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Funds-i 内外7資産バランスの運用コストと評価

Funds-i 内外7資産バランスは設定されたのが2013年で高コスト商品ですが、一定の人気を獲得して今でも買われています。最大の特徴は海外資産に為替ヘッジをかけることですが、その組成内容はアンバランスに見えます。人によって、好みがはっきり分かれると思います。

Funds-i 内外7資産バランス

Funds-i 内外7資産バランスは海外資産の為替ヘッジが行われます。商品名には「為替ヘッジ型」が付いていますが、「為替ヘッジなし型」は存在しないため、このブログでは単にFunds-i 内外7資産バランスと表記します。

2013年9月12日に税抜き信託報酬0.50%で設定されました。金融機関を選ばないと上限が税抜き2.0%の手数料がかかります。また解約時信託財産留保額0.2%が設定されています。時代を感じますね。

その後信託報酬は引き下げられていません。

Funds-i 内外7資産バランスは、指定インデックス投資信託でつみたてNISA適格です。

アンバランスな組成内容

Funds-i 内外7資産バランスは次の7資産に投資します。

  • 先進国株式、国内株式
  • 先進国債券、国内債券、新興国債券
  • 先進国リート、国内リート

8資産均等型から新興国株式を抜いたのと同じです。そして株式、債券、リートに33%ずつ投資します。この資産配分比率、僕にはアンバランスに見えます。

引用:目論見書

新興国株式に投資しないのに新興国債券には投資します。その理由が新興国株式に為替ヘッジをかけることが大変だったから(為替ヘッジありの新興国株式マザーファンドがなかったから)だとすると、本末転倒な気がします。

トータルコスト

次は運用報告書から計算したトータルコストです。スリムバランス(8資産均等型)と比較しています。

運用報告書から計算したトータルコスト表

隠れコストは標準的なものです。次は隠れコストの明細です。

隠れコストの明細表

次は運用報告書を入手できた第2期以降のトータルコストです。

第2期以降のトータルコスト表

第4期と第5期の隠れコストが高いです。明細を確認すると、保管費用が原因でした。

第2期以降の隠れコストの明細表

設定直後に保管費用が高いことは良くありますが、どうしてこの時期に高くなったのかは分かりません。

為替ヘッジの効果

為替ヘッジをかけるといくらか為替変動による影響を軽減できます。その結果、基準価額の動きは、為替ヘッジなしと比べるとかなり違ったものになります。その効果を、Funds-iシリーズの3つの資産クラスに投資する商品で見ます。

比較期間は後で行う、Funds-i 内外7資産バランスのリターン比較に合わせて、2013年10月1日から2020年7月10日です。グラフの赤のラインは為替ヘッジなし、緑のラインは為替ヘッジありです。青のラインは為替ヘッジなしー為替ヘッジありです。

先進国株式

次はFunds-i 外国株式の為替ヘッジありなしの比較です。

Funds-i 外国株式の為替ヘッジありなしの比較グラフ

先進国株式に為替ヘッジをかけると値動きがおとなしくなります。が、株式の変動率の高さを許容できるなら、株式に為替ヘッジは不要というのが僕の考えです。

先進国債券

次はFunds-i 外国債券の為替ヘッジありなしの比較です。

Funds-i 外国債券の為替ヘッジありなしの比較グラフ

僕は、債券には為替ヘッジをかけた方が良いという考えです。それは、為替変動の方が、債券の素の値動きより大きい傾向があるからです。その違いは、グラフに明確に表れています。

赤のラインの値動きは「ひどい」ですが、緑のラインの値動きは「それらしい」ですよね。

新興国債券

次はFunds-i 新興国債券の為替ヘッジありなしの比較です。

Funds-i 新興国債券の為替ヘッジありなしの比較グラフ

新興国債券も先進国債券同様、為替ヘッジをかけた方が良いと思っています。

リターン比較

ではFunds-i 内外7資産バランスの実力を見せてもらいましょう。比較期間は上記グラフと同じです。青のラインはリターン差で、Funds-i 内外7資産バランスー比較対象です。

セゾングローバルバランスとのリターン比較

次はセゾングローバルバランスとのリターン比較です。

セゾングローバルバランスとのリターン比較グラフ

Funds-i 内外7資産バランスは変動率が低いので、バランスファンドであっても値動きの小さい方が良い、でも債券比率が高いのは嫌だ、という人には良さそうです。でも、セゾングローバルバランス程度の変動率なら許容できる人にとっては、どちらを選んでもパフォーマンスに大差ないと言えるでしょう。

世界経済インデックスとのリターン比較

次は世界経済インデックスとのリターン比較です。

世界経済インデックスとのリターン比較グラフ

どんな時も最良のパフォーマンスを発揮する組成など存在しないのは、考えれば分かることですが、この比較はそのことを再確認させてくれます。ある期間だけ見れば、Funds-i 内外7資産バランスってすごくね?になりますが、もっと長期で見れば大差ありません。そして、積立投資(ドルコスト平均法)にとっては、赤のラインの値動きよりも、緑のラインの方が有利です。

eMAXISバランス(8資産均等型)とのリターン比較

次はeMAXISバランス(8資産均等型)とのリターン比較です。

eMAXISバランス(8資産均等型)とのリターン比較グラフ

組成内容は大きく異なるのに、値動きは良く似ています。長期で見ればパフォーマンスに大差はないと言っていいでしょう。

Funds-i 海外5資産バランスとのリターン比較

次は同日に設定された、Funds-i 海外5資産バランスとのリターン比較です。

Funds-i 海外5資産バランスとのリターン比較グラフ

Funds-i 海外5資産バランスは変動率が高いです。この比較結果を見ると、Funds-i 内外7資産バランスの変動率の低さを評価したくなる人もいることでしょう。でも、長期で見ればパフォーマンスに大差はないと言えるでしょう。どちらに投資したのが良かったかは、売却時の運次第だと思います。

