インデックス投資

楽天全米株式と買付手数料無料のSBI証券で買うVTIはどちらが有利ですか?

2019年12月17日

じゃんけんで勝つには後出しすれば良いのですが、サービス競争で後出しするならより強い手を出す必要があります。さらに後出ししてくる競合の手も予想しながらです。

その観点では、DMM.com証券に対抗してマネックス証券が出してきた手は悪かったです。買付手数料をキャッシュバックするものの、税金を除くという中途半端なものでした。SBI証券は税金も含めてキャッシュバック、システム対応できたら無料化という好ましいものでした。楽天証券は最初から無料化で応じました。マネックス証券は戦い方が分かってませんね。

次の記事で、取引手数料が完全無料化されたDMM.com証券でVTIを買う場合と、楽天全米株式を買う場合のどちらが有利か、シミュレーションしました。

では買付手数料が無料化されるSBI証券でVTIを買う場合はどうでしょうか。シミュレーションしました。

為替手数料

住信SBIネット銀行の外貨積立を通じて米ドルで購入する場合(外貨決済)、為替手数料は1ドルあたり2銭になるそうです。ただしこの方法は使いにくい面もあるようで、どれぐらい一般的に利用されているのかは分かりません。

この記事ではSBIネット銀行+SBI証券の合わせ技で4銭にできるものとしています。なお売却時の為替手数料は1ドルあたり25銭のはずです。そして、DMM.com証券以外は売付手数料は税込み0.495%のままであることに注意して下さい。

読者の方から教えていただきました。売却時の為替手数料も、SBIネット銀行+SBI証券の合わせ技で1ドルあたり4銭にできるそうです。

比較条件

せっかくですから、12月に勃発した買付手数料無料化競争の前の状態のグラフと、買付手数料が無料化された状態のグラフを載せます。SBI証券は当面「無料化」ではなくて「全額キャッシュバック」ですが、キャッシュバックだとシミュレーションがめんどくさいので、無料化後の状態とを比較します。

また、買付手数料が有料のものは全期間において消費税率を10%にしています。

月額予算5万円の場合

月額予算5万円でVTIを買う場合のシミュレーションです。まず買付手数料無料化前です。

月額予算5万円の場合、買付手数料無料化前

青のラインは税引前評価額の差で、楽天全米株式ーVTIです。黄色の丸で囲ったところのヒゲは無視して下さい。

青のラインは赤の矢印の水準からスタートしています。0.5%ポイント程度です。これは予算5万円でVTIを買うと、買付手数料が税込み0.495%と、為替手数料が1ドルあたり4銭(0.04円、非課税)かかるからです。1ドルが106円なら、0.037%程度の負担になります。

次は買付手数料無料化後です。

月額予算5万円の場合、買付手数料無料化後

買付手数料が無料化されたので、青のラインの開始水準が大きく下がりました。青のラインは右肩下がりで推移しますが、配当金が出るタイミングで階段状に上がります。これは、楽天全米株式は配当金を国内課税なしで再投資するのに対し、VTIは国内課税されてしまうからです。また、月額予算5万円だと、この期間では一株も再投資できず、ドルで口座に入ったままです。

比較期間の後半は青のラインは運用コスト差のために右肩下がりになりつつも、全体としては右肩上がりで推移しています。青のラインは税引前評価額の差ですが、税引き後でもわずかですが楽天全米株式の方が儲かりました。

月額予算50万円の場合

買付手数料無料化前です。

月額予算50万円の場合、買付手数料無料化前

月額予算を10倍に増やしたのに、青のラインはまだ0.5%ポイント程度からスタートしています。買付手数料は税込み0.495%で上限は税込み22ドルでした。購入額をもっと増やさないと取引手数料の負担率は下がりません。

次は買付手数料無料化後です。

月額予算50万円の場合、買付手数料無料化後

月額予算が50万円になると、この期間で合計10株再投資できています。再投資できるとその分も取引価格の上昇の恩恵を受けて増えるため、青のラインの推移が理解しやすいものになりました。

そして、税引き後評価額では4,132円、0.03%VTIの方が有利でした。が、これは売却に必要な手数料(売付手数料+為替手数料)を考慮していません。この手数料は売り方によって大きく変わるので、どっちが有利かはご自分で判断して下さい。

たとえば、VTIを(税引き後で)1ドル106円で100万円分売却すると売付手数料が税込み0.495%だけど上限22ドルで2,332円+為替手数料が1ドル106円として2,358円で合計4,690円かかります。マネックス証券もSBI証券も楽天証券も売付手数料は無料化しなかった(マネックス証券がしていたら結果は違ったかな)ことは意識した方がいいですね。

月額予算100万円の場合

買付手数料無料化前です。

月額予算100万円の場合、買付手数料無料化前

青のラインのスタート水準が0.25%程度に下がりました。これは買付手数料の上限が税込み22ドルであるためです。

次は買付手数料無料化後です。

月額予算100万円の場合、買付手数料無料化後

買付手数料の上限もなくなったので、月額予算50万円の場合との差を認識しにくいです。

そして、税引き後評価額では10,692円、0.04%VTIの方が有利でした。が、これは売却に必要な手数料(売付手数料+為替手数料)を考慮していません。この手数料は売り方によって大きく変わるので・・・以下同文です。

月額予算500万円の場合

月額予算500万円ってマジかよと思いますが、シミュレーションなので簡単に富裕層になれます。買付手数料無料化前です。

月額予算500万円の場合、買付手数料無料化前

次は買付手数料無料化後です。

月額予算500万円の場合、買付手数料無料化後

分母が大き過ぎて違いが分かりにくいですが、それなりにあります。

そして、税引き後評価額では54,869円、0.04%VTIの方が有利でした。以下同文です。

1,000万円一括投資してガチホする場合

もう少し現実的なケースです。買付手数料無料化前です。

1,000万円一括投資してガチホする場合、買付手数料無料化前

1,000万円一括投資できるなら、SBI証券の買付手数料は22ドルなので負担率を小さくできました。0.023%などの、きっと気にしない額です。為替手数料は0.037%程度の負担なので、青のラインはずっと下からスタートしています。

次は買付手数料無料化後です。

1,000万円一括投資してガチホする場合、買付手数料無料化後

税引き後評価額では36,564円、0.32%楽天全米株式の方が有利でした。

結論

楽天全米株式とSBI証券で買うVTIの違いはこうです。

  • 運用コスト(保有コスト)はVTIの方が年率0.2%程度有利です。
  • 購入時のコストは為替手数料だけVTIが不利ですが、これは相対的に小さいです。
  • 配当金の再投資効率は、楽天全米株式にかないません。
  • VTIは売却時に手数料がかかります。

僕は、一般人はまず、つみたてNISA口座で楽天全米株式を買い、まだ余裕があるなら楽天証券の定口座にて楽天カード決済で買うのが良いと思います。自分でVTIを買おうと思う前に、楽天全米株式の運用コストを負担することで得られるメリットについて良く考えて欲しいです。

富裕層の方は、投資金額が増えるにしたがって楽天全米株式との差が小さくなりますから、その特性を考慮した上で好きな方を選択すれば良いと思います。

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