バランスファンド

東京海上円資産バランスファンド(3倍型)の運用コストと評価

バランスファンドは組成の自由度が高く、多種多様な商品が販売されています。レバレッジを利用したバランスファンドもそうです。どうせ指定インデックス投資信託でつみたてNISA適格にはなれないので、投資対象資産も選び放題です。

東京海上円資産バランスファンド(3倍型)は、国内資産のみで組成された、レバレッジ型バランスファンドです。運用会社は東京海上アセットマネジメントです。

東京海上円資産バランスファンド(3倍型)

2019年12月24日に税抜き信託報酬1.225%で設定されました。高いですね。決算頻度が異なる次の2タイプがあります。

  • 年1回決算型
  • 毎月決算型

いまだに隔月決算型や毎月決算型を組成するという姿勢、悲しいですね。受益者から見て経済的合理性はゼロです。金融リテラシーに欠ける顧客をカモにする以外に存在価値はありません。

  • 販売手数料は税抜き3%を上限にして販売会社が設定可能で、金融機関を選ばないと徴収されてしまいます。
  • 信託財産留保額はありません。
  • 信託期間は10年の2029年12月10日までです。

もちろんつみたてNISA適格ではありません。

12年でたったの3.2倍ですか

レバレッジ型バランスファンドは煽情的はシミュレーション結果を誇示するのがお約束になっています。東京海上円資産バランスファンド(3倍型)もシミュレーション結果を提示していますが、12年で3.2倍という控えめなものです。

東京海上円資産バランスファンド(3倍型)のシミュレーション結果

引用:東京海上アセットマネジメント

このシミュレーションには米国株式が出てきません。次はこの期間における、S&P500種指数に連動するIVVのトータルリターンの基準価額の推移です。

S&P500種指数に連動するIVVのトータルリターンの基準価額の推移グラフ

上記シミュレーションの表現をすると、260です。この時点で興味をなくしてしまったかも知れないですね。

仕組み

投資対象資産は日本債券、日本株式、日本リートです。日本株式は高配当低ボラティリティJPX日経400というひねりの効いたものです。

投資対象資産

引用:目論見書

これら3資産全てに3倍のレバレッジをかけます。

ファンドの投資イメージ

引用:目論見書

運用コスト

次は運用報告書から計算した運用コスト(トータルコスト)です。1年決算型はまだ運用報告書が公開されていませんので、毎月決算型だけです。

運用報告書から計算したトータルコスト表

運用報告書の数値がどれほど正しいかは分からないのですが、隠れコストは低水準です。これは、株式とリートが15%ずつで計算されているからかも知れません。

でも信託報酬が引いちゃいそうなぐらい高いので、トータルコストも高いです。

リターン比較

レバレッジ型バランスファンドのリターン比較をするなら、レバレッジ型バランスファンドを比較対象にするのが良さそうです。でも、東京海上円資産バランスファンド(3倍型)は現在絶不調で、相手になりません。そこでレバレッジを利用していない普通のインデックスファンドとも比較しました。

比較期間は東京海上円資産バランスファンド(3倍型)の設定直後を避けた、2020年1月10日から8月7日までです。赤のラインが東京海上円資産バランスファンド(3倍型)(1年決算型)、緑のラインが比較対象です。青のラインはリターン差で、東京海上円資産バランスファンド(3倍型)(1年決算型)ー比較対象です。

スリムTOPIXとのリターン比較

スリムTOPIXとのリターン比較グラフ

株価暴落前は東京海上円資産バランスファンド(3倍型)の方が有利でしたが、株価暴落後は全く回復できていません。スリムTOPIXも回復途中で足踏みしていますが、東京海上円資産バランスファンド(3倍型)はひどいですね。

eMAXIS JPX日経400とのリターン比較

JPX日経400連動商品はスリムシリーズにはないので、eMAXISを選択しました。

eMAXIS JPX日経400とのリターン比較グラフ

TOPIXと変わりませんね。

東京海上円資産インデックスバランスとのリターン比較

レバレッジをかける前の組成が似ているバランスファンドです。債券比率70%、国内株式はTOPIXです。

東京海上円資産インデックスバランスとのリターン比較グラフ

東京海上円資産インデックスバランスも株価暴落から回復できていません。

スリムバランス(8資産均等型)とのリターン比較

株価暴落からの回復の様子を見たかったので、スリムバランス(8資産均等型)を選びしました。

スリムバランス(8資産均等型)とのリターン比較グラフ

じわじわですが、回復基調です。東京海上円資産バランスファンド(3倍型)の受益者は後悔しているでしょうか。

グローバル3倍3分法ファンドとのリターン比較

グローバル3倍3分法ファンドとのリターン比較グラフ

グローバル3倍3分法ファンドは株価暴落時に東京海上円資産バランスファンド(3倍型)よりも大きく下落しましたが、回復基調にあります。

楽天米国レバレッジバランスとのリターン比較

そもそもこの比較はフェアでない気がします。東京海上円資産バランスファンド(3倍型)の組成内容から考えて、勝負にならないですよね。

楽天米国レバレッジバランスとのリターン比較グラフ

レバレッジ型バランスファンドも、信託報酬とパフォーマンスは無関係ということです。

運用の実態

東京海上円資産バランスファンド(3倍型)は株式とリートの比率を大きく下げています。次は月次レポートにある、投資対象資産の比率の推移グラフです。

投資対象資産の比率の推移グラフ

引用:月次レポート

案内によると、投資対象資産の比率を4回変更しています。次はそれをまとめたものです。

投資対象資産の比率の変更履歴

株価は3月23日あたりに底値を付けました。ちょうどその前後で大幅に、株式とリートの比率を下げています。

次はお約束のグラフです。左端は基本比率です。

資産配分の変化のグラフ

現在はほぼ国内債券のみのバランスファンドです。回復できるわけないです。それでも毎営業日、高額な信託報酬が純資産から天引きされ続けています。

不人気です

次は設定来の資金流出入額の累計の推移です。どちらも設定日に5億円から始まっていますが、おそらく運用側の初期投資だと思います。

株価暴落開始後を黄色に塗っています。

設定来の資金流出入額の累計の推移グラフ

純資産総額は合計で24億円です。

純資産総額一覧表

赤のラインの1年決算型は頭打ち、緑のラインの毎月決算型は資金流出の傾向が見られます。そりゃあ、あのパフォーマンスならそうなりますよね。株価暴落前に買った人は20%近い含み損を抱え、回復の兆しがないので、つらい思いをしていることでしょう。

評価:おすすめしません

設定後わずか2ヶ月で株価暴落に巻き込まれ、目論見が大きく狂ったこともあるでしょうが、それにしても現状はサイテーです。誰も買いたいとは思わないでしょう。

そもそも、期待リターンが高くない資産にレバレッジをかけるという発想が理解できません。国内資産だけでレバレッジ型バランスファンドを組成するのは、やはり無理があると思います。

また、株価暴落時に株式とリートの比率を下げた後、そのままの状態で全く回復できない現状はひどすぎます。

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