バランスファンド

ブラックロックつみたてグローバルバランスの運用コストと評価

バランスファンドはマザーファンドさえあれば容易に組成できます。マザーファンドがなくても、適格機関投資家専用ファンドまたはETFを売買するファミリーファンド方式なら、容易に組成できます。が、後者の場合、高コストになりがちです。

ブラックロックつみたてグローバルバランスは投資する6資産のうち半分がマザーファンドを、半分がETFを売買します。そして残念ながら、高コストです。

ブラックロックつみたてグローバルバランス

2018年1月10日に税抜き信託報酬0.3643%で設定されました。でも投資対象の3本のETFの経費率を含めた税抜き信託報酬は0.60%です。2018年に設定されたバランスファンドとは思えない高さです。以降、信託報酬は引き下げられていません。

またノーロードではなく、金融機関を選ばないと税抜き3%を上限にした購入時手数料を請求されます。

ブラックロックつみたてグローバルバランスはつみたてNISA適格です。また、iDeCoナビによると、三井住友銀行(標準コース)で扱われています。

組成内容

ブラックロックつみたてグローバルバランスは6資産バランスファンドです。投資対象と連動する指数は、スリムバランス(8資産均等型)から新興国債券と国内リートを除いたものと同じです。

次は株式、債券、リートの比率を示したものです。

ブラックロックつみたてグローバルバランスの株式、債券、リートの比率

いわゆる標準型より少し積極的な配分です。次は6資産への投資割合です。

6資産への投資割合のグラフ

国内株式比率が高いです。国内債券と先進国債券の比率は保守的です。どうしてこういう組成になったのかは、目論見書を読んでも分からないので、自分で納得できるかどうか判断するしかありません。

運用コスト

次は運用報告書から計算した運用コスト(トータルコスト)です。スリムバランス(8資産均等型)と比較しています。

運用報告書から計算したトータルコスト表

ブラックロックつみたてグローバルバランスはETFの経費率を含んだ信託報酬が高いですが、隠れコストも高いです。トータルコストはスリムバランス(8資産均等型)の3倍を超えます。

次は隠れコストの明細です。

隠れコストの明細表

監査費用(印刷費用を含みます)が高いです。この費用項目がこんなに高いファンドは珍しいです。

株式クラスはETF運用

投資対象の6資産のうち、株式クラスはETFを売買します。

株式クラスのETFの名称一覧表

ETF運用そのものは悪くありません。たとえば楽天全米株式はバンガード社のVTIを買うだけのインデックスファンドですが、税抜き信託報酬0.12%+VTIの経費率0.03%=0.15%と超ローコストです。SBIバンガードS&P500は同じくバンガード社のVOOを買うだけのインデックスファンドですが、税抜き信託報酬0.058%+VOOの経費率0.03%=0.088%と驚異的なローコストです。

ETF運用のメリットを活かすには、信託報酬を安く設定し、経費率の低いETFを選んで、低コストで売買する必要があります。ブラックロックつみたてグローバルバランスはこれができていません。信託報酬もETFの経費率も高く、その上隠れコストも高いという三重苦です。その結果、トータルコストは0.7%を超えます。代表的な6資産に投資するバランスファンドでです。存在価値はないですね。

リターン比較

もう興味を失っているだろうとは思いますが、せっかくですからリターン比較もしておきます。ブラックロックつみたてグローバルバランスの設定直後を避けた、2018年2月1日から2020年7月31日までです。

青のラインはリターン差で、比較対象ーブラックロックつみたてグローバルバランスです。グラフのスケールは同じです。

スリムバランス(8資産均等型)とのリターン比較

次はスリムバランス(8資産均等型)との比較です。

スリムバランス(8資産均等型)とのリターン比較グラフ

この比較期間だと、スリムバランス(8資産均等型)の方が有利に見えます。

セゾングローバルバランスとのリターン比較

次はセゾングローバルバランスとの比較です。高コストながら圧倒的な人気を誇ります。

セゾングローバルバランスとのリターン比較グラフ

セゾングローバルバランスの方がパフォーマンスが高いです。未来のことは分かりせんけどね。

つみたてバランスファンドとのリターン比較

次はりそなアセットマネジメントが運用している、つみたてバランスファンドとの比較です。

つみたてバランスファンドとのリターン比較グラフ

この比較期間だと、つみたてバランスファンドの方が有利に見えます。

厳しい売れ行き

次は設定来の資金流出入額の累計の推移です。純資産総額は71億円です。コストと設定日を考えると売れています。

設定来の資金流出入額の累計の推移グラフ

資金流入は安定しています。明らかな階段状ですね。次は過去1年間の営業日ごとの資金流出入額の推移です。

過去1年間の営業日ごとの資金流出入額の推移グラフ

 

特定の日にしか買われてません。これを見てiDeCoで買われているのかと思ったのですが、トゲの位置とiDeCoの約定日が一致しません。ブラックロックつみたてグローバルバランスはつみたて投資限定商品ではないですし、普通の証券会社で買っているならこうはならないはずです。ブラックロックつみたてグローバルバランスは次の金融機関で販売されています。

  • auカブコム証券
  • SBI証券
  • SMBC日興証券
  • マネックス証券
  • 楽天証券
  • 三井住友銀行
  • 松井証券

三井住友銀行で買おうとすると約定日が限定されるのかも知れないです。

71億円という金額は、決して少なくはないのですが、激戦区であるバランスファンドのジャンルで生き残るのは厳しいです。高コスト商品なので、コスト意識のある受益者はまず相手にしません。

次はスリムバランス(8資産均等型)とつみたて8資産均等バランスもプロットしたものです。

スリムバランス(8資産均等型)とつみたて8資産均等バランスもプロットしたグラフ

緑のラインがスリムバランス(8資産均等型)、青のラインがつみたて8資産均等バランスです。人気の差は明らかです。

評価:高コストなのでおすすめしません

ブラックロックつみたてグローバルバランスは運用コストが高く、組成内容から考えてそれだけのコストを負担する価値はありません。似たような組成、あるいは、自分が納得できる組成のバランスファンドで、もっとローコストな商品を探すのがいいです。

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