バランスファンドの投資対象資産、投資比率は運用会社が自由に決めることができます。n資産均等型バランスファンドもそのパターンのひとつで、4資産均等型、6資産均等型、8資産均等型が良く知られています。
次はつみたてNISA適格の、n資産均等型バランスファンドの商品数をまとめたものです。
意外なことに、三菱UFJ国際投信は6資産均等型を組成していません。当然、スリムシリーズに6資産均等型はありません。他の運用会社にとってはチャンスです。
更新情報
第三期運用報告書の内容を反映させています。
ニッセイバランス(6資産均等型)
2017年10月13日に税抜き信託報酬0.219%で設定されました。6資産均等型の最安水準でした。その後1回引き下げられています。
0.159%は、僕が把握している6資産均等型バランスファンドで最安です。
ニッセイバランス(6資産均等型)はつみたてNISA適格です。
組成内容
8資産均等型から新興国株式と新興国債券を無くしたようなものです。
引用:目論見書
6資産均等型と言えばこの組成が一般的ですが、違うパターンも存在します。8資産均等型もいいけど新興国への投資は気が進まないって方には都合の良い組成です。
運用コスト
次は運用報告書から計算した運用コスト(トータルコスト)です。スリムバランス(8資産均等型)と比較しています。
ニッセイバランス(6資産均等型)の隠れコストは、スリムバランス(8資産均等型)のものより安いですが、それは高コストになりがちな新興国に投資しないためです。トータルコストはほぼ同じですが、6資産均等型に投資するなら、ニッセイバランス(6資産均等型)は良い選択肢になるはずです。
リターン比較
まず4、6、8資産均等型バランスファンドのリターンを比較します。比較期間はニッセイバランス(6資産均等型)の設定直後を避けた2017年11月1日から、2021年1月22日までです。
青のラインはリターン差で、ニッセイバランス(6資産均等型)ー比較対象です。
スリムバランス(8資産均等型)とのリターン比較
次はニッセイバランス(6資産均等型)とスリムバランス(8資産均等型)のリターン比較です。
この比較期間だと前半はニッセイバランス(6資産均等型)の方が有利に、後半は互角またはスリムバランス(8資産均等型)の方が有利に見えます。新興国の状況が影響しているのだと思います。
ニッセイバランス(4資産均等型)とのリターン比較
次はニッセイバランス(6資産均等型)とニッセイバランス(4資産均等型)のリターン比較です。グラフのスケールは同じです。
この比較期間だと、2019年9月までは明らかにニッセイバランス(6資産均等型)の方が有利でしたが、コロナショックによる暴落後は互角です。これは次の要因によると考えられます。
- 6資産均等型の方が、リターンの小さい債券比率が低い。(50%対33%)
- コロナショック前はリートが絶好調、コロナショック後は絶不調。
合成結果とリターン比較
もっと比較期間を長くしたいのですが、良い比較対象が存在しません。そこでeMAXISシリーズの6資産クラスの商品を使って、6資産均等型を合成します。リバランス頻度は毎月です。
青のラインは合成結果ー比較対象です。そんな怪しい話はいいやって方は、ここまで飛ばしてください。
合成結果とニッセイバランス(6資産均等型)のリターン比較
次は合成結果とニッセイバランス(6資産均等型)のリターン比較です。
青のラインはニッセイバランス(6資産均等型)ー合成結果です。右肩上がりになるのは、合成元の基準価額データが高コストなeMAXISシリーズのものだからです。なお、コロナショックによる暴落時に凹んでいるのは正常です。
合成結果とeMAXISバランス(4資産均等型)のリターン比較
次は合成結果とeMAXISバランス(4資産均等型)のリターン比較です。eMAXISバランス(4資産均等型)の設定直後を避けた2015年9月15日から2021年1月22日までです。
この比較期間だと、コロナショック前は6資産均等型の方が有利でした。コロナショック後は互角です。どちらが有利かは時期によりますが、6資産均等型の印象は悪くないです。
合成結果とeMAXISバランス(8資産均等型)のリターン比較
次は合成結果とeMAXISバランス(8資産均等型)のリターン比較です。グラフのスケールは同じです。
この比較期間だと、8資産均等型の方が有利な時期もありましたが、長い目で見ると互角です。
違いは新興国に投資するかしないかなので、過去の実績がどうかというよりも、これから新興国への投資が報われると思うかどうかで選択すればいいでしょう。
絶望的に売れていません
次はニッセイバランス(6資産均等型)の設定来の資金流出入額の累計の推移です。純資産総額は6.76億円です。
資金流入も頭打ち傾向です。3年3ヶ月で7億円も集まらないのは、人気の獲得に失敗したからですね。商品は悪くないので、販売力が圧倒的に貧弱なのだと思います。
ニッセイバランス(4資産均等型)とニッセイバランス(8資産均等型)もプロットしました。
緑のラインはニッセイバランス(4資産均等型)です。純資産総額は90億円で、ニッセイバランス(6資産均等型)の13倍ありますが、それでもバランスファンドという激戦区では苦しいです。
現在の人気を考えると、ニッセイバランス(6資産均等型)、ニッセイバランス(8資産均等型)は生き残れる気がしません。
評価:不人気なのでおすすめしません
つみたてNISAの非課税枠は満額埋めていて、それでもなお余裕資金がある場合に6資産均等型バランスファンドを検討するとしても、ニッセイバランス(6資産均等型)は不人気なのでおすすめしません。積立でしか買えませんが、野村6資産均等バランスの方がいいです。