先進国株式

EXE-i 先進国株式の運用コストと評価

EXE-i 先進国株式はインデックスファンドでありながら、連動するベンチマークがありません。設定当初の参考指数はMSCIコクサイでしたが、1年9ヶ月後にはFTSEカイガイ・インデックスに変更されました。でも、実際の運用は参考指数すら尊重していないようです。

EXE-i 先進国株式

2013年5月13日に設定されました。税抜き信託報酬は0.34%(これには投資する3本のETFの経費率を含みます)でした。当時としては安かったです。ニッセイ外国株式が税抜き信託報酬0.39%で設定されたのは、それから7ヶ月後のことでした。

EXE-i 先進国株式には連動するベンチマークはありません。参考指数はFTSEカイガイ・インデックスですが、目論見書にはこうあります。

目論見書にある参考指数の説明

引用:目論見書

これは次のことを宣言しています。(参考指標を参考指数と読み替えています。)

  • 参考指数は連動するベンチマークではなく、参考指数から乖離することもあります。
  • 参考指数は変更されることがあります。

実際、EXE-i 先進国株式の参考指数と投資対象ETFは次のように変更されています。変化した項目を赤字にしてあります。

EXE-i 先進国株式の参考指数と投資対象ETFの変更履歴表

EXE-i 先進国株式には連動するベンチマークがないため、「指定インデックス投資信託」でのつみたてNISA適格申請は不可能です。「指定インデックス投資信託以外」での適格申請は可能だと思いますが、あえて申請していないのかも知れません。

国別投資割合の違い

EXE-i 先進国株式の参考指数はFTSEカイガイ・インデックスですが、実際に投資している3本のETFはその指数と直接の関係はありません。次は現在の投資比率で合成した、EXE-i 先進国株式の国別投資割合を、FTSEカイガイ・インデックスと比較した表です。差が目立つものを赤字にしてあります。

EXE-i 先進国株式の国別投資割合を、FTSEカイガイ・インデックスと比較した表

結構違いがあります。FTSEカイガイ・インデックスは参考指数だから細かい違いは気にしない、ということでしょうか。でも、ETFへの投資割合を次のように変えると、参考指数に近づけることができます。

ETFへの投資割合の変更案

次は変更後の国別投資割合比較です。

EXE-i 先進国株式の国別投資割合を変更して、FTSEカイガイ・インデックスと比較した表

カナダに投資していないことはどうにもなりませんが、国別投資割合の差は小さくなりました。

驚異的に安い隠れコスト

次は運用報告書から計算した運用コスト(トータルコスト)です。スリム先進国株式と比較しています。

運用報告書から計算したトータルコスト表

ETFだけを売買する(現物株運用でない)ファンドに見られる特徴ですが、隠れコストが驚異的に安いです。(運用報告書にある数値を信じるなら、ですが。)でも信託報酬+ETFの経費率が高いので、トータルコストは見劣りします。

次は隠れコストの明細です。

隠れコストの明細表

eMAXIS先進国株式とのリターン比較

FTSEカイガイ・インデックスに連動するETFがあれば、それとリターン比較するところですが、残念ながら該当するETFは存在しないようです。そこで、参考指数のことは忘れて、MSCIコクサイ連動商品とリターン比較します。次はEXE-i 先進国株式の設定直後を避けた2013年6月3日から、株価暴落開始直前の2020年2月20日までの、eMAXIS先進国株式との比較です。

2013年6月3日から、株価暴落開始直前の2020年2月20日までの、eMAXIS先進国株式との比較グラフ

青のラインはリターン差で、EXE-i 先進国株式ーeMAXIS先進国株式です。どちらのパフォーマンスが高いかは時期によることが分かります。

次はEXE-i 先進国株式の投資対象ETFが現在のものになって1ヶ月程度経過した、2016年4月からの比較です。

EXE-i 先進国株式の投資対象ETFが現在のものになって1ヶ月程度経過した、2016年4月からの比較グラフ

MSCIコクサイとの比較でこの様子なら、EXE-i 先進国株式に投資している人もそのパフォーマンスには十分満足しているのではないでしょうか。

投資比率は動的に変更すべきでは

次は2017年10月からの、MSCIコクサイの米国株式比率の推移です。64%から70%の間で変化しています。

2017年10月からの、MSCIコクサイの米国株式比率の推移グラフ

このように比率が変わるのは、投資割合が時価総額比で決まるからです。EXE-i 先進国株式は3本のETFの投資割合をほとんど変更していませんが、参考指数とは言えFTSEカイガイ・インデックスを挙げている以上、それに近づける努力をすべきではないでしょうか。