為替ヘッジコスト

為替ヘッジにはコストがかかります。そのコストは運用報告書の隠れコストには出てきません。僕は、為替ヘッジコストが運用報告書に記載されている例を知りません。が、Funds-iシリーズの為替ヘッジありの商品は、月次レポートから為替ヘッジコストが計算できることで知られています。

Funds-i 内外7資産バランスの月次レポートには次の記載があります。

引用:月次レポート

ポートフォリオの利回りについてはこう書かれています。

  • ポートフォリオの利回りは、各マザーファンドの最終利回り・配当利回りと、当ファンドが保有するマザーファンドの組入比率から算出しており、為替ヘッジ前ベースになります。(各マザーファンドの最終利回り・配当利回りは、組入れている債券、株式、リートの最終利回り・配当利回りをその組入比率で加重平均したものです。現地通貨建。)
  • ポートフォリオの利回り(為替ヘッジ後)は、為替ヘッジプレミアム/コストを反映し、表示しています。

引用:月次レポート

次は入手できた直近10ヶ月分の月次レポートから作成した、為替ヘッジコストの推移です。

為替ヘッジコストの推移表

こういうのはグラフで見るに限ります。

為替ヘッジコストの推移グラフ

最近は安くなっていますが、1.2%程度かかるのは珍しくないようです。結構高い印象です。でも、僕はそれだけのコストを負担しても、債券に為替ヘッジをかけるのは有意義だという考えです。Funds-i 内外7資産バランスの場合、株式とリートにも為替ヘッジをかけているので、それについては否定的な立場です。

Funds-i 内外7資産バランスに投資する場合、ざっくり1%程度の為替ヘッジコストを負担していることは、知っておいた方がいいでしょう。でも最終的には、自分が期待するリターンが、他のバランスファンドと比較して得られるかどうか、そしてこの組成が好きかどうかで決めれば良いと思います。

積立投資は乱高下がお好き

最終的なリターンが変わらない場合、変動率が高い資産の方が積立投資に向いています。受益者が基準価額の乱高下に耐えられれば、ですけどね。次は2013年10月から2020年7月9日までの、Funds-i 内外7資産バランスと世界経済インデックスの基準価額の推移です。

2013年10月から2020年7月9日までの、Funds-i 内外7資産バランスと世界経済インデックスの基準価額の推移グラフ

この比較期間の最初で一括投資していた場合、リターンは0.2%ポイントしか違いません。でも、積立投資の場合、世界経済インデックス(緑のライン)の方が、平均取得価額は安くなります。その結果、この比較期間の最後では、という限定条件でですが、リターンに大きな差が生まれます。

次は毎月初に5万円積立投資を継続したシミュレーション結果です。

毎月初に5万円積立投資を継続したシミュレーション結果のグラフ

  • Funds-i 内外7資産バランスの利益率:10.32%
  • 世界経済インデックスの利益率:13.39%

これはドルコスト平均法のメリットがうまく作用した例です。

もしFunds-i 内外7資産バランス(為替ヘッジなし)があったら

もしFunds-i 内外7資産バランスの為替ヘッジなし型が組成されていたら、どういう値動きをしたでしょうか。当たらずとも遠からずの結果を得る方法があります。Funds-iシリーズの該当するヘッジなしの商品の基準価額データを使って、合成するのです。リバランスは毎月行います。

次はFunds-i 内外7資産バランスの本物と合成結果の比較です。

Funds-i 内外7資産バランスの本物と合成結果の比較グラフ

 

赤のラインが合成結果、緑のラインが本物です。青のラインは合成結果ー本物です。パフォーマンスに大差はありません。

次はリスク(変動率)を月次換算したものです。

リスク(変動率)を月次換算したグラフ

緑のライン(本物)はリスクが抑えられていることが分かります。

Fund of the Yearの順位

Funds-i 内外7資産バランスは一般受けしない組成だと思うのですが、投信ブロガーには人気があるようです。FOYに何度も入賞するというのは、相応の理由がないとできません。

右端の列が、Funds-i 内外7資産バランスです。

Fund of the Yearの順位表

まだ売れています

次はFunds-i 内外7資産バランスとFunds-i 海外5資産バランスの、設定来の資金流出入額の累計の推移です。Funds-i 内外7資産バランスの純資産総額は141億円です。

Funds-i 内外7資産バランスとFunds-i 海外5資産バランスの、設定来の資金流出入額の累計の推移グラフ

緑のラインのFunds-i 海外5資産バランスは不人気です。赤のラインのFunds-i 内外7資産バランスは一定の資金流入が続いています。この組成を気に入っている人がそれなりにいるってことですね。

でも、eMAXISバランス(8資産均等型)とスリムバランス(8資産均等型)をプロットすると、Funds-i 内外7資産バランスの人気は限定的であることが分かります。

eMAXISバランス(8資産均等型)とスリムバランス(8資産均等型)もプロットしたグラフ

青のラインがeMAXISバランス(8資産均等型)、紫のラインがスリムバランス(8資産均等型)です。

結論:この組成が好きならいいと思います

バランスファンドで債券に為替ヘッジをかけているものは散見されますが、株式、リートにまでかけているのは珍しいです。対象資産への投資割合も含めてこの組成が好きなら、高コストですが選択していいと思います。でも、似たような結果が期待できる、もっとローコストな商品が見つかるなら、そっちの方がいいでしょう。それは、ありきたりな資産クラスに投資するバランスファンドに、0.6%を超えるトータルコストを負担する価値があると思えないからです。

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