バランスファンド

三井住友DCつみたてNISA世界分散の運用コストと評価

スリムバランス(8資産均等型)の登場からわずか半年の間に6本ものローコストバランスファンドが設定されました。次はその一覧です。税抜き信託報酬は設定時のものです。

三井住友DCつみたてNISA世界分散もそのうちの1本です。バランスファンドはマザーファンドさえあれば容易に組成できるため、粗製乱造される傾向にありますが、人気を獲得するのは本当に難しいです。

三井住友DCつみたてNISA世界分散

2017年10月3日に税抜き信託報酬0.21%で設定されました。当時としてはやる気のある水準でしたが、その後バランスファンドの信託報酬は0.140%までローコスト化が進みました。三井住友DCつみたてNISA世界分散は設定来、信託報酬を引き下げていません。

三井住友DCつみたてNISA世界分散はつみたてNISA適格です。

組成内容

投資対象は、8資産均等型から新興国債券を外し、代わりに為替ヘッジありの先進国債券を追加したのと同じです。各資産クラスが連動する指数は、スリムバランス(8資産均等型)と同じです。

次は株式、債券、リートの比率です。これを見ると偏りがないように思えます。

株式、債券、リートの比率グラフ

次は8資産クラスの比率を示したものです。先進国を重視した組成です。

8資産クラスの比率を示したグラフ

8資産クラスの比率表

先進国債券は、為替ヘッジなしが20%、為替ヘッジありが5%という意図が分からない構成です。僕は外国債券は為替ヘッジありが良いと考えているので、どうせなら25%全部を為替ヘッジありにして欲しかったです。

運用コスト

次は運用報告書から計算した運用コスト(トータルコスト)です。スリムバランス(8資産均等型)と比較しています。

運用報告書から計算したトータルコスト表

三井住友DCつみたてNISA世界分散は隠れコストが高いです。次は隠れコストの明細です。高い項目を赤字にしています。

隠れコストの明細表

組成内容が違うものの、三井住友DCつみたてNISA世界分散の売買委託手数料と保管費用は明らかに高いです。

実は第1期はもっと高コストでした。

1期と2期のトータルコスト比較表

第1期の隠れコストが高くなるのは、投資信託のあるあるなので、この程度のことは受け入れるしかないです。でも第2期はもっと抑えて欲しかったですね。

次は隠れコストの明細です。

1期と2期の隠れコストの明細表

その他費用の「その他」が高いことも良くあります。どうして高いのか、運用報告書を見て分かることはまずありません。

リターン比較

組成内容が異なるバランスファンドを公平に比較するのは無理です。特に比較期間が短いと間違った印象を持ってしまうことになりかねません。資産クラスによって好不調の時期が異なりますし、一般論としてリターンが高いのは応分の高いリスクを負うからです。

ここでのリターン比較はあくまで、過去の短い期間におけるものだということに注意してください。

スリムバランス(8資産均等型)とのリターン比較

次は三井住友DCつみたてNISA世界分散の設定直後を避けた、2017年10月20日から2020年7月22日までの、スリムバランス(8資産均等型)との比較です。

スリムバランス(8資産均等型)とのリターン比較グラフ

青のラインはスリムバランス(8資産均等型)ー三井住友DCつみたてNISA世界分散です。

組成内容は結構違いますが、出来上がりの基準価額の動きは大差ありません。

野村6資産均等バランスとのリターン比較

次は野村6資産均等バランスとの比較です。新興国株式に投資しません。

野村6資産均等バランスとのリターン比較グラフ

青のラインは野村6資産均等バランスー三井住友DCつみたてNISA世界分散です。

この比較期間だと野村6資産均等バランスの方が有利に見えますが、もっと長期で比較するとおそらく、大差ないと思います。

セゾングローバルバランスとのリターン比較

次はセゾングローバルバランスとの比較です。株式と債券の比率が50:50の代表的なバランスファンドです。

セゾングローバルバランスとのリターン比較グラフ

青のラインは三井住友DCつみたてNISA世界分散ーセゾングローバルバランスです。株価暴落後はリートに投資しないセゾングローバルバランスが有利になっていますが、それを除けば大差ないです。

絶望的に売れていません

次は設定来の資金流出入額の累計の推移です。純資産総額は5.07億円です。激戦区のバランスファンドでは、絶望的な金額です。

設定来の資金流出入額の累計の推移グラフ

資金流入は安定していますし、ラインの形状も悪くありません。でも資金流入ペースが低すぎます。これはごく限られた受益者層しか獲得できていないことを意味します。

次はスリムバランス(8資産均等型)と野村6資産均等バランスもプロットしたものです。三井住友DCつみたてNISA世界分散が生き残れる気がしません。

スリムバランス(8資産均等型)と野村6資産均等バランスもプロットしたグラフ

野村6資産均等バランスの税抜き信託報酬は0.22%で、設定来引き下げられていないことを考えると、三井住友DCつみたてNISA世界分散の組成が受け入れられなかったのかも知れません。

結論:おすすめしません

三井住友DCつみたてNISA世界分散は、いわゆる高コストバランスファンド(代表格はセゾングローバルバランス)よりはローコストですが、超ローコストバランスファンドよりは高コストです。隠れコストが高いのも気になります。それだけの高いコストを負担する価値は、その組成にはないと思います。それでもその組成が好きならば、その気持を優先するのがいいでしょう。

が、残念ながら人気の獲得に失敗しています。組成内容が気に入られなかったのか、信託報酬を引き下げない姿勢が嫌われたのか、営業力不足なのか、その理由は分かりません。でも売れていないことは事実で、投資対象にするならもっと売れている、将来性のある商品を考えた方がいいです。

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