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ニッセイバランス(8資産均等型)の運用コストと評価

ニッセイバランス(8資産均等型)は十分低コストなのに不自然なほど不人気です。その理由がつみたてNISA適格でないからかどうかは分かりません。ええ、つみたてNISA適格ではありません。おかしいですよね。

でもそれが、ニッセイアセットマネジメントの選択だったのです。つみたてNISA適格になれないことを承知の上で、認められていない指数を採用したのです。

ニッセイバランス(8資産均等型)

2018年2月13日に、スリムバランス(8資産均等型)より0.001%ポイント安い税抜き信託報酬0.209%で設定されました。僕が知っている範囲では、7本目の8資産均等型バランスファンドです。ニッセイバランス(8資産均等型)より遅く設定された8資産均等型バランスファンドはないと思います。

その後1回だけ信託報酬を引き下げています。設定時も引き下げ時も、明らかにスリムバランスを意識した水準にしましたが、その程度の差なら当然スリムバランスは対抗するので大して意味はありません。

ニッセイバランス(8資産均等型)の信託報酬引き下げ履歴表

その後スリムバランスは0.140%になりましたが、ニッセイバランス(8資産均等型)は0.159%のままです。でも残念がるのはそこではありません。なんと、ニッセイバランス(8資産均等型)はつみたてNISA適格ではありません。

組成内容

ニッセイバランス(8資産均等型)も、8資産均等型バランスファンドでお約束の8資産クラスに均等に投資します。スリムバランス(8資産均等型)基準で見ると、新興国債券の指数が違います。

たわらバランス(8資産均等型)の新興国債券の指数はつみたてNISAの指定インデックス投資信託で認められていますが、ニッセイバランス(8資産均等型)の指数はそうではありません。

たわらバランス(8資産均等型)とニッセイバランス(8資産均等型)の指数の比較表

問題は(除くB格以下)の有無です。新興国債券の指数として認められているのは次の2つだけです。

  • JPモルガンGB-EMグローバル・ダイバーシファイド
  • JPモルガン・エマージング・マーケット・ボンド・インデックス・プラス

8資産均等型バランスファンドは全部で7本組成されていますが、うち5本は前者を、たわらバランス(8資産均等型)だけが後者を採用しています。ニッセイバランス(8資産均等型)はどちらでもない、(除くB格以下)が付いた指数を採用したので、つみたてNISA適格になれません。

除くB格以下ってどういうこと?

信用格付け会社が債券の信用力や元利金の支払い能力の確実性などを分析して、その度合いをわかりやすい記号でランク付けしています。信用力が落ちると利回りが高くなりますが、債務不履行になるリスクが高くなります。

債券の格付け表

引用:債券の格付け

BB格以下は投資不適格とされ、ハイイールド債とも呼ばれます。よって、ニッセイバランス(8資産均等型)がB格以下を除いた指数を採用したのは悪いことではないと思われます。

不可解なニッセイアセットマネジメントの選択

僕はニッセイアセットマネジメントが8資産均等型バランスファンドを組成する際に、運用している新興国債券のマザーファンドの指数がたまたまJPモルガン・エマージング・マーケット・ボンド・インデックス・プラス(除くB格以下)だったために、つみたてNISA適格申請できなったのだろうと思いました。でもそうではありませんでした。

ニッセイバランス(8資産均等型)の運用報告書によると、新興国債券のマザーファンドが設定されたのは2018年1月30日です。つみたてNISA制度は始まっていましたので、当然、適格要件を分かった上でわざわざ(除くB格以下)を採用したことになります。

でもそうすると、そのマザーファンドを利用して組成したバランスファンドはみな自動的に、つみたてNISA適格になれません。それって激しく不利ですよね。

ニッセイアセットマネジメントは次のバランスファンドの適格認定受けています。

  • ニッセイ・インデックスバランスファンド(4資産均等型)
  • ニッセイ・インデックスバランスファンド(6資産均等型)
  • DCニッセイワールドセレクトファンド(安定型)
  • DCニッセイワールドセレクトファンド(株式重視型)
  • DCニッセイワールドセレクトファンド(債券重視型)
  • DCニッセイワールドセレクトファンド(標準型)
  • ニッセイ・インデックスパッケージ(国内・株式/リート/債券)
  • ニッセイ・インデックスパッケージ(内外・株式/リート/債券)

これらはみな、新興国債券を含みません。新興国債券を含むバランスファンドを、運用中のマザーファンドで組成したら、つみたてNISA適格申請できないというハンディを負うような選択を、どうしてニッセイアセットマネジメントはしたのでしょうか。

