用してもVOOトータルリターンを超えることは不可能です。

iFree S&P500 vs VOOトータルリターン

iFree S&P500は現物株とIVVで組成されています。VOOと直接の関係はありませんが、ベンチマークが同じなので長い期間で見れば、iFree S&P500でかかっているコストの様子が分かります。

次はあえてiFree S&P500の設定日以来の、VOOトータルリターンとの比較です。

iFree S&P500 vs VOOトータルリターン

青のラインはリターン差で、VOOトータルリターンーiFree S&P500です。右肩上がりで、その傾きはiFree S&P500の運用コストーVOOの経費率を示唆しています。

スリム米国株式(S&P500) vs VOOトータルリターン

スリム米国株式(S&P500)は現物株運用です。ETFは買っていません。同じく、あえて設定日以来の比較です。

スリム米国株式(S&P500) vs VOOトータルリターン

iFree S&P500より青のラインの傾きが小さいのは比較期間が短いからです。

スリム米国株式(S&P500)vs iFree S&P500

次は2019年年初からの、スリム米国株式(S&P500)とiFree S&P500のリターン比較です。

スリム米国株式(S&P500)vs iFree S&P500

青のラインはほぼフラットですが、11月12日以降は信託報酬差が開いているので、青のラインは今後右肩上がりに変わると予想しています。

SBIバンガードS&P500 vs VOOトータルリターン

あえてSBIバンガードS&P500の設定日からの比較です。右端は11月29日です。

SBIバンガードS&P500 vs VOOトータルリターン

青のラインは、SBIバンガードS&P500ーVOOトータルリターンです。青のラインはプラス圏内にありますから、そのまま解釈するとSBIバンガードS&P500の方がVOOトータルリターンよりローコストだということになります。

でもそれは実現不可能です。青のラインがプラス圏内にあるのはたまたまであって、青のラインが示す傾向に注目すべきです。青のラインは10月10日頃から右肩下がりです。この青のラインは変動はあっても原理的に右肩下がりで推移するのが正解です。運用コストが物理法則のように作用するのでそうなるしかないのです。

同じ比較をスリム米国株式(S&P500)でした結果

同じ期間の比較をスリム米国株式(S&P500)に変えて行います。グラフのスケールは同じです。

比較期間の途中で青のラインがプラス圏内にありますが、それは正しくない姿だというのはこれまでの流れで分かって頂けると思います。ここで注目して欲しいのは青のラインの傾向です。青のラインはスリム米国株式(S&P500)ーVOOトータルリターンなので、必ず右肩下がりになりますが、SBIバンガードS&P500の場合に比べて傾きが小さいです。

スリム米国株式(S&P500)の信託報酬は11月12日から税抜き0.088%に引き下げられました。その前は税抜き0.15%だったことを考えると、SBIバンガードS&P500はスリム米国株式(S&P500)に勝てないと思います。

SBIバンガードS&P500 vs スリム米国株式(S&P500)

同じ期間の比較です。グラフのスケールも同じです。

SBIバンガードS&P500 vs スリム米国株式(S&P500)

青のラインはSBIバンガードS&P500ースリム米国株式(S&P500)です。ここまでの比較結果から、青のラインは最初上昇、10月10以降は減少傾向なのは納得できます。

SBIバンガードS&P500 vs iFree S&P500

しつこいですが、同じ比較をiFree S&P500でも行います。

SBIバンガードS&P500 vs iFree S&P500

この結果も推測される通りです。だってiFree S&P500とスリム米国株式(S&P500)の間にはほとんどリターン差がなかったのですから。

SBIバンガードS&P500の運用コスト

次は10月16日以降の、VOOトータルリターンとSBIバンガードS&P500のリターン比較です。

10月16日以降の、VOOトータルリターンとSBIバンガードS&P500のリターン比較

青のラインはVOOトータルリターンーSBIバンガードS&P500です。青のラインの傾きが、SBIバンガードS&P500の運用の全ての結果が反映された真のトータルコストを示しています。でもこの傾き、大きいです。

次はVOOトータルリターンのコストを年率0.6%ポイント増量したものとの比較です。

VOOトータルリターンのコストを年率0.6%ポイント増量したものとの比較

青のラインはほぼフラットになりました。よって、この期間におけるVOOトータルリターンとの差から、SBIバンガードS&P500の運用コスト(VOOの経費率を除きます)は期待値よりはるかに大きいことが推測できます。本当だったら泣いちゃいますね。

結論:過大な期待はしない方が

これまでさんざんリターン比較をしてきた経験から言うと、SBIバンガードS&P500の感触は良くありません。まだ設定されてから2ヶ月半なので、安易に結論は出せませんが、過大な期待はしない方が良さそうです。同じことは、楽天全米株式にだってあったのですから。

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