バランスファンド

iFree年金バランスの運用コストと評価

iFree年金バランスは4資産バランスファンドですが、その投資割合はGPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)の基本ポートフォリオに従います。人気が出るかどうかは、その「GPIFと同じ比率」が受益者に受け入れられるかどうかにかかっています。

これまでのところ、明らかに不人気です。

iFree年金バランス

2018年8月31日に税抜き信託報酬0.159%で設定されました。バランスファンドの最低水準でした。その後引き下げられていません。

iFree年金バランスはつみたてNISA適格ではありません。また、iDeCoナビによると、SBI証券のセレクトプランで扱われています。

組成内容

iFree年金バランスは言ってしまえば、GPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)が僕らの年金のために運用しているポートフォリオをそのまま使わせてもらっている変わり種です。

iFree年金バランスの投資対象

引用:目論見書

設定当初の投資比率はこうでした。

GPIFの基本ポートフォリオ(古い)

引用:目論見書

この比率は現在、GPIFの基本ポートフォリオの変更にならって、25%ずつの4資産均等型に変わっています。

GPIFの基本ポートフォリオの変更

引用:GPIF基本ポートフォリオの変更

iFree年金バランスは期待通り、この変更に追随しました。(目論見書は古いままですが、月次レポートで変更を確認できます。)

でもiFree年金バランスの投資先はGPIFのそれと同じではありません。(同じにするのは無理もあるでしょうから同じでなければいけないとは思いませんが。)

  • GPIFの外国株式には新興国が含まれますが、iFree年金バランスには含まれません。新興国を混ぜようと思えば簡単に混ぜられたはずなので、その程度の違いは無視していいと判断したのでしょう。
  • 国内債券部分がアクティブファンドです。そのためiFree年金バランスは(指定インデックス投資信託で)つみたてNISA適格になれません。

国内債券部分を素直にiFree日本債券マザーファンドを買うようにすれば、問題なくつみたてNISA適格にできたかも知れません。あるいは、各資産の比率をGPIFに合わせて変更することが問題になって認定されないかも知れません。(僕はどう頑張っても認定されなかったと思っています。)

運用コスト

次は運用報告書から計算した運用コスト(トータルコスト)です。ニッセイバランス(4資産均等型)と比較しています。

運用報告書から計算したトータルコスト表

iFree年金バランスの隠れコストは、運用報告書の数値を信じれば、低水準です。運用コストはニッセイバランス(4資産均等型)と変わりません。なお、これは第1期の、4資産均等型になる前のものなので、現在は少し違うかも知れません。

このように4資産均等型と比較していますが、iFree年金バランスはGPIFの基本ポートフォリオの変更に追随する運用なので、少し不適当という気もします。

リターン比較

組成内容が違うバランスファンドは、どうせ公平な比較はできないので、適当に選んだ商品と比較しました。比較期間はiFree年金バランスの設定直後を避けた、2018年9月20日から2020年7月31日です。青のラインはiFree年金バランスー比較対象です。

グラフのスケールは同じです。

ニッセイバランス(4資産均等型)との比較

4資産均等型バランスファンドなら、ニッセイバランス(4資産均等型)がおすすめです。

iFree年金バランスとニッセイバランス(4資産均等型)のリターン比較グラフ

ほとんど差がありません。これなら、つみたてNISAで買えるニッセイバランス(4資産均等型)でいいんじゃねって思ってしまいます。

楽天バランス(均等型)との比較

楽天バランス(均等型)と同じなのは株式と債券の比率が50:50であることぐらいです。

iFree年金バランスと楽天バランス(均等型)のリターン比較グラフ

緑のラインが楽天バランス(均等型)です。この様子だと、やはり、楽天バランス(均等型)の方がパフォーマンスが高いと思われます。もちろん期待リターンが高い分、リスク(変動率)も高いです。

次は月次で計算したリスクを年率換算したものです。

月次で計算したリスクを年率換算したグラフ

スリムバランス(8資産均等型)との比較

8資産均等型の人気が高いのには、パフォーマンスが悪くはないという過去の実績もあると思っています。

iFree年金バランスとスリムバランス(8資産均等型)のリターン比較グラフ

スリムバランス(8資産均等型)の基準価額の変動に耐えられるなら、iFree年金バランスを考える必要はないでしょう。

セゾングローバルバランスとの比較

高コストですが人気は圧倒的、パフォーマンスは実に「標準的」です。

iFree年金バランスとセゾングローバルバランスのリターン比較グラフ

組成内容から考えて、セゾングローバルバランスの方がパフォーマンスが高いのが期待値で、その通りの結果です。

不人気です

次は設定来の資金流出入額の累計の推移です。純資産総額は4.39億円しかありません。

設定来の資金流出入額の累計の推移グラフ

安定した資金流入がありますが、資金流入額が小さすぎます。

次は楽天バランスもプロットしたものです。

楽天バランスもプロットしたグラフ

緑のラインは楽天バランス(株式重視型)です。iFree年金バランスは不人気な楽天バランス(均等型)より売れていません。GPIFの基本ポートフォリオに追随するというアイデアは、受益者の心に響かなかったと言っていいでしょう。

目論見書には受益者権数が30億口(30億円が目安)を切ったら繰上償還可能と明記されています。もうじき設定されて2年になるのに、純資産総額が4億円程度しかないのでは厳しいです。iFree年金バランスはつみたてNISA適格ではないので、余計に繰上償還のリスクを意識した方がいいです。

評価:ニッセイバランス(4資産均等型)の方がいいです

リスクが低めのバランスファンドを考えているなら、iFree年金バランスよりニッセイバランス(4資産均等型)をおすすめします。今後GPIFの基本ポートフォリオが変わっても、パフォーマンスは大して変わらないと思います。ニッセイバランス(4資産均等型)も、激戦区のバランスファンドのジャンルでは相対的に不人気ですが、純資産総額は65億円あります。

投資信託は粗製乱造される傾向にありますが、人気を獲得するのは難しいです。売れるようにするには、まずその商品に圧倒的な魅力が必要ですが、iFree年金バランスにはそれがありません。GPIFの基本ポートフォリオに従うことが大きな魅力になると思って組成したのでしょうけど、それは不発だったということです。

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