なお、指定インデックス投資信託以外でなら指数は無関係なので適格申請可能ですが、それには最低5年間の運用が必要です。

指数は増やしてもいいのでは

僕は、(B格以下)がない指数が認められているのなら、より安全な方向なのだから(B格以下)付きも認められていいと思います。が、つみたてNISA適格要件は厳しく運用されるべきだとも思います。特におかしなものを組成させないためには、指数を制限するのが最も明確かつ効果的です。ええ、運用会社にはおかしなもの(受益者の利益より運用会社の利益を優先したような商品など)を組成してきた黒歴史があり、つみたてNISA制度はそれをさせないための仕組みと言えます。

でも、時代が変われば人気の指数も変わります。NASDAQ100指数は不向きかも知れませんが、2017年中に確定した現在認められている指数だけに限るのではなく、追加する柔軟性があってもいいと思うのです。でも追加には慎重な判断が求められるのは間違いないですね。

運用コスト

次は運用報告書から計算した運用コスト(トータルコスト)です。スリムバランス(8資産均等型)と比較しています。

運用報告書から計算したトータルコスト表

ニッセイバランス(8資産均等型)は隠れコストがわずかに高いです。次は隠れコストの明細です。

隠れコストの明細表

保管費用が高いです。

第1期決算期間の隠れコストはもっと高かったです。

隠れコストの2期比較表

第1期は高いですね。次は隠れコストの明細です。

隠れコストの明細表、2期比較

保管費用とその他が高いです。第1期決算期間では「あるある」ですが、これはニッセイ新興国株式の実績からも容易に想像できます。

リターン比較

組成内容が異なるバランスファンドの比較は難しいです。あくまで過去の実績に過ぎないことに注意してください。

たわらバランス(8資産均等型)とのリターン比較

たわらバランス(8資産均等型)との組成上の違いは新興国債券の指数の(B格以下)の有無だけです。

次はニッセイバランス(8資産均等型)の設定日直後を避けた、2018年3月1日から2020年7月10日までの、たわらバランス(8資産均等型)とのリターン比較です。

ニッセイバランス(8資産均等型)とたわらバランス(8資産均等型)とのリターン比較グラフ

青のラインはリターン差で、ニッセイバランス(8資産均等型)ーたわらバランス(8資産均等型)です。ニッセイバランス(8資産均等型)の方が有利に見えますが、もっと長期で見れば変わらないのか、この傾向が続くのはかは分かりません。

スリムバランス(8資産均等型)との比較

次は同じ比較期間における、スリムバランス(8資産均等型)とのリターン比較です。

ニッセイバランス(8資産均等型)とスリムバランス(8資産均等型)のリターン比較グラフ

青のラインはニッセイバランス(8資産均等型)ースリムバランス(8資産均等型)です。ニッセイバランス(8資産均等型)の方が断然有利に見えますね。

違いは新興国債券だけなので、次の指数に連動する商品のリターン比較をしたかったのですが、後者が見つかりませんでした。

  • JPモルガンGB-EMグローバル・ダイバーシファイド
  • JPモルガン・エマージング・マーケット・ボンド・インデックス・プラス(除くB格以下)

ニッセイアセットマネジメントはその指数に連動するマザーファンドを利用する2商品を運用しています。

  • ニッセイバランス(8資産均等型)
  • ニッセイ新興国債券インデックスファンド(適格機関投資家限定)

後者の基準価額データは僕には入手できません。なしなしシリーズに「ニッセイ新興国債券」を追加して欲しいです。

絶望的に売れていません

次はニッセイバランス(8資産均等型)の設定来の資金流出入額の累計の推移です。純資産総額は2.79億円しかありません。

資金流入頭打ちになりそうです。人気の高い8資産均等型バランスファンドなのに、2年5ヶ月でそれだけしか集められないというのはかなり厳しいです。

スリムバランス(8資産均等型)、たわらバランス(8資産均等型)、つみたて8資産均等バランスもプロットするともう勝負がついていることを認めるしかないです。

スリムバランス(8資産均等型)、たわらバランス(8資産均等型)、つみたて8資産均等バランスもプロットしたグラフ

ラインは上からスリムバランス(8資産均等型)、つみたて8資産均等バランス、たわらバランス(8資産均等型)、右下にかすかに見えるのがニッセイバランス(8資産均等型)です。

この不自然なほどの不人気ぶりが、つみたてNISA適格でないためなのかどうかは分かりません。でも競争上不利なことは間違いないでしょうね。

こんなに不人気、しかもつみたてNISA適格でないとなると、繰上償還が現実のリスクになってもおかしくありません。

結論:不人気なのでおすすめしません

つみたてNISAの非課税枠は満額埋めていて、それでもなお余裕資金がある場合に8資産均等型バランスファンドを検討するとしても、ニッセイバランス(8資産均等型)は不人気なのでおすすめしません。採用している指数にこだわりがないなら、スリムバランス(8資産均等型)がいいです。

8資産均等型以外も含めてバランスファンドを幅広く検討したい場合、選択肢はたくさんあります。

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