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iFreeレバレッジNASDAQ100の運用は目論見書通りでした

2019年12月26日

iFreeシリーズには2倍のレバレッジをかけたブル型商品が2本あります。先に設定されたのがiFreeレバレッジS&P500です。次の記事で取り上げました。

僕は高コストになるのではと思っていたのですが、運用報告書にある数値から計算した隠れコストは、予想外に低かったです。そうすると姉妹品と言える、1ヶ月半遅れで設定された、iFreeレバレッジNASDAQ100の隠れコストも低いことが期待されます。

第一期運用報告書が公開されましたので、iFreeレバレッジNASDAQ100のこれまでを振り返ります。レバレッジ型ファンドを馬鹿にしている人にも楽しんで頂けると思います。

iFreeレバレッジS&P500は隠れコストが低い

運用報告書には全てのコストが記載されませんし、レバレッジをかけるのに必要な金利が別途必要でしょうから、ブル型でないものと同列で比較しない方がいいと思います。

次は第一期運用報告書から計算したトータルコストです。姉妹品も記載しています。

iFreeレバレッジS&P500とiFreeレバレッジNASDAQ100のトータルコスト一覧表

運用報告書にある数値を信じるなら隠れコストは0.0631%と低廉です。iFreeレバレッジS&P500同等でした。

でも税抜き信託報酬が0.9%なのでトータルコストが高いことは確かです。が、なんでもかんでもスリムシリーズ並みでないとダメと言うことではありません。その資産クラスの特性、事情、他社商品との競争を含めて判断すべきです。それでも僕は税抜き0.9%は高額で、せいぜい0.6%程度なら良かったのにと思います。

また、購入時手数料税抜き2.0%が設定されています。これはひどいと思いましたが、最近の投資信託の購入時手数料を無料化する流れのおかげで、証券会社を選べばノーロードになりました。

楽天証券では次のように案内されています。(赤枠で囲ったのは僕です。)

楽天証券ではすべてのファンドが買付手数料無料

引用:楽天証券

でも、ブル・ベア型ファンドで買付手数料がゼロになると、投機的売買、短期売買を促進してしまう側面は否定できないでしょう。ブル・ベア型ファンドはそもそも、原理的に長期投資に向かないので(そのように考えない人もいますが)、受益者の中には短期売買をする人が一定数いる、よって売買比率が高くなるのでそれに伴うコストを受益者全員で負担しているのだということは、理解して投資すべきです。

それも納得した上で、投資対象(この記事だとiFreeレバレッジNASDAQ100)が、コストとリスクを負担するに値するリターンが期待できるかどうか、ですね。

QLD

NASDAQ100でブル型と言えばTQQQ(ProShares社のETF)が超有名です。これは3倍です。2倍はQLDですが、QLDは楽天証券、SBI証券、マネックス証券では買えません。

QLDの経費率は0.95%と高額です。

次はQLDのトータルリターンと、レバレッジのかかっていないQQQのトータルリターンの比較です。QLDが設定された翌年の2007年年初からの比較になります。

QLDのトータルリターンと、レバレッジのかかっていないQQQのトータルリターンの比較グラフ

赤のラインがQLD、緑のラインがQQQです。株価が上昇できなかった2014年より前はQQQに負けていました。2014年以降の強気相場では凄まじい上昇率ですが、下落率も同様に凄まじいです。この乱高下に耐えられない人はレバレッジ型に手を出してはいけません。

このグラフから、QQQの上昇局面では高いリターンが期待できるものの、下降局面では含み益を急速に溶かしてしまうことが分かります。僕にはやはり長期保有向きの資産とは思えません。短期売買を好む人にはいいかも知れませんが、全資産に占める割合は低く抑えた方がいいでしょう。

QLDトータルリターンとiFreeレバレッジNASDAQ100のリターン比較

ではQLDと、iFreeレバレッジNASDAQ100を比較します。iFreeレバレッジNASDAQ100の設定日直後を避けた2018年11月5日からの比較です。

QLDトータルリターンとiFreeレバレッジNASDAQ100のリターン比較グラフ

赤のラインがiFreeレバレッジNASDAQ100です。青のラインはリターン差で、iFreeレバレッジNASDAQ100ーQLDトータルリターンです。レバレッジ型であることを考えると、両者にほとんど差はないと言っていいでしょう。

