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ひふみワールド、ひふみワールド+の運用コストと評価

爆発的に売れる商品は、たいてい高いパフォーマンスを売りにしています。2017年に売れまくったひふみも、2019年に売れまくったグローバル3倍3分法ファンドもそうです。そして、パフォーマンスが落ちるとパッタリと売れなくなるものです。

ひふみワールドの売れ行きにもその慣例が適用できそうです。

更新情報

参照しているデータを最新版に更新しています。

ひふみとの違い

レオス・キャピタルワークスはひふみ投信、ひふみプラス、ひふみ年金の「ひふみ」で有名です。「ひふみワールド」は同社2種類目のアクティブファンドです。では何が違うのでしょうか。

投資対象

ひふみはもともと国内株式にのみ投資していましたが、急激に売れ始めた後2017年6月から海外株式にも投資するようになりました。目論見書には次のようにあります。

国内外の上場株式を主要な投資対象とし、市場価値が割安と考えられる銘柄を選別して長期的に投資します。

引用:ひふみ投信の目論見書

参考指数はTOPIXです。現在の海外株式比率は約9%です。

ひふみワールドの目論見書にはこうあります。

日本を除く世界各国の株式等を主要な投資対象とし、成長性が高いと判断される銘柄を中心に選別して投資します。

引用:ひふみワールドの目論見書

ひふみワールドには参考指数は存在しないと運用報告書に明記されていますが、月次レポートでは「参考」としてMSCIオール・カントリー・ワールド・インデックス(除く日本)と比較しています。

乱暴な言い方をすると「ひふみ全世界株式(除く日本)」になります。(マジに受け取らないでね。)

MSCIオール・カントリー・ワールド・インデックス(除く日本)との違い

ひふみワールドが参考指数にしているMSCIオール・カントリー・ワールド・インデックス(除く日本)の投資対象銘柄数は2,660です。ひふみワールドの投資対象銘柄数は164です。銘柄を厳選しているわけですね。

次は投資比率上位10ヶ国の比較です。ひふみワールドは月次報告書を参照、MSCIオール・カントリー・ワールド・インデックス(除く日本)は上場インデックスファンド世界株式(MSCI ACWI)除く日本 の月次報告書を参照しました。

ひふみワールドとMSCIオール・カントリー・ワールド・インデックス(除く日本)の投資対象国と比率の比較表

ひふみワールドの米国比率はMSCIオール・カントリー・ワールド・インデックス(除く日本)に近いです。

直販と一般販売

ひふみ投信とひふみワールドはレオス・キャピタルワークス直販商品です。ひふみプラスとひふみワールド+は一般販売商品です。

ひふみワールドは2019年10月8日に設定されました。ひふみワールド+は2ヶ月後の12月13日に設定されました。現在48社が販売しています。

なお、ひふみ年金にあたる、確定拠出年金専用商品はひふみワールドにはありません。

信託報酬

ひふみ投信、ひふみプラスの税抜き信託報酬は0.98%です。アクティブファンドとしては安い方です。ところがひふみワールド、ひふみワールド+の税抜き信託報酬は1.48%と強気です。

資産形成応援団

資産形成応援団は直販商品で採用されている、受益者還元制度です。ひふみ投信の資産形成応援団は還元率が高くて素晴らしいです。

ひふみ投信の「資産形成応援団」の説明図

引用:ひふみ投信

ところがひふみワールドの資産形成応援団は信託報酬が高いうえに還元率が低いとシブチンです。

ひふみワールドの「資産形成応援団」の説明図

引用:ひふみワールド

制度改悪ですね。また、この図の縦軸、不誠実な書き方で気に入らないです。

信託報酬漸減制度

一般販売商品には資産形成応援団がない代わりに、純資産総額が500億円または1,000億円を超えると、超えた部分の信託報酬が漸減される仕組みがあります。

ひふみプラスの信託報酬漸減制度

引用:ひふみプラス

ひふみワールド+は信託報酬が1.5倍もしますが、漸減率は激減です。つまり、実質値上げです。

ひふみワールド+の信託報酬漸減制度

引用:ひふみワールド+

信託報酬が0.1%ポイント下がるのは、5,000億円を超える部分です。500億円ではありません。1兆円を超える部分はさらに0.15%ポイント下がります。超シブチン仕様です。

