米国株式

【訂正記事】SBI証券で買うVTIは楽天全米株式のコストを再認識させてくれます

2020年1月22日

仮想データの配当金の扱いに間違いがあったことが発覚したため、記事の内容を改めました。青のラインの形状、税引き後の評価額の差が間違っていました。大変申し訳ございません。楽天全米株式の運用コストが重いという結論は変わりません。なお、間違っていた過去の記事は恥ずかしいので非公開としました。

次の記事で月額予算5万円で、買付手数料無料化後のSBI証券でVTIを買うのと、楽天全米株式を買う場合を比較しました。

数学的に生成した仮想データによる比較ですが、僕はもう少し楽天全米株式が善戦すると思っていました。その記事で比較したのは、数学的に見ると次の「違い」です。

  • VTIの購入は楽天全米株式の購入に比べて為替手数料だけ不利です。が、1ドルあたり4銭なので、ここでのロスは投資金額に対して0.037%程度でしかありません。
  • VTIからもらえる配当金を、楽天全米株式は国内課税せずに全額再投資しますが、VTIは一株価格の倍数でしか再投資できず、端数は先送りされます。これにより、VTIは配当金の再投資効率が悪く、楽天全米株式は課税の繰り延べ効果が期待できるので、VTIは二重に不利です。なお、VTIの配当金の再投資に手数料はかかりません。
  • 楽天全米株式は、VTIの経費率を除いた運用コスト(信託報酬+隠れコスト)が0.20%あり、これが保有資産全体にかかります。

シミュレーションが教えてくれたのは、楽天全米株式は配当金の再投資における有利さを、運用コストの高さが帳消しにしているのではないか、ということでした。これについて再度確認したくなりました。

なお、現実世界での投資では、楽天全米株式は毎月必ず5万円が投資されるのに対し、VTIは一株価格の倍数でしか買えないため端数が生じ、それが翌月に繰り越されるという「機会損失」が起きますが、それが起きない状態(楽天全米株式はVTIの購入にかかった金額のみ購入)でのシミュレーションでした。

配当金への課税の繰り延べ効果

次の記事で、分配金の抑制による課税の繰り延べ効果を調べました。

次は気になったシミュレーションと同じ条件(期待リターン年率6%、米国課税後の配当金利率1.72%、比較期間10年)での、税引き後評価額の差です。

課税の繰り延べ効果のグラフ:期待リターン年率6%、米国課税後の配当金利率1.72%、比較期間10年

10年間で1.7%ポイント程度の差が生まれています。青のラインを見ると分かるように、複利効果で弓なり曲がった、10年で1.7%ポイントの差であり、比較期間が短いとほぼ効果がないとも言えます。

そりゃそうですよね。このシミュレーションで見ているのは、配当金にかかる国内課税を繰り延べした分が、キャピタルゲイン(年利6%)の恩恵を受けて増えた結果による効果なので、効果を実感するのには複利効果が作用するのを待つ必要があるわけです。

配当金の再投資効率

VTIを月額予算5万円で買うと、2017年11月からの25ヶ月では一株も再投資できませんでした。年4回ドルでもらえる配当金はそのまま口座に残っていますが、それは利を生みません。VTIの保有資産額が増えると、配当金をもらう都度、一株以上再投資できるようになりますが、平均して一株価格の半分の端数が再投資されずに先送りされます。

これに対し楽天全米株式は、シミュレーションでは100%、現実の楽天全米株式もほぼ100%、配当金を無駄なく再投資します。この再投資効率の差も作用しているはずですが、ではそれがどの程度なのかはそれに特化した方法で計測しないと分かりません。

比較期間5年間

次は僕の期待が外れたシミュレーション結果です。

比較期間5年間のシミュレーション結果のグラフ

青のラインは税引前評価額の差です。予想外だったのは、この比較期間でさえ、税引き後評価額はVTIの方が6,804円多いことです。

実際には、360万円を超える評価額のVTIを売却するには税込み0.495%(上限22ドル)と為替手数料がかかります。1,000ドル(10.9万円)程度売却するには(実際には一株の倍数でしか売却できません)売付け手数料が539円、為替手数料が40円で合計579円かかります。そのように小分けに売却すると手数料の合計は19,000円を超えるので、まだ楽天全米株式の方が有利だったと言えます。でもこの部分は売却方法で大きく変わるので、ご自分で考えて下さい。

運用コストを0.10%に削減

次は楽天全米株式の運用コストを0.10%に削減した結果です。右軸のスケールを変えています。

運用コストを0.10%に削減したシミュレーション結果のグラフ

税引き後評価額はVTIの方が102円多かったです。運用コストが0.20%だと6,804円でしたから、運用コストが重い負担になっていることが分かります。

運用コストを0.05%に削減

次は楽天全米株式の運用コストを0.05%に削減した結果です。

運用コストを0.05%に削減したシミュレーション結果のグラフ

税引き後評価額は楽天全米株式の方が3,343円多かったです。運用コストをここまで下げられれば、SBI証券で買うVTIに(この比較期間で)負けないということですが、そんな時代が来るとしても相当先でしょうね。

買付手数料無料化は凄かった

次は楽天全米株式の運用コスト0.20%で、買付手数料が無料化される前のSBI証券の場合です。

買付手数料が無料化される前のSBI証券の場合のシミュレーション結果のグラフ

税引き後評価額は楽天全米株式の方が10,255円多かったです。これが、買付手数料無料化後だとVTIの方が6,804円多くなります。月額予算が5万円だと買付手数料は税込み0.495%で重いです。これが無料化された効果は凄かったわけです。

結論:楽天全米株式の運用コストは重い

VTIの買付手数料税込み0.495%がどれだけ重かったかが良く分かりました。それが無料化されると今度は、楽天全米株式の運用コストが重く感じるようになってしまいました。

最近投資信託の購入時手数料の無料化とかいう、時代遅れの話が出ていましたが、直近の流れを汲んで、超ローコスト投信もさらなる低コスト化が進んで欲しいものです。それはETFの買付手数料無料化のようには行かないでしょうが、競争がより促進されることを期待しています。

ETFを販売している証券会社も、投資信託を運用している運用会社も、競争に負けたところが淘汰される時代が近いのは、間違いない気がします。

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