国内株式

三井住友DCつみたてNISA日本株の運用コストと評価

ゆるぎない人気を獲得できると、よりローコストな競合商品が登場しても、あるいは競合商品が信託報酬を引き下げても、その盤石な人気が衰えないケースを実際に見てきました。しばらく前ならニッセイ外国株式、今なら、楽天全米株式、楽天全世界株式ですね。

それらと比べると話題性に欠けますが、三井住友DCつみたてNISA日本株の人気も盤石です。よりローコストな競合商品があるにも関わらず、資金流入が衰える気配はありません。

三井住友DCつみたてNISA日本株

2011年12月9日に設定されました。元々はDC(確定拠出年金)専用ファンドでしたが、つみたてNISA制度開始時から普通に買えるようになりました。

信託報酬引き下げ履歴表

その後最安水準は0.140%にまで下がりましたが、三井住友DCつみたてNISA日本株は追従していません。

三井住友DCつみたてNISA日本株はつみたてNISA適格です。また、iDeCoナビによると、次のiDeCo口座で扱われています。

  • ジブラルタ生命保険
  • 三井住友銀行(標準コース)
  • 楽天証券
  • SBI証券(オリジナルプラン)

運用コスト

次は運用報告書から計算した運用コスト(トータルコスト)です。スリム国内株式(TOPIX)と比較しています。

運用報告書から計算したトータルコスト表

隠れコストはスリム国内株式(TOPIX)同様に安いです。そのため、信託報酬が支配的です。

次は隠れコストの明細です。

隠れコストの明細表

有価証券取引税がゼロなのは、計上しなくて良いルールだからかも知れません。保管費用は海外資産でのみ必要なので、ゼロで問題ありません。

スリム国内株式(TOPIX)とのリターン差は期待通りか

次はスリム国内株式(TOPIX)の税引き信託報酬が0.140%に引き下げられた2019年5月14日から2020年8月14日までの、三井住友DCつみたてNISA日本株とのリターン比較です。

スリム国内株式(TOPIX)と三井住友DCつみたてNISA日本株とのリターン比較グラフ

青のラインはリターン差で、スリム国内株式(TOPIX)ー三井住友DCつみたてNISA日本株です。スリム国内株式(TOPIX)の方が運用コストが安いので、青のラインは右肩上がりになります。株価暴落時に乱れていますが、これぐらいはあって当然です。

運用報告書から計算したトータルコストは、スリム国内株式(TOPIX)の方が約0.03%ポイント安いです。次はスリム国内株式(TOPIX)の運用コストを、年率0.03%ポイント増量したものとの比較です。

スリム国内株式(TOPIX)の運用コストを、年率0.03%ポイント増量したものとの比較グラフ

青のラインは見事にフラットになりました。よって、スリム国内株式(TOPIX)とのリターン差は期待通りと言えます。

三井住友DCつみたてNISA日本株は上方乖離を起こしていました

三井住友DCつみたてNISA日本株は過去に上方乖離を起こしていました。その話はいいやって方は、ここまで飛ばしてください。

上方乖離の様子

次はスリム国内株式(TOPIX)と三井住友DCつみたてNISA日本株の、2017年4月3日以降のリターン比較です。

スリム国内株式(TOPIX)と三井住友DCつみたてNISA日本株の、2017年4月3日以降のリターン比較グラフ

赤の矢印の位置で段差ができています。0.1%ポイント程度あります。これはスリム国内株式(TOPIX)のリターンが劣化したか、三井住友DCつみたてNISA日本株のリターンが上がったかのどちらかですが、他の商品との比較結果から、三井住友DCつみたてNISA日本株のリターンが上がったのだと分かっています。こういう場合、乖離を起こしたと言います。

上方乖離はリターンが上がっているのでいいことのように思うかも知れませんが、それはベンチマークに忠実な運用ができなかったことを意味しています。上方乖離を起こすなら、下方乖離も起こしかねないわけで、どちらもいいことではありません。