つみたてNISA非適格

ひふみワールド、ひふみワールド+はつみたてNISA適格ではありません。アクティブファンドなので、設定から5年経過しないと適格申請できないからです。

5年経過時に純資産総額が50億円以上あり、5年間のうち2/3以上で資金流入超であれば、適格申請できます。海外資産を対象にしているアクティブファンドの税抜き信託報酬の上限は1.5%なので、ギリギリセーフです。ええ、もちろんそれを踏まえて1.48%にしたはずです。

運用コスト

次は運用報告書から計算した運用コスト(トータルコスト)です。ひふみプラスと比較しています。

ひふみワールドの運用報告書から計算したトータルコスト表

ひふみワールドの隠れコストはひふみより高いです。トータルコストは2%を超えるので、かなり高く感じます。

リターン比較

ひふみワールドの設定日直後を避けた、2019年10月21日から2022年4月28日で比較します。赤のラインはひふみワールド、緑のラインは比較対象です。青のラインはリターン差で、ひふみワールドー比較対象です。

スリム全世界株式(除く日本)とのリターン比較

ひふみワールドとスリム全世界株式(除く日本)のリターン比較グラフ

コロナショックによる株価暴落後しばらくスリム全世界株式(除く日本)をアウトパフォームしていましたが、2021年2月以降は互角でした。そして2022年はスリム全世界株式(除く日本)に負けています。

この比較期間だと、ひふみワールドに魅力を感じないです。

スリム米国株式(S&P500)とのリターン比較

ひふみワールドとスリム米国株式(S&P500)のリターン比較グラフ

この比較はフェアでないと感じる人もいることでしょう。でも事実として、ひふみワールドはスリム米国株式(S&P500)に負けています。ひふみワールドがスリム米国株式(S&P500)をアウトパフォームしていたのは(青のラインが右肩上がりである期間は)、2021年1月まででした。

これではトータルコストが2%を超えるひふみワールドに投資する意味を感じにくいです。

スリム全世界株式(オール・カントリー)とのリターン比較

ついでにオール・カントリーとも比較しました。

ひふみワールドとスリム全世界株式(オール・カントリー)のリターン比較グラフ

やはり2021年3月以降はオール・カントリーと互角になり、2022年はオール・カントリーに負けています。

ひふみ投信とのリターン比較

この比較も外せないですよね。

ひふみワールドとひふみ投信のリターン比較グラフ

設定来互角で推移していましたが、2021年2月以降はひふみワールドがひふみ投信を大きくアウトパフォームしています。これはひふみワールドが好調なのではなくて、ひふみ投信が不調なためです。

売れ行きは

次はひふみワールドの設定来の資金流出入額の累計の推移です。純資産総額は392億円です。

ひふみワールドの設定来の資金流出入額の累計の推移グラフ

事前募集により、設定日の純資産総額は51億円でした。資金流入の様子は、絶好調ではないですね。2022年はパフォーマンスの悪さが影響してか、頭打ち傾向です。

次はひふみワールド+の設定来の資金流出入額の累計の推移です。純資産総額は2,042億円です。

ひふみワールド+の設定来の資金流出入額の累計の推移グラフ

事前募集により、設定日の純資産総額は249億円もありました。でも設定後まもなく頭打ちの傾向を見せます。金額は大きいものの、よくあるダメパターンです。2020年12月以降に盛り返しましたが、絶好調ではないですね。

評価:現在のパフォーマンスならスリム全世界株式(除く日本)で十分

ひふみワールドは信託報酬が高く、トータルコストは2%もします。現在のパフォーマンスはスリム全世界株式(除く日本)と変わらないし、スリム米国株式(S&P500)に見劣りします。

未来は分かりませんが、その程度のパフォーマンスしか出せないようでは、ひふみワールドに存在価値を認めるのは難しい気がします。

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