米国株式

楽天全米株式と取引手数料完全無料のDMM.com証券で買うVTIはどちらが有利ですか?

2019年12月9日

このブログではこれまで何度も楽天全米株式とVTIを自分で買う場合のシミュレーションをしてきました。毎月の投資可能余裕資金が5万円から10万円の一般人なら、楽天全米株式一択で、VTIを自分で買おうなどと思わないこと、というのが僕の結論です。一般人よりはるかに高い入金力がある人は自分で判断して下さい。

さて、DMM.com証券は2019年12月9日から、米国株式の取引手数料を完全無料化します。

取引手数料の完全無料化の説明図

引用:DMM.com証券

売買に為替手数料しかかからないということですね。あり得ないと思いませんか。どうやって利益を確保するのでしょうか。為替手数料だけで成立するビジネスなのでしょうか。

余計な心配はおいといて、DMM.com証券でVTIを買う場合と、楽天全米株式を買う場合のどちらが有利か、シミュレーションしました。分かりやすい解説付きです。

為替手数料

読者の方から教えて頂いたのですが、住信SBIネット銀行の外貨積立を通じて米ドルで購入する場合(外貨決済)、為替手数料は1ドルあたり2銭になるそうです。ただしこの方法は使いにくい面もあるようで、どれぐらい一般的に利用されているのかは分かりません。

この記事ではSBIネット銀行+SBI証券の合せ技で4銭にできるものとしています。

DMM.com証券の為替手数料は1ドルあたり25銭です。円貨のみの取引なので、ドル転、円転を意識することはありません。

DMM株

配当金の扱い

DMM.com証券は配当金は円転されて口座に入ります。その際の為替手数料は25銭ではなくて1円だそうです。

SBI証券、楽天証券、マネックス証券では、配当金はドルのまま口座に入るため、配当金を再投資する際に為替手数料は発生しません。取引手数料だけです。が、DMM.com証券の場合、取引手数料はゼロでも、為替手数料が往復で1.25円かかります。

これはDMM.com証券のデメリットですが、これを(ドルのままにするなどして)ゼロにしたらDMM.com証券の売上が(配当金の再投資時に)ゼロになってしまいます。円転して口座に入れる今のままだとしても、為替手数料1円は高いからせめて25銭に引き下げるとなると、売上が減ってしまいます。

実際のところ、為替手数料からどれだけの利益が得られるのかは分からない訳ですが、証券会社が実際に負担している「為替手数料」は受益者から徴収しているものより桁違いに少ないのではないでしょうか。

月額予算5万円の場合

次はSBI証券で、月額予算5万円でVTIを買う場合のシミュレーションです。

また、全期間で消費税の税率を10%にして計算しています。

SBI証券で、月額予算5万円でVTIを買う場合のシミュレーション結果のグラフ

青のラインは税引前評価額の差で、楽天全米株式ーVTIです。黄色の丸で囲ったところのヒゲは無視して下さい。

青のラインは赤の矢印の水準からスタートしています。0.5%ポイント程度です。これは予算5万円でVTIを買うと、取引手数料が税込み0.495%と、為替手数料が1ドルあたり4銭(0.04円、非課税)かかるからです。1ドルが106円なら、0.037%程度の負担になります。

毎月VTIを買う都度、この手数料負担分だけ楽天全米株式より不利です。一方、楽天全米株式の保有コストはVTIより年率0.2%ポイントほど高いので、売買が全く発生せず、保有しているだけなら青のラインは右肩下がりになります。が、楽天全米株式の購入額はVTIの手数料負担分だけ多く、その分も基準価格の上昇による複利効果が得られます。さらに、配当金の再投資効率に大きな違いがあります。

次はDMM.com証券の場合です。取引手数料は無料ですが、為替手数料は1ドルあたり25銭(0.25円)です。

DMM.com証券、月額予算5万円の場合のシミュレーション結果のグラフ

青のラインは0.25%ポイント程度からスタートしています。為替手数料が1ドルあたり25銭なので、1ドルが106円なら、0.236%程度の負担になります。青のラインは下方向に移動し、傾きもわずかながら小さくなりました。

よって、月額予算5万円なら、SBI証券よりDMM.com証券の方が有利です。また、このシミュレーションでは配当金は再投資されていません。VTIを1株買うだけの金額貯まらなかったからです。

でも、税引き後評価額で見ても、楽天全米株式の方が儲かりました。

月額予算50万円の場合

SBI証券の場合です。

SBI証券で月額予算50万円の場合のシミュレーション結果のグラフ

月額予算を10倍に増やしたのに、青のラインはまだ0.5%ポイント程度からスタートしています。SBI証券だと取引手数料は税込み0.495%で上限は税込み22ドルです。購入額をもっと増やさないと取引手数料の負担率は下がりません。

