新興国株式

EXE-i 新興国株式の運用コストと評価

EXE-i 新興国株式はインデックスファンドでありながら、連動するベンチマークがない異端児です。参考指数はありますが、実質それすら尊重しない運用となっています。

EXE-i 新興国株式の組成、運用の好き嫌いは別にして、連動するベンチマークが決まっていることの安心感を再認識させてくれる商品です。その安心感とは、ベンチマークに忠実な運用を目指す以上、びっくりするようなことは起きないだろうという、運用会社、商品への「信頼」と同意です。

EXE-i 新興国株式

2013年5月13日に設定されました。税抜き信託報酬は0.424%(これには投資する2本のETFの経費率を含みます)でした。当時としては安かったです。

EXE-i 新興国株式には連動するベンチマークはありません。参考指数はFTSEエマージング・インデックスですが、目論見書にはこうあります。

EXE-i 新興国株式の参考指数の扱い

引用:目論見書

これは次のことを宣言しています。(参考指標を参考指数と読み替えています。)

  • 参考指数は連動するベンチマークではなく、参考指数から乖離することもあります。
  • 参考指数は変更されることがあります。

これが実際何を言っているのか理解できない方も多いと思います。次はEXE-i 新興国株式が投資対象ETFとその投資割合を変更してきた履歴をまとめたものです。変化した項目を赤字にしてあります。

EXE-i 新興国株式が投資対象ETFとその投資割合を変更してきた履歴表

参考指数こそ変更していませんが、投資対象ETFとその割合は激しく変わっています。つまり、EXE-i 新興国株式は連動するベンチマークのない、ある2本のETFを組み合わせただけのインデックスファンドだということです。

また、つみたてNISA適格ではありません。連動するベンチマークがないので「指定インデックス投資信託」での適格申請は不可能です。「指定インデックス投資信託以外」での適格申請は可能だと思いますが、あえて申請していないのかも知れません。

驚異的に安い隠れコスト

次は運用報告書から計算したトータルコストです。VWO(バンガード社のETF)を買うだけの楽天新興国株式と比較しています。

運用報告書から計算したトータルコスト表

EXE-i 新興国株式は隠れコストが驚異的に安いです。新興国株式インデックスでこの水準なのは(本当なら)素晴らしすぎます。

パフォーマンスは互角

次はMSCIエマージング・マーケットに連動するしたインデックスを代表して、eMAXIS新興国株式とのリターン比較です。EXE-i 新興国株式の設定日直後を避けた2013年6月3日から、株価暴落開始直前の2020年2月20日までです。

EXE-i 新興国株式とeMAXIS新興国株式のリターン比較グラフ

青のラインはリターン差で、EXE-i 新興国株式ーeMAXIS新興国株式です。この比較期間だと、青のラインはプラス圏内にいることが多いので、EXE-i 新興国株式のパフォーマンスはMSCIエマージング・マーケット連動商品に負けていません。でもEXE-i 新興国株式は何度も投資対象ETFを変更してきたことを考えると、パフォーマンスに関する判断は難しいですね。

次はこちらで生成した仮想楽天新興国株式とのリターン比較です。グラフのスケールは同じです。

EXE-i 新興国株式と仮想楽天新興国株式のリターン比較グラフ

参考指数は楽天新興国株式のベンチマークに近い(同じではありません)ので、MSCIエマージング・マーケット連動商品との比較よりリターン差が小さいです。

三重課税問題

EXE-i 新興国株式は、米国外の資産に投資する米国籍ETFに投資するため、三重課税問題から逃れられません。楽天新興国株式の三重課税コストは0.25%程度ありますので、EXE-i 新興国株式も仕組み上、その程度の三重課税コストを負担していると思われます。

人気は頭打ち

次はEXE-i 新興国株式の設定来の資金流出入額の累計の推移です。純資産総額は90.91億円です。

EXE-i 新興国株式の設定来の資金流出入額の累計の推移グラフ

2019年から頭打ちになっています。そしてここ数年間はラインがギザギザになっています。次は直近1年間の、毎営業日の資金流出入額の推移です。

直近1年間の、毎営業日の資金流出入額の推移グラフ

 大きなトゲがある日は、iDeCoの約定日と一致しています。よって、現在買い付けのほとんどはiDeCoによるものと言えます。iDeCoナビによると、EXE-i 新興国株式を扱っているのはSBI証券のオリジナルプランのみです。EXE-i 新興国株式はSBIアセットマネジメントの運用なので、納得の選択ですね。

EXE-i 新興国株式は今では商品的に魅力がなく、他の商品を選択した方がいいと思います。人気が頭打ちになっているのは、当然の結果でしょう。

現在一番人気のeMAXIS Slim新興国株式もプロットしました。

EXE-i 新興国株式とスリム新興国株式の設定来の資金流出入額の累計の推移グラフ

EXE-i 新興国株式は新興国株式インデックスの中では人気があった方ですが、もう過去の商品です。

評価:他の選択肢の方がいいです

EXE-i 新興国株式は低コストですが、三重課税問題があること、人気が頭打ちであること、現在の買い付けのほとんどはiDeCoによるものであることから、他の選択肢の方がいいです。つみたてNISA適格でもないし、これからわざわざEXE-i 新興国株式に投資する価値はないでしょう。

僕がそう考えるのは、インデックスファンドはベンチマークに忠実な運用が低コストでできてこそ価値があると、固く信じているからです。その観点では、EXE-i 新興国株式は論外な商品です。

現在SBI証券のオリジナルプランで買っている方へ

次の条件を満たしているでしょうか。

  • 新興国株式のベンチマークにこだわりはない。
  • 運用コストは地味に気になる。
  • 三重課税問題はない方がいい。
  • スリムシリーズは嫌いじゃない。

満たしているなら、オリジナルプランからセレクトプランへ無料で移行し、EXE-i 新興国株式からeMAXIS Slim新興国株式にスイッチングするのがいいと思います。

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