先進国株式

【朗報】スリム先進国株式はニッセイ外国株式に対抗値下げします:悲報もあり

2020年2月26日

ニッセイアセットマネジメントは1月20日に、ニッセイ外国株式の税抜き信託報酬を0.0999%から0.0930%に、2月21日より引き下げると発表しました。それから24営業日経過した2月25日に、三菱UFJ国際投信はスリム先進国株式の対抗値下げを発表しました。もちろん同率への引き下げです。この、自らは決して安くしない姿勢に賛同できないなら、買わないことで意思表示すれば良いでしょう。

信託報酬の安さと純資産総額の多さで判断すると、MSCIコクサイに連動する先進国株式インデックスファンドの御三家は、ニッセイ外国株式、たわら先進国株式、スリム先進国株式でしょう。が、たわら先進国株式はまた信託報酬引き下げ競争から距離をおきつつあるようです。

御三家の信託報酬引き下げ履歴

次はニッセイ外国株式、たわら先進国株式、スリム先進国株式の信託報酬引き下げ履歴です。設定時を太字にしています。

御三家の信託報酬引き下げ履歴一覧表

2019年10月1日に0.0999%で並んだのも束の間、SBI先進国株式が再度信託報酬引き下げに挑んで来たのです。

SBI先進国株式のベンチマークはMSCIコクサイではないのですが、スリムシリーズの流儀により対抗値下げされ、0.0965%になりました。そこへ、ニッセイ外国株式は人気の陰りを心配したのか、信託報酬を0.0930%に引き下げたのです。(その程度の引き下げで人気が回復するなら安いものだと思います。)

24営業日かかりましたが、ようやくスリム先進国株式は対抗値下げを発表したわけです。僕はその程度の引き下げ幅なら数日後には発表すると思っていたので、ものすごく意外でした。どうしてそう思うかですって?引き下げ幅が微少だからです。

0.0965%を0.0930%に引き下げたので、引き下げ幅はたったの0.0035%ポイントです。引き下げ率は3.6%です。対抗値下げしない場合に、人気が下がることで生じる損失を考えれば、対抗値下げしない選択肢はないでしょう。現在の人気を維持して、順調に純資産総額を増やした方が得策です。

3月17日からは、ニッセイ外国株式とスリム先進国株式が0.0930%で並び、たわら先進国株式は0.0999%のままとなります。その差はわずか0.0069%ポイント、税込みでも0.00759%ポイントでしかありません。これを、保有資産1,000万円あたり年間795円の差と表現する人がいますが、それは見方が短期的です。

信託報酬差は複利効果の恩恵を受けます

次はスリムシリーズの案内ページにある、極端な例を示した図です。でもウソではありません。

信託報酬がパフォーマンスに与える影響の説明図

引用:三菱UFJ国際投信

わずかな信託報酬差であっても、そのインデックスファンドの期待リターンが高ければ高いほど、長期保有による時間が生み出す複利効果は大きくなります。それは税込み信託報酬差が0.00759%ポイントであっても同じです。単純な算数です。

税込み信託報酬差0.00759%ポイントが生み出すリターン差

話題にしているのはMSCIコクサイ連動商品なので、期待リターンを4~5%とするのは無茶でないと思います。ここでは3、4、5%でシミュレーションします。投資期間はつみたてNISAの非課税期間と同じ20年としました。

グラフの青のラインはリターン差です。

期待リターン3%の場合

期待リターン3%の場合のシミュレーション結果のグラフ

期待リターンが3%しかなくても、青のラインは複利効果で弓なりに曲がります。税込み信託報酬差が0.00759%ポイントは20倍しても0.15%ポイント程度にしかなりませんが、複利効果により20年で0.25%程度のリターン差になりました。

