全世界株式

三井住友DC全海外株は高コストなのでおすすめしません

2020年1月30日

全世界株式への投資より、日本を除いた先進国株式+新興国株式への投資を志向する人もいます。いや、かつては「全世界株式」と言うと日本を含まないのが標準で、日本を含む全世界株式に時価総額比で手軽に投資できるようになったのはここ数年のことです。

全世界株式から日本を除いたもので、信託報酬の安いものをあげると次の3商品になります。

  • スリム全世界株式(除く日本)
  • 野村つみたて外国株投信
  • 三井住友DC全海外株

総口数の推移を見ると、最近、三井住友DC全海外株が売れていることが分かりますが、この商品は高コストなのでおすすめしません。可能なら、スリム全世界株式(除く日本)か野村つみたて外国株投信を選択した方がいいです。

三井住友DC全海外株の隠れコスト

三井住友DC全海外株は2011年4月に設定されましたが、第7期から第8期で隠れコストが大幅に上昇してしまいました。

直近の第8期運用報告書とひとつ前の第7期運用報告書の隠れコストを比較した表

売買委託手数料と保管費用が増えています。そうなった理由は、資産の12%程度を占める新興国株式マザーファンドにあります。

以前は100%先物運用でしたが、それを2017年12月1日から2018年11月30日の間に、先物比率を53.8%に下げています。先物比率を下げて現物株運用に近づけるのは、一般的には良いことなのですが、残念ながら保管費用と売買委託手数料がべらぼうに高くなってしまいました。

三井住友DC全海外株はこの問題のマザーファンドを買っており、当然その資産比率に応じた負担を求められます。

トータルコスト比較

次は3商品の現在の信託報酬と、運用報告書にある隠れコストから計算したトータルコスト一覧です。

3商品の現在の信託報酬と、運用報告書にある隠れコストから計算したトータルコスト一覧表

スリム全世界株式(除く日本)は(他の商品への)対抗値下げを繰り返したため、異様に安くなってしまいました。運用報告書にある数値を真に受けてはいけませんが、計算上のトータルコストも最安です。

そして、三井住友DC全海外株のトータルコストは明らかに高いです。でも、現実の世界では、ごまかしの効かない基準価額データで比較すべきです。

スリム全世界株式(除く日本)と三井住友DC全海外株のリターン比較

これら3商品のベンチマークはMSCI ACWI(除く日本)です。ベンチマークへの追従性、運用コストをひっくるめた、運用結果の全てが基準価額データに反映されます。

次はスリム全世界株式(除く日本)の設定日直後を避けた、2018年4月2日から2020年1月24日のリターン比較です。

スリム全世界株式(除く日本)と三井住友DC全海外株のリターン比較グラフ

青のラインはリターン差で、スリム全世界株式(除く日本)ー三井住友DC全海外株です。ほぼプラス圏にありますし、2019年以降は右肩上がりで推移しています。この傾向が続く保証はありませんが、1年ちょっとで0.5%ポイント近い差が生まれています。これは運用報告書から計算されるトータルコスト差より大きいです。

野村つみたて外国株投信と三井住友DC全海外株のリターン比較

野村つみたて外国株投信と比較します。比較期間は同じです。

野村つみたて外国株投信と三井住友DC全海外株のリターン比較グラフ

スリム全世界株式(除く日本)の比較と同じ傾向です。

スリム全世界株式(除く日本)と野村つみたて外国株投信のリターン比較

次はスリム全世界株式(除く日本)と野村つみたて外国株投信の比較です。グラフのスケールは同じです。

スリム全世界株式(除く日本)と野村つみたて外国株投信のリターン比較グラフ

青のラインがほぼフラットであること、暴れが少ないことが分かります。暴れが少ないのは、この2商品はどちらも現物株運用だからです。

売れ行き比較

三井住友DC全海外株は2011年に設定されました。その後数年間は全く売れていませんでしたが、2014年頃から売れ始めました。次は設定来の総口数の推移です。

設定来の総口数の推移グラフ

赤のラインが三井住友DC全海外株、緑のラインが野村つみたて外国株投信、青のラインがスリム全世界株式(除く日本)です。

次は2015年5月からの推移です。

2015年5月からの総口数の推移グラフ

三井住友DC全海外株は高コストであるにも関わらず、2019年に増加ペースが上がっています。

この総口数の推移のグラフには落とし穴があります。三井住友DC全海外株は設定されたのが古いので、基準価額が他と違います。純資産総額で見ると、三井住友DC全海外株の圧勝です。

設定来の純資産総額の推移グラフ

三井住友DC全海外株の純資産総額は、スリム全世界株式(除く日本)の1.8倍程度もあります。

次は2019年年初からの、総口数の推移です。左端の総口数をゼロにしています。

2019年年初からの、総口数の推移グラフ

緑のラインの野村つみたて外国株投信はつみたて投資しかできないので階段状です。赤のラインの三井住友DC全海外株は、DC専用商品ではなく、普通に購入できますが、階段状です。もしかすると企業型確定拠出年金での採用が増えたのかも知れません。

コスト的に考えて、スリム全世界株式(除く日本)か野村つみたて外国株投信が選択できるなら、そうした方が良いです。でもその選択肢がなく、日本を除く全世界株式に投資するには三井住友DC全海外株が最良の選択肢だという場合は、三井住友DC全海外株の新興国株式の問題など気にしないで投資することです。

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