先進国株式

【不思議】SBI先進国株式はどうして信託報酬を引き下げたのでしょうか

2020年1月19日

もう2年も前のことになりますが、EXE-iつみたて先進国株式が税抜き信託報酬0.1095%で設定するという、衝撃的な発表がありました。2017年12月のことです。これに対抗して異次元の値下げに踏み切ったのがスリム先進国株式でした。次はスリム先進国株式の税抜き信託報酬引き下げ履歴です。当時多くの人を驚かせ、喜ばせた対抗値下げを赤字にしています。

 

スリム先進国株式の税抜き信託報酬引き下げ履歴一覧表

この対抗値下げをする前は、今では信じられませんが、スリム先進国株式は(MSCIコクサイをベンチマークにしているにしては)不人気でした。

信託報酬引き下げへの受益者の反応

次はスリム先進国株式の設定来の総口数の推移です。赤の矢印の位置で折れ曲がっています。そこで、税抜き信託報酬を0.1095%に引き下げると発表したのです。実際に引き下げられたのは発表の1ヶ月後ですが、受益者は発表後即座に反応を見せました。

スリム先進国株式の設定来の総口数の推移のグラフ

三菱UFJ国際投信は、SBIアセットマネジメントがEXE-iつみたて先進国株式を発表したわずか3日後に、この対抗値下げを発表して話題をかっさらいました。次はEXE-iつみたて先進国株式の設定後の様子です。

EXE-iつみたて先進国株式の設定後の総口数の推移グラフ

スリム先進国株式の総口数が急上昇したのに対し、EXE-iつみたて先進国株式はかろうじて右下にラインが見える程度です。結果的に、EXE-iつみたて先進国株式の超意欲的な信託報酬での登場は、スリム先進国株式が大成功するきっかけを生み出したものの、競争では完敗してしまいました。

SBI先進国株式は再度信託報酬引き下げに挑戦

その後、EXE-iつみたて先進国株式は商品名をSBI先進国株式に変えました。そして引き下げ幅は小規模でしたが、再度挑んできました。税抜き信託報酬を0.0965%に引き下げると発表したのです。当時、ニッセイ外国株式、スリム先進国株式、たわら先進国株式が税抜き信託報酬0.0999%で並んでいました。そこからわずか0.0034%ポイントの引き下げでしかないので、インパクトはありません。

それから8営業日でスリム先進国株式の対抗値下げが発表されました。予想通り、税抜き信託報酬をあわせてきました。SBI先進国株式は信託報酬とETFの経費率を合計したものを、実質的な信託報酬としています。スリム先進国株式はETFを買っていない、現物株運用です。それで以前から、税抜き信託報酬を同率にして対抗してきました。SBIバンガードS&P500に対抗したスリム米国株式(S&P500)もそうでした。

次は設定来の総口数の推移です。右端は2020年1月17日です。このスケールだと緑のSBI先進国株式は低迷したままにしか見えません。

スリム先進国株式とSBI先進国株式の設定来の総口数の推移グラフ

次はSBI先進国株式だけをプロットしたものです。信託報酬引き下げ発表後を黄色に塗っていますが、人気に変化があったようには見えません。

SBI先進国株式の設定来の総口数の推移グラフ

スリム先進国株式の純資産総額は803億円ありますが、SBI先進国株式は18.67億円しかありません。インデックスファンドは人気の高い商品がより多くの純資産総額を集める傾向が強いので、SBI先進国株式は今後も厳しいと思います。

スリム先進国株式の受益者還元型信託報酬

スリムシリーズは、純資産総額が500億円、1,000億円を超えると、超えた分について信託報酬が漸減される「受益者還元型信託報酬制度」を採用しています。その漸減率は、上記対抗値下げに伴い、0.005%ポイントから0.0033%ポイントに圧縮されました。

受益者還元型信託報酬制度の表

スリム先進国株式はまだ意味のある水準ですが、もう数字の遊びレベルになってしまった商品もあります。

スリム先進国株式の現在の信託報酬は、この制度により税抜0.0953%です。次はその漸減の様子を示したグラフで、現在は赤丸の位置です。

受益者還元型信託報酬のグラフ

信託報酬引き下げ競争は終わっていません

スリム先進国株式が信託報酬を引き下げた後、ニッセイ外国株式とたわら先進国株式は沈黙を守っていました。過去にもそういうことはあったので珍しいわけではありませんが、Fund of the Year 2019の授賞式にて、ニッセイ外国株式が信託報酬を税抜0.0930%に引き下げると発表したそうです。0.0035%ポイントの引き下げです。引き下げ幅が小さく、これまたインパクトはありませんが、信託報酬引き下げ競争はまだ終わっていないということです。

その程度の引き下げ幅なら、スリム先進国株式は対抗値下げするでしょう。たわら先進国株式はどうでしょうか。

Fund of the Year 2019での先進国株式御三家の順位はこうでした。

  • スリム先進国株式:3位
  • ニッセイ外国株式:4位
  • たわら先進国株式:11位

もし、SBI先進国株式が信託報酬を税抜0.0965%に引き下げていなかったら、御三家はまだ0.0999%で横並びだったかも知れません。少なくとも、競争に影響を与えたことは確かですね。

SBI先進国株式にとって良い選択だったのか

ある資産クラスに投資する、あるいは、同じ指数をベンチマークにするインデックスファンドで、すでに圧倒的な人気を獲得している商品がある場合、競争で結果を出すのは簡単ではありません。これまで、スリム先進国株式の信託報酬を引き下げさせただけで終わった商品は他にもありました。また、スリム先進国株式だって、キング・オブ・MSICコクサイであるニッセイ外国株式は遠い存在です。

次は御三家の設定来の総口数の推移です。

御三家の設定来の総口数の推移グラフ

赤のラインがニッセイ外国株式、緑のラインがスリム先進国株式、青のラインがたわら先進国株式です。ニッセイ外国株式は強いです。FOY2019の結果からもそう思います。

これら御三家とは全く無関係なポジションにいるSBI先進国株式が、信託報酬を引き下げたのは果たして良い選択だったのか、僕は疑問です。でも、少なくともスリム先進国株式の信託報酬引き下げに寄与したことは確かなので、それは大歓迎です。

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