インデックス投資

含み損が気にならないなら株式100%インデックスファンドの方がたいてい儲かります

2020年3月12日

株価は毎日変動します。多くの場合、10%上昇するのに月単位の日数を要しますが、10%下落するのは3週間もあれば十分です。先日はわずか数日しかかかりませんでした。インデックス投資家は、まずこの理不尽な特性に慣れる必要があります。

また、人は同じ割合であっても、含み益よりも含み損に過敏に反応すると言われており、インデックス投資家にとって株価の下落に慣れるのが最初の壁だと思われます。

どんなに良質なインデックスファンドを選択したとしても、買い持ちできなければ、積立投資を継続できなければ大きな利益を得ることはできません。そのことは理解しているつもりでも、実際に自分が投資しているインデックスファンドの含み損が大きくなった時に狼狽売りしたり(最低)、積立設定を解除したり(残念)しないでいられるかは、その時になってみないと分からないものです。

2020年2月21日に始まった株価急落は、その下落速度がとても大きかったです。それは現在進行形で、どこまで下がるかは誰にも分かりません。ちょうど今、株価急落前とは違った気持ちになり、不安を感じている人も少なくないと思われます。

そういう事情もあり、インデックス投資の初心者には株式100%インデックスファンドではなくて、債券を組み入れたバランスファンドが推奨されることがあります。債券を組み入れることで変動率が小さくなるため、狼狽売りのリスクが相対的に小さくなる効果が期待できるからですが、代わりに期待リターンは大きく下がります。高いリターンが得られるのは、高いリスクを負ったからであり、リスクを下げればリターンも下がります。

僕もかつてバランスファンドを嗜好していた時期がありましたが、その期待リターンの低さに嫌気が差して、株式100%インデックスファンドに投資する「債券不要論者」に宗旨変えした経緯があります。株価が大幅に下落して含み損が大きくなっても平気でいられるなら、債券を含むバランスファンドに投資するのは時間と資金の無駄だと言うのが僕の結論です。違う考えを持っている人もいるでしょうから、株式100%が良いのか、債券も含めた方がいいのかは自分自身で勉強して判断して下さい。

株式100%インデックスファンドの代表例

株式100%インデックスファンドの代表例として、MSCIコクサイをベンチマークにしている日興インデックスファンド海外株式を取り上げます。2001年10月に設定された運用歴の長い商品です。

バランスファンドの代表例

債券を含むバランスファンドの代表例として、キング・オブ・バランスファンドであるセゾングローバルバランスを取り上げます。2007年3月に設定された息の長い商品で、明らかに高コストになった現在でも総口数を増やし続けています。

セゾングローバルバランスは株式と債券の比率が50:50です。そのパフォーマンスはバランスファンドとしては優秀です。

日興インデックスファンド海外株式とセゾングローバルバランスのリターン比較

次はセゾングローバルバランスの設定日直後を避けた、2007年4月2日からの、日興インデックスファンド海外株式とのリターン比較です。

日興インデックスファンド海外株式とセゾングローバルバランスファンドのリターン比較グラフ

赤のラインが日興インデックスファンド海外株式、緑のラインがセゾングローバルバランスです。青の丸で囲ったところがリーマンショックによる暴落と低迷期です。黄色の丸で囲ったところはチャイナ・ショックです。緑の丸で囲ったところは2018年10月からの世界同時株安です。

赤のラインは変動率が高く、緑のラインはそれよりはおとなしい動きです。この比較期間だと、リーマンショック時に日興インデックスファンド海外株式が大きく下落しますが、その後急速に盛り返し、チャイナ・ショック時は下落しても互角、世界同時株安時はセゾングローバルバランスに負けず、でした。

でもこれは比較開始日をいつにするかで大きく変わります。次は2019年年初からの比較です。

2019年年初からの比較グラフ

青の丸で囲ったところが、現在進行中の株価急落です。日興インデックスファンド海外株式株式の下落率は半端ないですが、大きく下落してもセゾングローバルバランスより高い水準です。

比較開始日を2019年6月にすると印象が変わります。

2019年6月からの比較グラフ

日興インデックスファンド海外株式が十分上昇する前に下落するので、下落時はセゾングローバルバランスといい勝負になりました。

日興インデックスファンド海外株式とセゾングローバルバランスの下落率

次は最高値からの下落率をプロットしたものです。

日興インデックスファンド海外株式とセゾングローバルバランスファンドの下落率グラフ

サブプライムショック+リーマンショック時に日興インデックスファンド海外株式は(最高値からは)65%も暴落しました。セゾングローバルバランスは40%暴落しました。どちらも下げ率は強烈なので、株式100%インデックスファンドなら狼狽売りするけどバランスファンドなら狼狽売りしないとは言い切れない水準です。つまり、暴落時にはバランスファンドだって大きく下落するということです。

チャイナ・ショック時の下落率は大差ないです。世界同時株安の下落率は倍ほど違いますね。

現在進行中の株価急落を見るために2020年2月以降をプロットしました。

2020年2月以降をプロットしたグラフ

セゾングローバルバランスの下落率は、日興インデックスファンド海外株式の半分程度です。

積立投資シミュレーション

次は2007年4月から毎月初に5万円を積立投資したシミュレーションです。

2007年4月から毎月初に5万円を積立投資したシミュレーション結果のグラフ

赤のラインが日興インデックスファンド海外株式、緑のラインがセゾングローバルバランスファンドです。灰色のラインh元本です。

リーマンショックの暴落とその後の低迷期を乗り切れれば、赤のラインはチャイナ・ショック時も世界同時株安時も緑のラインより下に行くことはありませんでした。つまり、日興インデックスファンド海外株式の下落率が大きくても、セゾングローバルバランスより含み益が大きい状態が維持されたのです。

途中でガチホしても

次は2015年からは積立設定を解除してガチホした場合です。

2015年からは積立設定を解除してガチホした場合の積立シミュレーション結果のグラフ

リーマンショック後の低迷から抜け出した後の、赤のラインと緑のラインの関係は変わりません。

まとめ:含み損が気にならないなら株式100%インデックスファンドの方がたいてい儲かります

株式100%のインデックスファンドと、債券を含むバランスファンドでは投資対象が異なるため期待リターンも負うリスクも同じではありません。また、未来には過去とは違った世界が待っているかも知れませんから、株式100%インデックスファンドを選択した人にはより忍耐が求められることになるかも知れません。

現在ちょうど、その忍耐力が試される時です。でもまだ暴落の入り口にいる程度でしかありません。最高値から20%程度下落したぐらいでビビるようでは、株式100%インデックスファンドは買い持ちが厳しくなります。それなら下落率が相対的に低い、バランスファンドの方がいいかも知れません。

でも、株価下落による含み損が気にならないなら、それに耐えて買い持ちできるなら、株式100%インデックスファンドの方が、長く保有することで、儲かる可能性が高くなります。

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