新興国株式

【残念】三井住友DC新興国株式は信託報酬を下げても高コストでおすすめできません

2020年2月22日

三井住友DC新興国株式は2011年4月に設定された、MSCIエマージング・マーケット・インデックスをベンチマークにしているインデックスファンドです。この商品は、インデックスファンドは信託報酬だけでなく、運用形態や隠れコストにも注意を払うべきであるということを教えてくれる、貴重な存在です。ベンチマークが同じ商品はたくさんありますが、皆同じではないのです。

三井住友DC新興国株式は先物比率が高く、ベンチマークへの追従性に問題があります。また、隠れコストが高いので全くおすすめできません。

信託報酬引き下げ

三井住友DC新興国株式は2019年2月26日に税抜き信託報酬を0.56%から0.34%に引き下げました。(プレスリリースはこちらです。)たわら新興国株式と同率になりましたが、スリム新興国株式とニッセイ新興国株式は0.189%と、もっと安いです。

それでも信託報酬の引き下げは特に既存の受益者にとって歓迎されます。が、三井住友DC新興国株式の場合、話はそれほど単純ではありませんでした。

トータルコストの変化

次は三井住友DC新興国株式の、過去3期分の運用報告書から計算したトータルコストです。

三井住友DC新興国株式の、過去3期分の運用報告書から計算したトータルコスト一覧表

第8期で隠れコストが跳ね上がりました。赤字部分です。第9期は信託報酬が下がり、隠れコストもいくらか減りましたがまだ高水準で、トータルコストは高いです。信託報酬だけを見ていたのではダメだという良い実例です。

次は隠れコストの明細です。特に高い項目を赤字にしています。

三井住友DC新興国株式の、過去3期分の運用報告書から計算した隠れコストの明細一覧表

第8期に隠れコストが跳ね上がった最大の要因は保管費用です。第9期では少し減りましたが、それでもまだ高いです。

三井住友DC新興国株式は先物比率が高い

次は三井住友DC新興国株式の、過去3期分の組入比率一覧です。

三井住友DC新興国株式の、過去3期分の組入比率一覧表

第7期までは100%先物運用でした。先物比率が高いとベンチマークに忠実な運用が難しくなりますが、100%先物運用のインデックスファンドは、はっきり言って受益者ナメてます。第8期から先物比率を減らし、現物株比率を増やしましたが、これが保管費用を高くした要因です。

次はスリム新興国株式の組入比率一覧です。

スリム新興国株式の組入比率一覧表

ほぼ現物株運用です。これが好ましい姿です。

なお、あるファンドマネージャーの方に伺った話だと、ベンチマークの指示通りに売買を執行するためには、先物の利用は避けられないそうです。

トータルコスト比較

次はスリム新興国株式、たわら新興国株式、三井住友DC新興国株式のトータルコスト比較です。

スリム新興国株式、たわら新興国株式、三井住友DC新興国株式のトータルコスト比較表

スリム新興国株式の安さが目立ちます。信託報酬も隠れコストも安いです。

スリム新興国株式とたわら新興国株式のリターン比較

次はスリム新興国株式の設定直後を避けた、2017年8月15日から2020年2月14日までの、たわら新興国株式とのリターン比較です。

スリム新興国株式とたわら新興国株式のリターン比較グラフ

青のラインはリターン差で、スリム新興国株式ーたわら新興国株式です。

スリム新興国株式が税抜き信託報酬を0.339%から0.190%に引き下げた、2017年12月13日から、青のラインは明らかに角度が変わっています。この青のラインの傾きがトータルコスト差を示しています。

また、青のラインは暴れが少ないことに着目して下さい。

スリム新興国株式と三井住友DC新興国株式のリターン比較

次は同じ期間における、スリム新興国株式と三井住友DC新興国株式のリターン比較です。

スリム新興国株式と三井住友DC新興国株式のリターン比較グラフ

青のラインはスリム新興国株式ー三井住友DC新興国株式です。ラインの暴れがとんでもないですが、これは三井住友DC新興国株式の先物比率が高いからです。この特性を知らずに、ある日とある日の基準価額をつまんでリターンを計算し、三井住友DC新興国株式のリターンが高いとする人がいますが、無視しましょう。

たわら新興国株式と三井住友DC新興国株式のリターン比較

次は同じ期間における、たわら新興国株式と三井住友DC新興国株式のリターン比較です。

たわら新興国株式と三井住友DC新興国株式のリターン比較グラフ

基準価額はごまかせません。

三井住友DC新興国株式は売れていません

次は三井住友DC新興国株式、たわら新興国株式、スリム新興国株式の設定来の総口数の推移です。

三井住友DC新興国株式、たわら新興国株式、スリム新興国株式の設定来の総口数の推移グラフ

赤のラインの三井住友DC新興国株式は売れていません。青のラインのスリム新興国株式の圧勝です。純資産総額は259億円です。

三井住友DC新興国株式、たわら新興国株式だけをプロットしました。

三井住友DC新興国株式、たわら新興国株式の設定来の総口数の推移グラフ

三井住友DC新興国株式はまったく売れない時期を乗り越えて、ある時から売れ始めますが、そのペースは人気の資産クラスにしては低いです。純資産総額は23.77億円しかありません。

たわら新興国株式は設定直後から人気を獲得しますが、スリム新興国株式の敵ではありませんでした。純資産総額は68.9億円です。また、頭打ちの傾向が見られます。

まとめ:三井住友DC新興国株式は先物比率が高く、高コストでおすすめできません

三井住友DC新興国株式のひどさは、リターン比較結果を見れば明らかです。僕は売れていないのを見て安心してしまいます。

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