日経平均はTOPIXに並ぶ、国内株式の代表的な指数です。つみたてNISA適格商品だけで16本もあります。ところが、TOPIX連動ファンドの受益者層とはずいぶん属性が異なるようです。
ニッセイ日経平均
2016年11月21日に税抜き信託報酬0.180%で設定されました。単独で最安水準でした。その後3回、対抗値下げされています。
次は信託報酬引き下げ履歴です。
確定拠出年金専用商品を除くと、税抜き信託報酬0.140%は次の商品に並ぶ最安水準です。
- iFree日経225
- スリム国内株式(日経平均)
ニッセイ日経平均はつみたてNISA適格です。また、iDeCoナビによると、SBI証券(セレクトプラン)で扱われています。
運用コスト=信託報酬+隠れコスト
運用コスト(トータルコスト)は信託報酬と隠れコストの合計です。次は運用報告書から計算したトータルコストです。スリム国内株式(日経平均)と比較しています。
ニッセイ日経平均の隠れコストは最低水準です。スリム国内株式(日経平均)やや高いです。
リターン比較
ごまかしの効かない基準価額データを比較すると、運用コストを含む実態が分かります。ニッセイ日経平均は優秀です。
スリム国内株式(日経平均)とのリターン比較
次はニッセイ日経平均の税抜き信託報酬が、スリム国内株式(日経平均)と0.140%で並んだ2019年6月27日から2020年8月21日までの比較です。
青のラインはリターン差で、ニッセイ日経平均ースリム国内株式(日経平均)です。期待通りほぼフラットです。
iFree日経225とのリターン比較
次はニッセイ日経平均の税抜き信託報酬が、iFree日経225と0.140%で並んだ2019年6月27日から2020年8月21日までの比較です。
青のラインはニッセイ日経平均とーiFree日経225です。株価暴落時に段差ができていますが、これはiFree日経225に起因する現象です。
eMAXIS日経225とのリターン比較
次はニッセイ日経平均の設定日直後を避けた、2016年12月12日から2020年8月21日までの、eMAXIS先進国株式との比較です。
eMAXIS先進国株式の税抜き信託報酬は0.40%と十分な差があるため、青のラインは右肩上がりで推移しています。その形状から、ニッセイ日経平均の運用は安定していると判断します。なお、株価暴落時に凹んでいるのは正常です。
安くても売れていません
次は設定来の資金流出入額の累計の推移です。純資産総額は113億円です。
ニッセイ日経平均連動ファンドは短期売買の対象にされやすいようで、資金流出が当たり前のように見られます。その特性を踏まえれば、順調に純資産総額を増やしていると言っていいでしょう。
次は税抜き信託報酬が最安で並んでいる、iFree日経225とスリム国内株式(日経平均)もプロットしたものです。
青のラインがiFree日経225、緑のラインがスリム国内株式(日経平均)です。どちらにも資金流出を示す減少が見られます。
人気で言えばiFree日経225がニッセイ日経平均を追い上げていて、現在互角です。意外なことにスリム国内株式(日経平均)は不人気です。
そして不思議なことに、税抜き信託報酬が0.170%のたわら日経225の方が人気が高いです。
紫のラインがたわら日経225です。純資産総額は246億円とニッセイ日経平均の倍以上あります。日経平均連動ファンドの受益者は、信託報酬を気にしない傾向があるのでしょうか。
ニッセイTOPIXとの違い
次はニッセイTOPIXとニッセイ日経平均の、設定来の資金流出入額の累計の推移です。
緑のラインがニッセイTOPIXです。ニッセイ日経平均はニッセイTOPIXより不人気だし、頻繁に売却されるためラインの形状が汚いです。きっと受益者層が違うのでしょうね。
評価:良い選択肢です
純資産総額だけを見ると物足りませんが、ニッセイ日経平均は信託報酬引き下げに積極的でしたし、運用も安定しているので良い選択肢になるはずです。