次はDMM.com証券の場合です。

DMM.com証券、月額予算50万円の場合のシミュレーション結果のグラフ

月額予算が50万円になると、この期間で合計10株再投資できています。再投資した配当金の合計が16万円、1ドル106円とすると、配当金の再投資にかかったコストはこうなります。

  • DMM.com証券:為替手数料が往復で1.25円なので、1,886円、取引手数料ゼロです。
  • SBI証券:為替手数料ゼロ、取引手数料が税込み0.495%なので791円です。

よって配当金の再投資に関しては、SBI証券の方が有利です。でもVTIの場合配当金は年率2%程度でしかないため、このシミュレーションで支配的なのは元本を増やす際の取引手数料です。

月額予算100万円の場合

SBI証券の場合です。

SBI証券で月額予算100万円の場合のシミュレーション結果のグラフ

青のラインのスタート水準が0.25%程度に下がりました。これは取引手数料の上限が税込み22ドルであるためです。

次はDMM.com証券の場合です。

DMM.com証券で月額予算100万円の場合のシミュレーション結果のグラフ

この比較において、SBI証券とDMM.com証券の大きな違いはこれです。(配当金は無視します。)

  • 取引手数料が税込み0.495%で上限22ドルもするけど、為替手数料は1ドルあたり4銭。
  • 取引手数料は無料だけど為替手数料は1ドルあたり25銭。

そのため1回の購入額が巨額になれば、SBI証券の方が有利です。月額予算が100万円、1ドル106円なら購入時のコストはこうなります。

  • SBI証券:2,709円
  • DMM.com証券:2,358円

月額予算が200万円、1ドル106円なら購入時のコストはこう変わります。

  • SBI証券:3,086円
  • DMM.com証券:4,716円

月額予算500万円の場合

月額予算500万円ってマジかよと思いますが、シミュレーションなので簡単に富裕層になれます。SBI証券の場合です。

SBI証券で月額予算500万円の場合のシミュレーション結果のグラフ

もうお分かりですね。次はDMM.com証券の場合です。

DMM.com証券、月額予算500万円の場合のシミュレーション結果のグラフ

SBI証券の方が有利です。

月額予算が500万円、1ドル106円なら購入時のコストはこう変わります。

  • SBI証券:4,218円
  • DMM.com証券:11,792円

1,000万円一括投資してガチホする場合

もう少し現実的なケースです。SBI証券の場合です。

SBI証券で1,000万円一括投資してガチホする場合のシミュレーション結果のグラフ

1,000万円一括投資できるなら、SBI証券の取引手数料は22ドルなので負担率を小さくできます。0.023%などの、きっと気にしない額です。為替手数料は0.037%程度の負担なので、青のラインはずっと下からスタートします。

次はDMM.com証券の場合です。

DMM.com証券で1,000万円一括投資してガチホする場合のシミュレーション結果のグラフ

SBI証券の方が有利です。

楽天全米株式はどうした

いつの間にかSBI証券とDMM.com証券の比較になってしまいました。一般人ならDMM.com証券が有利、富裕層になればなるほどSBI証券が有利という結果になりました。

それでも、一般人なら楽天全米株式の方が儲かります。富裕層の方はご自分で判断して下さい。

DMM株

他の証券会社は追随できるのか?

取引手数料0.45%、上限20ドル、下限5ドルだったのを撤廃、みんな仲良く足並み揃えて、という無理して価格競争しない業界でした。携帯の大手3キャリアの価格競争みたいに、横並びでも談合ではありません。

そこへDMM.com証券が掟破りみたいな宣戦布告です。SBI証券、楽天証券、マネックス証券はどうするでしょうか。僕は追随できると思えないです。

DMM.com証券の場合、配当金を必ず円に転換するのでその際に為替手数料を徴収できます。しかも1円と高いです。SBI証券、楽天証券、マネックス証券はドルのまま口座に入るので、受益者が円転しない限り(配当金については)為替手数料は発生しません。そもそもDMM.com証券がどうやって利益を確保するのか分からないのですが、他の証券会社は取引手数料をゼロにできるのでしょうか。僕にはできそうな気がしません。

が、SBI証券は2022年までに株の取引手数料も撤廃すると宣言しているそうです。どうやって儲けるのでしょうね。

でもこれが競争であり、本来あるべき姿でしょう。

競争は終わりません

株の取引手数料に関して動きがあったわけですが、競争が終わらないのは投資信託も同じです。取引手数料の撤廃の話題は、ノーロードの商品しか検討していない賢明な受益者にとっては「何をいまさら」だと思います。いまどき取引手数料を(証券会社によってはいくらを上限にして)設定できますっていう商品は、そもそも検討対象から除外すべきです。

信託報酬引き下げ競争もまだ続くでしょう。それは税抜き信託報酬が0.0965%になったスリム先進国株式にも言えるはずです。

なぜなら競争だからです。ではいつ打ち止めになるか?競争相手がいなくなった時です。

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