三重課税問題

米国外の資産に投資する米国籍ETFに日本から投資する場合、三重課税問題から逃れられません。

EXE-i 先進国株式は次の3本の米国籍ETFを買っています。

  • シュワブU.S.ブロードマーケットETF:SCHB
  • バンガード・FTSE・ヨーロッパETF:VGK
  • バンガード・FTSE・ディベロップド・アジア・パシフィック(除く日本)UCITS ETF:VDPX

SCHBの投資先は米国なので三重課税コストはありませんが、残り2本は米国外に投資するため三重課税コストが発生します。

VGKの年次レポートにある数値を、三重課税を説明する図にあてはめるとこうなります。

VGKの三重課税を説明する図

VGKの2019年の配当金は年利3.6%だったので、3.6×9.04%=0.325%がVGKの三重課税コストになります。VGKの投資割合は30%なので、0.0975%の負担です。

VDPXの三重課税を説明する図

VDPXの2019年の配当金は年利2.19%だったので、2.19×9.51%=0.208%がVDPXの三重課税コストになります。VDPXの投資割合は10%なので、0.0208%の負担です。

よって、VGKとVDPXの三重課税コストを合算した0.118%が、EXE-i 先進国株式の三重課税コストになります。

Fund of the Yearの順位

EXE-i 先進国株式は設定された年とその翌年は、Fund of the Yearに入賞しました。でも2015年度からはもっと良い選択肢が登場したため入賞できなくなりました。

EXE-i 先進国株式のFund of the Yearの順位表

EXE-i 先進国株式は信託報酬を引き下げなかったので、組成内容以前の問題で人気を落としたということでしょう。

まだ売れていますが

次はEXE-i 先進国株式の設定来の資金流出入額の累計の推移です。純資産総額は96億円です。

EXE-i 先進国株式の設定来の資金流出入額の累計の推移グラフ

増加ペースは低いものの、資金流入が続いています。ラインがのこぎり状になっていますね。次は直近1年間の毎営業日ごとの資金流入額の推移です。

直近1年間の毎営業日ごとの資金流入額の推移グラフ

 大きなトゲがある日は、iDeCoの約定日と一致しています。よって、現在買い付けのほとんどはiDeCoによるものと言えます。iDeCoナビによると、EXE-i 先進国株式を扱っているのはSBI証券のオリジナルプランのみです。EXE-i 先進国株式はSBIアセットマネジメントの運用なので、納得の選択ですね。

ニッセイ外国株式とスリム先進国株式をプロットすると、人気に絶望的な差があることが分かります。

EXE-i 先進国株式、ニッセイ外国株式、スリム先進国株式の設定来の資金流出入額の累計の推移グラフ

iDeCo口座で買っていました

僕は深く考えずにSBI証券にiDeCo口座を開設して、EXE-i 先進国株式を買っていました。その後、特定口座の使い勝手、楽天経済圏のメリットの多さ(楽天スーパーポイントで投信が買えるとか楽天銀行との連携が圧倒的に便利だとか)から、管理を楽天証券で統一したいと考えて、iDeCo口座を楽天証券に移管しました。楽天証券ではたわら先進国株式を選択しました。

現在は松井証券でスリム先進国株式を買っています。(楽天証券のiDeCo口座はスリム先進国株式を扱っていません。)

評価:他の選択肢の方がいいです

EXE-i 先進国株式は過去の商品です。ベンチマークがないし、参考指数への連動性も重要視していないようなので、積極的に選択する理由はないでしょう。

先進国株式に投資するなら、まずはMSCIコクサイ連動商品を検討するのがいいです。

現在SBI証券のオリジナルプランで買っている方へ

次の条件を満たしているでしょうか。

  • 先進国株式のベンチマークにこだわりはない。
  • 運用コストは地味に気になる。
  • 三重課税問題はない方がいい。

満たしているなら、オリジナルプランからセレクトプランへ無料で移行し、EXE-i 新興国株式からニッセイ外国株式またはスリム先進国株式にスイッチングするのがいいと思います。

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