なお、黄色の丸で囲った、株価暴落時の乱れはどんな商品にだって程度の差こそあれ存在するので、問題視していません。

スリム国内株式(TOPIX)とニッセイTOPIXの比較

次はスリム国内株式(TOPIX)とニッセイTOPIXの、2017年4月3日以降のリターン比較です。グラフのスケールは同じです。

スリム国内株式(TOPIX)とニッセイTOPIXの、2017年4月3日以降のリターン比較グラフ

大きな段差はありません。

スリム国内株式(TOPIX)とたわらTOPIXの比較

次は同じ比較をたわらTOPIXと行ったものです。

スリム国内株式(TOPIX)とたわらTOPIXの比較グラフ

大きな段差はありません。

上方乖離の原因

その後公開された運用報告書に、上方乖離の原因は和解金を取り込んだためとありました。

引用:運用報告書

インデックスファンドはベンチマークに忠実であるべきなので、たとえ上方乖離であっても避けるべきです。でもこの和解金を取り込んで基準価額が上方乖離することを歓迎する投信ブロガーもいたようです。利益率が上がる方が良いからでしょうか。でもそれを言い出して、ベンチマークへの忠実度よりもリターンの高さの方が評価されるなら、それはもはやインデックスファンド(パッシブ運用)ではなく、アクティブファンドになってしまいます。

でもこの場合、受領した和解金を受益者に還元するには純資産に取り込んで基準価額を上げるしかなかったでしょう。

良くある間違い

上方乖離を起こした商品と、ベンチマークに忠実な運用をした商品のリターン比較をした結果、上方乖離を起こした商品の方がパフォーマンスが良いと誤解してしまうことが普通に起きます。良く、直近3ヶ月とか6ヶ月のリターンを提示した表がありますが、そういうものからはベンチマークに忠実でなかった値動きは見えません。その結果、三井住友DCつみたてNISA日本株の方がスリム国内株式(TOPIX)よりリターンが良かった、と判断してしまうのは、良くある間違いです。

その期間におけるリターンが良かったのは事実としても、その理由がなければ単に運用コストが安いのかと、誤った印象を与えてしまうことになります。

売れています

次は設定来の資金流出入額の累計の推移です。純資産総額は371億円です。

設定来の資金流出入額の累計の推移グラフ

ローコストTOPIXインデックスでは最多の純資産総額を集めています。でも長い間売れない期間を耐え忍んだ結果でもあります。つみたてNISA制度が開始されたあたりから、DC専用でなくなったこともあり、人気が加速しました。

次はニッセイTOPIXとスリム国内株式(TOPIX)もプロットしたものです。

ニッセイTOPIXとスリム国内株式(TOPIX)もプロットしたグラフ

赤のラインの三井住友DCつみたてNISA日本株の安定した人気の高さが目立ちます。

iDeCoで多く買われている

次は直近240日間の毎営業日ごとの資金流入額の推移です。

直近240日間の毎営業日ごとの資金流入額の推移グラフ

背の高いトゲが毎月2本ありますが、後の方はiDeCoの約定日に一致しています。前の方が企業型DCによるものなのかは分かりません。でも、ネット証券で普通に買われる場合、その位置にトゲはできないはずです。

楽天証券のiDeCo口座

次は楽天証券のiDeCo口座で扱っている、国内株式ファンドの一覧です。

楽天証券のiDeCo口座で扱っている、国内株式ファンドの一覧表

出典:楽天証券

TOPIX連動なのは三井住友DCつみたてNISA日本株だけです。

SBI証券のiDeCo口座

次はSBI証券のiDeCo口座で扱っている、国内株式ファンドの一覧です。

SBI証券のiDeCo口座で扱っている、国内株式ファンドの一覧表

出典:SBI証券

オリジナルプランで普通のTOPIX連動商品は三井住友DCつみたてNISA日本株だけです。セレクトプランだとスリム国内株式(TOPIX)だけです。

三井住友DCつみたてNISA日本株がiDeCoで多く買われているのもうなづけますね。

評価:良い選択肢です

信託報酬が最安でないことを除いて、弱点が見当たりません。純資産総額、人気はライバルより一歩先を行っています。

でも運用コスト差を気にするなら、ニッセイTOPIXかスリム国内株式(TOPIX)の方が良いです。この2商品は信託報酬引き下げにも積極的です。将来次のようなことが起こるかも知れません。

  • ある不人気なTOPIXインデックスが信託報酬を引き下げ、最安水準を更新した。
  • スリム国内株式(TOPIX)が対抗値下げした。
  • ニッセイTOPIXも対抗値下げした。
  • 三井住友DCつみたてNISA日本株は追従しなかった。

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