全世界株式

グローバル株式ファンドの運用コストと評価

グローバル株式ファンド?なにそれって方がほとんどだと思います。でもニッセイ世界株式ファンド(GDP型バスケット)の先輩と言ったらびっくりするでしょうか。ニッセイアセットマネジメントは全世界株式インデックスを組成するにあたり、いくつかの選択肢の中からグローバル株式ファンドを真似することにしたわけです。

真似するなんて、ちょっと失礼な表現ですね。それは全世界株式インデックスの組成手段として、本気出してると思えないからです。本気を出したのは、スリム全世界株式(オール・カントリー)と、たわら全世界株式です。

グローバル株式ファンド

グローバル株式ファンドは2019年7月31日に税抜き信託報酬0.43%で設定されました。先進国株式、新興国株式、国内株式に投資しますが、三井住友トラスト・アセットマネジメントの世界株式ファンドを買うだけです。

グローバル株式ファンドの組成内容

引用:目論見書

それだと運用会社(スカイオーシャン・アセットマネジメント)は現物株運用しなくて済む代わりに、受益者はその世界株式ファンドの信託報酬を負担せねばなりません。そのため、実質的な税抜き信託報酬は0.58%になります。もう最安水準は0.104%になっている時代です。コスト意識のある受益者向け商品ではありません。

また、税抜き3%を上限に購入時手数料を設定できるという、この資産クラスでノーロードじゃないという信じられない設定です。でもつみたてNISA口座ではノーロードです。(設定から9ヶ月後に適格認定されています。)

なお、解約時信託財産留保額0.15%が設定されています。

本気出してません

グローバル株式ファンドは次の2点で、本気出していません。

  • 高コストになることを承知の上で、ファンドを買うだけの組成とした。
  • 国内株式にTOPIXを採用するため、3地域の投資割合をGDP比とした。

つみたてNISAの指定インデックス投資信託で適格認定を受けるためには、指定された指数に連動させる必要があります。人気が高いのは先進国株式、新興国株式、国内株式が時価総額比となるものですが、それだと国内株式をTOPIXで組成できません。3地域均等型のように、何%の固定比率で行きますならいいのですが、時価総額比にするなら次のどちらかしかありません。

  • (VTと同じ)FTSEグローバル・オールキャップ・インデックスを採用する。
  • (オール・カントリーやたわら全世界株式と同じ)MSCIオール・カントリー・ワールド・インデックスを採用する。

どちらも、国内株式はTOPIXではありません。MSCIオール・カントリー・ワールド・インデックスを採用するには、MSCIジャパン指数に連動するマザーファンドが必要です。三菱UFJ国際投信も、アセットマネジメントOneもわざわざ本気出して新設しました。本気出さずに国内株式をTOPIXで代用する、でも固定比率にしない苦肉の策が、GDP比率への連動でした。

3地域の投資割合の決め方

引用:目論見書

この組成方法に無理があると感じる人は多いと思います。ええ、ニッセイ世界株式ファンド(GDP型バスケット)もです。

高い運用コスト

次は運用報告書から計算した運用コスト(トータルコスト)です。スリム全世界株式(オール・カントリー)と比較しています。

運用報告書から計算したトータルコスト表

グローバル株式ファンドは隠れコストが異様に安いです。次は隠れコストの明細です。

隠れコストの明細表

グローバル株式ファンドは監査費用しか計上していません。これが適切なのかどうか僕には判断できませんが、では、買っている世界株式ファンドの隠れコストはどこに行ったのでしょうか。ゼロではないですよね。

でもそういうことに不満を抱く前に、信託報酬が高くて話になりません。

時価総額比 vs GDP比率

次はMSCIオール・カントリー・ワールド・インデックスの現在の国別投資割合です。(円グラフは「アセットアロケーション円グラフメーカー」で作成しました。)

MSCIオール・カントリー・ワールド・インデックスの現在の国別投資割合

次はGDP比率の現在の国別投資割合です。

GDP比率の現在の国別投資割合

新興国株式の比率が異様に高いです。これを見た瞬間に興味を失う人がたくさんいたとしても、僕は驚かないです。

スリム全世界株式(オール・カントリー)とのリターン比較

次はグローバル株式ファンドとオール・カントリーのリターン比較です。グローバル株式ファンドの設定日直後を避けた、2018年8月16日から2020年6月29日までです。

グローバル株式ファンドとオール・カントリーのリターン比較グラフ

青のラインはリターン差で、オール・カントリーーグローバル株式ファンドです。株価暴落時を除けば、オール・カントリーの方がリターンが高いです。年率5%ポイントを超えそうな勢いです。これは主に新興国株式の比率の違いによるものと推測されます。

GDP比率で合成してみる

ニッセイなしなしシリーズから外国株式、新興国株式、TOPIXに登場してもらい、それらをGDP比率で合成しました。毎月リバランスしています。次はその合成結果と、スリム全世界株式(オール・カントリー)の比較です。オール・カントリーの設定日直後を避けた、2018年11月16日からです。

青のラインはオール・カントリーー合成結果です。変動していますが、プラス圏内にいることが多いです。これは、先進国株式と新興国株式の値動きを見れば納得できます。

先進国株式と新興国株式の値動きをプロットしたグラフ

もちろん先進国株式と新興国株式のどちらのパフォーマンスが高いかは時代によって変わりますが、それとは別に、GDP比でいいの?と思ってしまいます。

売れ行きは

次はグローバル株式ファンドの設定来の資金流出入額の累計の推移です。純資産総額は10.07億円です。

グローバル株式ファンドの設定来の資金流出入額の累計の推移グラフ

設定日の純資産総額が1.37億円ありました。事前募集によるものですかね。頭打ちにならずに増えてはいますが、全世界株式インデックスとしては厳しいです。

スリム全世界株式(オール・カントリー)もプロットすると、まともに戦えないことが分かります。そりゃ信託報酬見れば当然ですよね。

オール・カントリーもプロットしたグラフ

販社で分かるターゲット層

グローバル株式ファンドを扱っているのは4社しかありません。

  • 横浜銀行
  • 浜銀TT証券
  • 京都銀行
  • 千葉銀行

このことから、おのずとターゲット層が分かります。ネット証券を利用していない、他に有利な選択肢があることに気付かない、いいお客さん(カモとも言う)です。

ネタばらし

グローバル株式ファンドの運用会社は「スカイオーシャン・アセットマネジメント」ですが、横浜銀行グループと三井住友トラスト・グループの合弁で設立されました。なんと本社は横浜銀行本店ビル内にあります。

こういう高コストな商品は、金融機関の窓口を利用する顧客がなくならない限り、組成され続けることでしょう。

結論:買う価値ありません

そもそも、前記販社に近付かない方がいいです。ろくなことがないです。また、たとえGDP比率の組成が好みだとしても、ニッセイ世界株式ファンド(GDP型バスケット)をネット証券で買うのがいいです。いや、ここでそれを主張したところで、効果的ではないですね。

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