インデックス投資

僕はスリム先進国株式の純資産総額が増えると嬉しいです

2019年12月28日

たわら男爵様は、たわら先進国株式の純資産総額が増えるのが嬉しくないそうです。

その理由は、マザーファンドで発生したコストはベビーファンドの純資産総額比で負担するため、ベビーファンドの中に売買比率が高いもの(迷惑なやつ)がいると、コスト負担が増えてしまうから、というものです。ベビーファンドの純資産総額が少なければ、負担割合が小さいので、マザーファンドにタダ乗りできる、という考えです。

これについて考えてみました。

マザーファンドの売買比率

僕はマザーファンドの売買比率について調べたことがあります。

スリム先進国株式のマザーファンドの売買比率はとんでもなく高いです。過去3期分を取り出すとこうなっています。

スリム先進国株式のマザーファンドの売買比率

マザーファンドの純資産総額は3,200億円程度ありますが、売買比率は100%前後もあります。どうやらベビーファンドにとんでもなく売買を繰り返す輩がいるようです。

次は過去の記事から抜粋した、同じマザーファンドを利用する商品一覧です。商品名、2018年の元本、2017年の元本、差額の絶対値、2018年の元本の合計に対する差額の比率です。

一覧表、前半

一覧表、後半

次は影響度が0.1%以上のものを、影響度の大きい順に並べたものです。

影響度の大きい順

多くは増加ですが、減少したものもあります。eMAXIS先進国株式は減少です。1位の影響度は10.98%もあります。この1位の適格機関投資家限定商品は1年間で元本を150億円減らしました。マザーファンドを利用している他の商品から見るとめいわくな存在と言えます。

このマザーファンドの純資産総額は(この表を作成した時点で)3,468億円程度ありますが、スリム先進国株式は設定後2年で純資産総額を340億円に増やしましたから、人気のある商品はマザーファンドの純資産総額比で5%ぐらい、1年で増やせます。それを考えると、このマザーファンドの売買比率が高くなるのは避けられない気がします。

スリム先進国株式

スリムシリーズで一番人気と言えばスリム先進国株式です。純資産総額は740億円あります。設定後、2年9ヶ月かけて積み上げてきました。マザーファンドに占める割合は20%以上あるかも知れません。(現在のマザーファンドの純資産総額が分からないので正確なことが言えません。)

で、マザーファンドで生じた売買委託手数料や有価証券取引税の割り振りを、純資産総額比で行う場合、ベビーファンドにやたら滅多売買を繰り返す迷惑なやつがいると、不公平ではないかと思っていました。

三菱UFJ国際投信主催のブロガーミーティングのQ&Aにて次の質問をしました。

MSCIコクサイをベンチマークにしているマザーファンドの売買比率は非常に高いが、原因はベビーファンドの中にとんでもなく売買比率の高いものがあるから。では、売買比率に比例する手数料と税金は、どのようにベビーファンドに分配しているのでしょうか。ベビーファンドの純資産総額比でしょうか、ベビーファンドでの売買比率+定常の売買比率でしょうか。

ファンドマネージャーをされている方から頂いた回答です。

  • ベビーファンドの純資産総額比です。
  • ベビーファンドはマザーファンドに売却時信託財産留保額を入れるようにすることで、相応の負担をしてもらっている。

実は同じ内容を、失礼なことに、ブロガーミーティング2回で、違う形で別の人にも聞いていました。2回とも、同じ回答でした。

その通りだとすると、前記1位の適格機関投資家限定商品は1年間で元本を150億円減らすことでマザーファンドに大きな影響を与えましたが、マザーファンドに信託財産留保額を残すことで相応の負担をし、ベビーファンドの純資産総額比で売買委託手数料と有価証券取引税が分配されても不公平のないようにしている、ということになります。これを信じるかどうかは皆さん次第です。

隠れコスト

次はスリム先進国株式の運用報告書から計算した隠れコストの明細です。

スリム先進国株式の運用報告書から計算した隠れコストの明細

スリム先進国株式は第一期で100億円集め、第二期でさらに325億円集めました。でも隠れコストはほとんど変わっていません。

隠れコストは、運用報告書にある、1万口あたりの費用明細から算出しています。仮に第一期と第二期で、マザーファンドで発生したコスト要因が同じなら、純資産総額が増えても1万口あたりの費用は変わりません。よって、ベビーファンドの純資産総額が増えることが問題ではなく、負担が公平に行われるかどうかが問題です。

次は姉妹シリーズである「つみたてんとうシリーズ」で同じマザーファンドを利用する、つみたて先進国株式の隠れコストの明細です。

つみたて先進国株式の隠れコストの明細

理由は分かりませんが、第二期は第一期より減っています。違いが目立つものを青字にしました。

つみたて先進国株式は、増加ペースはスリム先進国株式にかないませんが、順調に総口数を増やしています。

つみたて先進国株式の総口数の推移

スリム先進国株式も、つみたて先進国株式も、純資産総額を増やしています。その間に、あの売買比率がやたら高い迷惑なやつらがどれだけ売買したかを調べるのは、大変すぎてやる気になれませんが、ここまででは、不公平な負担を押し付けられているようには思えません。

先進国株式インデックスファンド御三家の現状

MSCIコクサイをベンチマークにしているインデックスファンドで、信託報酬と純資産総額から考えた御三家は、設定順に、ニッセイ外国株式、たわら先進国株式、スリム先進国株式となります。他は、信託報酬か純資産総額(人気)のどちらかが勝負になりません。

次は御三家の純資産総額の推移です。

先進国株式インデックスファンド御三家の純資産総額の推移

赤のラインのニッセイ外国株式はキング・オブ・MSCIコクサイです。青のラインのスリム先進国株式の人気が高いと言っても、ニッセイ外国株式に追いつくのは容易ではありません。

緑のラインのたわら先進国株式は、増加ペースを見る限り、差が開く一方です。

結論

本当のことは分かりません。でもこれまでのところ(たった2回の決算だけですが)純資産総額の増加により隠れコストが増えてはいないことから、マザーファンドのコストを不公平な形で負担させられないことを期待します。

そして、同じマザーファンドを利用する他の商品はともかく、(懸念されているデメリットがないとすると)スリム先進国株式の純資産総額が増えてくれた方が、受益者にとってメリットがあります。

  • 純資産総額が500億円、1,000億円を超えると信託報酬が漸減される「受益者還元型信託報酬」になっています。ごくわずかですが、スリム先進国株式の場合、まだ意味のある減り方をします。
  • 純資産総額が増えると、少ないながらも売上が増えるので、事業計画の説明ができます。純資産総額が増えないと、いつまでも儲からない事業に投資するなと言われるリスクが増えます。そうなると、競争から脱落したのと同じです。
  • 純資産総額が増えない状態だと、さらなる信託報酬引き下げをするのが困難になります。稟議書が通せません。

ということで、僕はスリム先進国株式の純資産総額が増えると嬉しいです。そして、隠れコストが現在の水準から増えないことを願っています。その願いが通じたかどうかは、第三期運用報告書が公開された時に判明します。(ずっと願い続けることになりますね。)

それから今日はにわとりの日です。

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