期待リターン4%の場合

期待リターン4%の場合のシミュレーション結果のグラフ

リターン差が0.3%ポイント程度に広がりました。

期待リターン5%の場合

期待リターン5%の場合のシミュレーション結果のグラフ

リターン差が0.4%ポイント程度に広がりました。

つみたてNISAの場合

次は、2021年に毎月初33,333円を投資し、その後19年間ホールドした、一般的なつみたてNISAの場合のシミュレーションです。期待リターン年率5%です。

2021年に毎月初33,333円を投資し、その後19年間ホールドした、一般的なつみたてNISAの場合のシミュレーション結果のグラフ

灰色のラインは元本です。赤のラインがニッセイ外国株式、緑のラインがたわら先進国株式ですが、差が小さいので重なってしまっています。

元本は399,996円、20年後に2.68倍に増えて、ニッセイ外国株式とたわら先進国株式の評価額の差は1,583円でした。気になる額ではありませんね。20年間の投資結果ですからね。

隠れコストの方が重要ですが

ここまで引っ張っておいて申し訳なく思いますが、税込み信託報酬差0.00759%ポイントは、隠れコストのちょっとした差で消えてしまうほど小さいです。御三家の隠れコストは一桁大きいです。

ところが、大多数の受益者は隠れコストの存在など知らず、信託報酬しか見ません。よって、その大多数の人にとっては、税込み信託報酬(次の数字)が全てなのです。

  • ニッセイ外国株式:0.1023%
  • たわら先進国株式:0.10989%
  • スリム先進国株式:0.1023%

信託報酬差はごく僅かで、隠れコストのちょっとした差で消えてしまうものなのに、一般人が商品選択する時にはこの数字がモノを言うはずです。それが人気、純資産総額に反映され、運用会社の売上に影響します。そしてさらなる信託報酬引き下げの原資になるのです。

悲報:さらに圧縮された漸減率

スリムシリーズは純資産総額が500億円、1,000億円を超えると信託報酬が漸減される「受益者還元型信託報酬制度」を採用しています。次はスリム先進国株式が、税抜き信託報酬を0.0999%から0.0965%に引き下げた時の、漸減率の変化です。漸減率は0.005%ポイントから0.0033%ポイントに圧縮されました。

受益者還元型信託報酬表、前回のもの

次は税抜き信託報酬を0.0965%から0.0930%に引き下げる今回の、漸減率の変化です。漸減率は0.0033%ポイントから0.0015%ポイント程度に、さらに圧縮されました。

1,000億円以上の部分は前回からですが、0.0899%固定です。現状ではそれより下げたくない、ということですね。次にスリム先進国株式に信託報酬引き下げを挑む商品は、税抜き0.0899%未満でお願いします。

グラフで見る漸減の様子

次は現在のスリム先進国株式の、信託報酬が漸減される様子です。赤丸が今の純資産総額840億円の位置です。

現在のスリム先進国株式の、信託報酬が漸減される様子のグラフ

計算上、現在の税抜き信託報酬は0.0952%です。

次は信託報酬引き下げ後様子です。グラフのスケールは同じです。びっくりしませんか。

信託報酬引き下げ後のスリム先進国株式の、信託報酬が漸減される様子のグラフ

最終ゴールは同じ水準の0.0899%、そこへ向かうスタート水準、途中の水準が下がっただけなのですが、表とグラフでは受ける印象がずいぶん違いますね。

生き残りを賭けた熾烈な競争

御三家の運用会社は大変だと思います。各社それぞれ事情があり、戦略も異なるとは思いますが、生き残ったものだけが、MSCIコクサイ連動先進国株式の大きな市場を手にできます。まだ御三家全部で数千億円規模でしかありませんが、運用会社が見ている未来の単位は兆円のはずです。

その未来では、1位が6割、2位が3割を占め、3位以下が残りの1割を奪い合う構図かも知れません。あと20年後にはそうなっているでしょうか。他の業界なら20年後の未来なんて、と笑われますが、投資信託の世界ではたったの20年です。その時が来るのを楽しみしておきます。

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