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三井住友DC年金バランスの運用コストと評価

三井住友DC年金バランスも良くある4資産バランスファンドです。株式と債券比率を変えた良くある3タイプに加えて、債券100%のタイプもあります。信託報酬は最安水準ではありませんが、十分にローコストです。でも資金流入に衰えが見えるのが気になります。

三井住友DC年金バランス

全部で4タイプあります。うち3タイプは2005年9月30日に設定されたので、長い運用実績があります。残る1タイプは2014年12月15日に設定されました。2014年12月時点の税抜き信託報酬の水準から、その頃はまだDC(確定拠出年金)専用だったと思われます。

古い資料が参照できず、設定時の信託報酬が不明ですが、2014年12月には現在の水準でした。

信託報酬一覧表

その後、2015年12月に楽天証券で一般販売が開始されました。つみたてNISA制度の開始に合わせて、2017年秋には普通に買えるようになっていたと思われます。

三井住友DC年金バランスはゼロ(債券型)を除いて、つみたてNISA適格です。(債券100%の組成では、つみたてNISA適格になれません。)

また、iDeCoナビによると、ゼロ(債券型)を除いて、次の金融機関で扱われています。

  • ジブラルタ生命保険
  • ジャパン・ペンション・ナビゲーター
  • 三井住友銀行(標準コース)
  • 荘内銀行

組成も生い立ちも似ているバランスファンドと比較すると、信託報酬はわずかに高めです。

組成が似ているバランスファンドとの信託報酬比較表

この中ではDCニッセイワールドセレクトが一番攻めています。

組成内容

次の伝統的な4資産に投資します。

  • 国内株式、先進国株式
  • 国内債券、先進国債券

各資産クラスが連動する指数は、DCニッセイワールドセレクト、ダイワ・ライフ・バランスと同じです。

4タイプで異なるのは各資産への投資比率と信託報酬だけです。株式と債券の比率で見ると狙いが分かります。(出典:目論見書1目論見書2

株式と債券の比率のグラフ

DCニッセイワールドセレクト同様、短期金融資産が5%固定であります。これは人によって好みが分かれるでしょう。

次は4資産への配分比率をグラフにしたものです。

4資産への配分比率グラフ

株式、債券共に国内比率が高いです。債券の国内比率を高くするのは保守的な組成を目指すためと思うのですが、株式の国内比率を高くする狙いがどこにあるのかは分かりません。

運用コスト

次は運用報告書から計算した運用コスト(トータルコスト)です。

運用報告書から計算したトータルコスト表

運用報告書にある数値を信じればですが、隠れコストは期待通りの低水準です。

3タイプのリターン比較

次は設定直後を避けた、2005年10月20日から2020年7月22日までの、3タイプのリターン比較です。

3タイプのリターン比較グラフ

赤のラインが70、緑のラインが50、青のラインが30です。株式比率と変動率(リスク)が連動しています。リターンを取るかリスクを取るかは人それぞれ好みによって変わるので、どれが一番自分に向いているかで選択が変わります。

30(債券重点型)とゼロ(債券型)のリターン比較

次はゼロ(債券型)の設定直後を避けた、2015年1月5日から2020年7月22日までの、30(債券重点型)との比較です。

30(債券重点型)とゼロ(債券型)のリターン比較グラフ

緑のラインがゼロ(債券型)です。ゼロ(債券型)は株式なし、国内債券比率が75%もあるので値動きが極度に小さいですが、大きなリターンは期待できません。資産形成には向かないので、避けた方がいいです。(金融庁がつみたてNISAの適格要件に、株式を含むこと、をあげたのは、資産形成のことを考えた結果のはずです。)

債券100%の組成も、目的によっては意味がありますが、リターンを目指す資産形成時には不向きだと思っています。

30(債券重点型)とDCニッセイワールドセレクト(安定型)のリターン比較

次はDCニッセイワールドセレクト(安定型)の設定直後を避けた、2017年8月1日からの、30(債券重点型)との比較です。

30(債券重点型)とDCニッセイワールドセレクト(安定型)のリターン比較グラフ

赤のラインがDCニッセイワールドセレクト(安定型)です。株式比率10%です。せめてその程度の比率で株式にも投資した方がいいでしょう。その分、変動率が高くなりますが、慣れた方がいいと思うのです。

DCニッセイワールドセレクトとのリターン比較

三井住友DC年金バランスによく似た組成の、DCニッセイワールドセレクトとリターン比較しました。DCニッセイワールドセレクトが運用をファミリーファンド方式に変更した直後を避けた、2014年4月1日から2020年7月22日までです。株式比率が70、50、30%のもの同士の比較になります。

青のラインは三井住友DC年金バランスーDCニッセイワールドセレクトです。グラフのスケールは同じです。

三井住友DC年金バランス70とDCニッセイワールドセレクト(株式重視型)の比較

どちらも株式比率70%です。

三井住友DC年金バランス70とDCニッセイワールドセレクト(株式重視型)の比較グラフ

ほとんど変わりません。

三井住友DC年金バランス50とDCニッセイワールドセレクト(標準型)の比較

どちらも株式比率50%です。

三井住友DC年金バランス50とDCニッセイワールドセレクト(標準型)の比較グラフ

ほとんど変わりません。

三井住友DC年金バランス30とDCニッセイワールドセレクト(債券重点型)の比較

どちらも株式比率70%です。

三井住友DC年金バランス30とDCニッセイワールドセレクト(債券重点型)の比較グラフ

ほとんど変わりません。どれも組成内容は微妙に違うのですが、明確な差が生まれるほどではありませんでした。

債券型以外は売れています(が頭打ちの傾向)

次は設定来の資金流出入額の累計の推移です。

一番人気は大差で標準型です。債券型は右下にへばりついていて見えません。

次は債券型のみをプロットしたものです。

債券型のみをプロットしたグラフ

この増加ペースでは生き残れないでしょう。これでも売れると思って組成したのですかね。

標準型の伸びはまだいいのですが、株式重点型と債券重点型は増加ペースに衰えが見られます。

純資産総額一覧表

シリーズ全体で623億円あります。三井住友DC年金バランスの純資産総額を、まとめて考えていいのかどうかで評価が分かれますが、あのスリムバランス(8資産均等型)でさえ572億円なので、「三井住友DC年金バランスシリーズ」で632億円は素晴らしいと言えるでしょう。でも、資金流入の様子を見ると少し不安になってしまいます。

結論:将来性に不安を感じます

債券型は選択肢から外しましょう。他の3タイプは、似たような組成のバランスファンドに比べて信託報酬がわずかに高いです。まずは組成内容を重視して気に入ったものを選択するのが良いと思いますが、三井住友DC年金バランスで気になるのは資金流入の様子です。

標準型はいいのですが、株式重点型と債券重点型は頭打ちになりそうです。危ない兆候です。バランスファンドは激戦区で、似たような組成の選択肢はたくさんあるわけですから、信託報酬とか営業力とかにより、数値化できない人気が偏ると、苦しくなるかも知れません。メインの投資先に考えるなら、売れていて、信託報酬引き下げが期待できるものの方が(そうでないものよりは)良いです。

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