よって、iFreeレバレッジNASDAQ100の運用は期待通りであると判断します。

iFreeレバレッジNASDAQ100とiFree NEXT NASDAQ100のリターン比較

次はレバレッジのかかっていないiFree NEXT NASDAQ100とのリターン比較です。

iFreeレバレッジNASDAQ100とiFree NEXT NASDAQ100のリターン比較グラフ

2018年10月に始まった世界同時株安で株価は大きく下落しますが、2倍のレバレッジをかけているiFreeレバレッジNASDAQ100の下落率は凄まじいです。その後の上昇率も凄まじく、この比較期間だと十分大きな差を付けています。

次はリスク比較です。日々の値動きの2倍を目指すのでリスクは高くなります。これは理屈通りです。

iFreeレバレッジNASDAQ100とiFree NEXT NASDAQ100のリスク比較グラフ

リターン差を見ると状況がよく分かります。

iFreeレバレッジNASDAQ100とiFree NEXT NASDAQ100のリターン差のグラフ

この比較期間だと儲かりましたが、また大きく下落すると含み益を吐き出すかも知れません。その前に利益確定売りができる人が、本当に儲けられるのかも知れませんが、そのためには運が必要で、それはなかなか長続きしないようです。

積み立てシミュレーション

次はiFree NEXT NASDAQ100に2018年11月から毎月初に5万円、積み立て投資をしたシミュレーション結果です。

iFree NEXT NASDAQ100に2018年11月から毎月初に5万円、積み立て投資をしたシミュレーション結果のグラフ

利益率は17.23%でした。次はiFreeレバレッジNASDAQ100です。本当は購入時手数料が必要でしたが、無視しています。

iFreeレバレッジNASDAQ100に2018年11月から毎月初に5万円、積み立て投資をしたシミュレーション結果のグラフ

利益率は33.31%でした。iFreeレバレッジNASDAQ100は高コスト、高リスクですが積み立て投資を継続できた人は、レバレッジのかかっていないiFree NEXT NASDAQ100に積み立て投資するよりも儲かったわけです。

iFreeレバレッジNASDAQ100とiFreeレバレッジS&P500のリターン比較

次は姉妹品の姉であるiFreeレバレッジS&P500とのリターン比較です。

iFreeレバレッジNASDAQ100とiFreeレバレッジS&P500のリターン比較グラフ

赤のラインがiFreeレバレッジNASDAQ100です。この比較期間だと妹に軍配が上がりました。

売れ行きは

次は設定来の総口数の推移です。

設定来の総口数の推移グラフ

残念ながら人気を獲得できていません。金額にして数千万円を超える急激な変動があるのはレバレッジ型らしいです。直近でも5千万円程度買われていますが、またすぐ売られるかも知れません。

設定日の純資産総額が3億円ありますが、これは運営側による初期投資だと思われます。よって、受益者の投資による純資産総額は4.38億円しかありません。

目論見書には総口数が30億口を切ると繰上償還することがあると書かれています。こんなに不人気だとその可能性は十分あります。なお、当然ですが、つみたてNISA適格ではありませんから、繰上償還に際して金融庁に遠慮は不要です。

まとめ:iFreeレバレッジNASDAQ100の運用は目論見書通り

iFreeレバレッジNASDAQ100の運用は目論見書通りでした。信託報酬は高いですが、それも目論見書通りです。ファンドによっては第一期運用報告書を見て隠れコストの高さに目玉が飛び出しそうになるものがありますが、iFreeレバレッジNASDAQ100は姉妹品のiFreeレバレッジS&P500同様、隠れコストは低かったです。

でもレバレッジ型ゆえ、一般人向けの商品ではありません。NASDAQ100指数の暴落後に、その後の株価の回復を楽しむ程度に投資するのならいいかも知れません。その際、3倍ブル型のTQQQに挑戦するまでの気はない、2倍ブル型のQLDは日本の証券会社で扱っていない、なら信託報酬が高いけど、ノーロードだし100円から気軽に投資できるiFreeレバレッジNASDAQ100でハイリスクな取引を楽しむのもいいかな、と思う人もいるでしょう。僕もちょっとは心惹かれるところがあります。

僕は、iFreeレバレッジNASDAQ100は長期保有に不向きだと思うのですが、ならばそもそもどうしてファンドで組成したのかという疑問もあります。ここは人によって捉え方が変わるでしょう。でも売れ行きを見る限り、支持する受益者は少ないようです。その傾向は、姉妹品のiFreeレバレッジS&P500と同じです。

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