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つみたて8資産均等バランスの運用コストと評価

三菱UFJ国際投信はeMAXISシリーズの低価格版としてスリムシリーズと、つみたてんとうシリーズを設定しました。スリムシリーズと違って業界最安の信託報酬を目指さず、設定来信託報酬を一度も引き下げていません。主に金融機関の窓口利用者をターゲットにしていると思われます。

それではろくに売れないに違いないと思うでしょうか。ネット証券を利用している人から見ればそうですね。でも現実は違います。

つみたて8資産均等バランス

たわらバランス(8資産均等型)から19日遅れで、同率の税抜き信託報酬0.22%で設定されました。僕が知っている範囲では、5本目の8資産均等型バランスファンドです。その後信託報酬は引き下げられていません。

eMAXISバランス(8資産均等型)、スリムバランス(8資産均等型)と同じ組成です。違いは信託報酬と解約時信託財産留保額だけです。そして、つみたてんとうシリーズはスリムシリーズにある「受益者還元型信託報酬制度」を採用していません。この組成で良いなら、どう考えてもスリムバランス(8資産均等型)一択ですよね。

つみたて8資産均等バランスはもちろん、つみたてNISA適格です。(つみたてんとうシリーズはつみたてNISA適格商品しか扱っていません。)

運用コスト

次は運用報告書から計算した運用コスト(トータルコスト)です。スリムバランス(8資産均等型)と比較しています。

運用報告書から計算したトータルコスト表

隠れコストはスリムバランス(8資産均等型)と同じ水準です。でも第1期決算期間は少し高かったです。

トータルコストの2期比較表

次は隠れコストの明細です。

隠れコストの明細比較表

第1期は全体的に少し高めでした。

運用報告書にある隠れコストは信用できるのか

eMAXISバランス(8資産均等型)とつみたて8資産均等バランスの信託報酬は設定来引き下げられていません。よってこの2商品のリターン差が、運用報告書から計算したトータルコスト差に一致すれば、運用報告書にある隠れコストは(まあ)信用できると言えます。

次はつみたて8資産均等バランスの第2期決算期間から、株価暴落開始直前の2020年2月20日までの、eMAXISバランス(8資産均等型)とのリターン比較です。

つみたて8資産均等バランスとeMAXISバランス(8資産均等型)のリターン比較グラフ

期待通り、リターン差を示す青のラインはきれいな右肩上がりの直線です。8資産をリバランスしながら運用していてこの結果が得られることに僕自身驚きます。

この比較期間の運用報告書から計算したトータルコスト差は0.31%ポイント程度あります。次はつみたて8資産均等バランスの運用コストを年率0.31%ポイント増量したものとの比較です。

つみたて8資産均等バランスの運用コストを年率0.31%ポイント増量したものとの比較グラフ

青のラインはほぼフラットになりましたので、運用報告書に書かれている隠れコストは(この2商品の比較では)信用できると考えます。

スリムバランス(8資産均等型)とのリターン比較

次はつみたて8資産均等バランスの設定日直後を避けた、2017年9月1日から株価暴落開始直前の2020年2月20日までの、スリムバランス(8資産均等型)とのリターン比較です。

つみたて8資産均等バランスとスリムバランス(8資産均等型)のリターン比較グラフ

設定当初の信託報酬は同率、その後スリムバランス(8資産均等型)は5回引き下げて2019年5月14日以降は0.140%です。当然ですが、相応のリターン差が生まれています。

下方乖離を起こしたと思われ

2020年2月21日に始まった株価暴落では株価が凄まじく乱高下しました。そうなると運用上の問題で指数から乖離を起こしても不思議ではありません。ごまかしの効かない基準価額データを見る限り、つみたて8資産均等バランスは下方乖離を起こしたと思われます。

次は2020年年初から2020年7月10日までの、スリムバランス(8資産均等型)とeMAXISバランス(8資産均等型)のリターン比較です。

スリムバランス(8資産均等型)とeMAXISバランス(8資産均等型)のリターン比較グラフ

赤の丸で囲ったところ、株価暴落によりリターン差を示すラインが右肩下がりになっていますが、これは想定の範囲内です。この比較では問題は見られません。

次は同じ期間における、つみたて8資産均等バランスとeMAXISバランス(8資産均等型)の比較です。

つみたて8資産均等バランスとeMAXISバランス(8資産均等型)のリターン比較グラフ

赤の丸で囲ったところ、マイナス側に行き過ぎですね。本来こうはならないはずです。

次はスリムバランス(8資産均等型)とつみたて8資産均等バランスの比較です。

スリムバランス(8資産均等型)とつみたて8資産均等バランスのリターン比較グラフ

赤の丸で囲ったところ、明らかにおかしいです。青のラインが跳ね上がっているのは、つみたて8資産均等バランスが下方乖離を起こしたためだと思われます。せいぜい0.20%ポイントですが、トータルコスト半年分以上を失ったことになります。

株価暴落時のことなので避けがたい理由があったのかも知れませんが、受益者はうれしくないですよね。

ライバルより売れています

次は三菱UFJ国際投信が運用している8資産均等型バランスファンド3兄弟の、設定来の資金流出入額の累計の推移です。

8資産均等型バランスファンド3兄弟の、設定来の資金流出入額の累計の推移グラフ

緑のラインのスリムバランス(8資産均等型)は、8資産均等型で一番人気です。純資産総額順で2位は赤のラインのeMAXISバランス(8資産均等型)ですが、増加率が低いので、いずれ青のラインのつみたて8資産均等バランスに抜かれるのは確実です。

次はiFree8資産バランス、たわらバランス(8資産均等型)、つみたて8資産均等バランスの設定来の資金流出入額の累計の推移です。

ラインの傾きが人気を示しています。金融機関の窓口で購入する顧客を主なターゲットにしている(と思われる)にも関わらず、iFree8資産バランス、たわらバランス(8資産均等型)より高い人気を獲得していることに驚きます。

結論:8資産均等型ならスリムバランス(8資産均等型)一択です

8資産均等型バランスファンドは組成が微妙に異なる3タイプが存在します。8資産均等型に投資したいけど、その組成にこだわらない場合、スリムバランス(8資産均等型)一択です。他の選択肢に投資する経済的合理性はありません。

このブログの読者のみなさんはネット証券を利用しているでしょうから、そもそもつみたてんとうシリーズの対象顧客ではありません。でも世の中にはネット証券より金融機関の窓口を好む人も一定数いるのでしょう。そういう人にとっては、つみたて8資産均等バランスは良い選択肢になるでしょう。

え、たわらバランス(8資産均等型)の方がトータルコストは安い?その通りですが、人気と僕がスリム先進国株式に集中投資している事情を考えるとその選択肢はないですね。

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