米国株式

【重要】スリム米国株式とSBIバンガードS&P500の決定的な違い

2020年1月28日

Fund of the Year 2019の投票結果は、スリム米国株式(S&P500)が2位、SBIバンガードS&P500が10位でした。でもSBIバンガードS&P500は設定されてから4ヶ月なのに、純資産総額が136億円もあり、短期間に高い人気を獲得しています。

投信ブロガーの中にも、SBIバンガードS&P500を推す人がいますが、スリム米国株式(S&P500)とSBIバンガードS&P500には決定的な違いがあります。

  • スリム米国株式は現物株運用です。
  • SBIバンガードS&P500はVOOを買うだけです。

そんな分かりきったことをいまさら言うなよ、と思われるかも知れません。でもこの違いを無視してリターン比較していませんか?

いつものように、反論歓迎です。

スリム米国株式のベンチマーク

スリム米国株式のベンチマークはS&P500種指数です。スリム米国株式と同じマザーファンドを利用するETFである「MAXIS米国株式(S&P500)上場投信」の指数データをダウンロードできます。

MAXIS米国株式(S&P500)上場投信

指数は3種類あります。トータルリターン、ネットトータルリターン、無印です。無印は配当金を再投資していないので無視します。トータルリターンは配当金に課税しないで再投資したもの、ネットトータルリターンは課税後の配当金を再投資したもののはずです。

ところが、トータルリターンとネットトータルリターンの差は米国課税の10%よりずっと大きいです。

次は2019年年初から年末までの、S&P500種指数のトータルリターンとネットトータルリターンの差です。

S&P500種指数のトータルリターンとネットトータルリターンの差のグラフ

配当金が年率2%とすると、米国での10%課税で生まれる差は年率0.2%ポイントほどのはずです。いや、この指数はドルベースだけど、ネットトータルリターンは米国課税と国内課税が考慮されているのだとすると、妥当なところかも知れません。

スリム米国株式とベンチマークのリターン比較

次はあえてスリム米国株式の設定日から2019年末までの(2020年分はドル円換算データがないので比較できないのです)、ネットトータルリターンとの比較です。

スリム米国株式とベンチマークのリターン比較グラフ

青のラインはリターン差で、ネットトータルリターンースリム米国株式です。

次は先輩であるiFree S&P500との、同じ期間の比較です。

iFree S&P500とベンチマークのリターン比較グラフ

これらの結果は、スリム米国株式とiFree S&P500にほとんどリターン差がなかったことが分かっていることもあり、納得できます。

VOOトータルリターンとベンチマークのリターン比較

次は同じ期間の、VOOトータルリターンと、S&P500種指数のネットトータルリターンとの比較です。グラフのスケールは同じです。

VOOトータルリターンとベンチマークのリターン比較グラフ

VOOトータルリターンは為替手数料ゼロ、買付手数料ゼロ、配当金は10%課税のみで端株数対応で無駄なく再投資という、現実にはありえない理論値です。ですから、スリム米国株式などよりリターンが高くなるため、青のラインの角度が大きくなります。

青のラインが細かく変動しているのが分かると思います。これは、状況証拠的に、VOOの取引価格の変動によるものです。VOOを買うだけのSBIバンガードS&P500は、ベンチマークへの追従はVOOに任せています。楽天全米株式とVTIの関係と同じです。

SBIバンガードS&P500とVOOトータルリターンの比較

次はSBIバンガードS&P500の運用が安定した2019年10月16日以降における、VOOトータルリターンとの比較です。グラフのスケールを変更しています。

SBIバンガードS&P500とVOOトータルリターンの比較グラフ

青のラインはSBIバンガードS&P500ーVOOトータルリターンです。青のラインがきれいであることに着目してください。そして、その傾きは、SBIバンガードS&P500固有の運営コスト(運用報告書に表れないものも含みます)の大きさを示しています。

この青のラインの傾きには、たとえば、配当金などで得た現金を全額すぐに再投資しないことで生じる「機会損失」が含まれます。

SBIバンガードS&P500とベンチマークの比較

次は同じ期間における、SBIバンガードS&P500とS&P500種指数のネットトータルリターンの比較です。

SBIバンガードS&P500とベンチマークの比較グラフ

青のラインはベンチマークーSBIバンガードS&P500です。まずラインの細かい変動に気付くと思います。ベンチマークとVOOの取引価格に差ができるので、しょうがないです。でも僕はこのことを責めたり批判したりしません。それは、楽天全米株式や楽天全世界株式についてもそうでした。ETFを買うだけのインデックスファンドの役割、存在価値は別のところにあるからです。

青のラインはほぼフラット、12月下旬に上昇(リターンが劣化)しています。

次は同じ期間における、スリム米国株式とS&P500種指数のネットトータルリターンの比較です。グラフのスケールは同じです。

スリム米国株式とS&P500種指数のネットトータルリターンの比較グラフ

スリム米国株式とSBIバンガードS&P500のリターン比較をする際、そもそも運用形態が異なるものを比較していることに留意すべきです。この決定的な違いを無視してはいけません。

それでも最後は基準価額で判断

スリム米国株式もSBIバンガードS&P500も、運用形態は異なるものの、どちらもS&P500種指数に手軽に投資できるインデックスファンドです。そして、僕はVOOの取引価格とベンチマークとの差を気にする必要はないという考えです。気にすべきはSBIアセットマネジメントの運用です。三菱UFJ国際投信による現物株運用も気にすべきです。

最後はごまかしの効かない基準価額データで比較するのが良いです。全ての要素が反映されますから。これほど公平な比較方法はありません。

それから今日はにわとりの日です。

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