新興国株式

ニッセイ新興国株式は運用コストが高く不人気です

ニッセイ外国株式は先進国株式インデックスの絶対王者に君臨しています。あのスリム先進国株式も寄せ付けない人気(純資産総額)を誇ります。その印象が強いので、新興国株式インデックスのジャンルでもニッセイ新興国株式は人気が高いだろうと思ってしまいますが、まったく違います。

ニッセイ新興国株式とスリム新興国株式の信託報酬は同率首位で並んでいますが、運用コストと人気に大きな差があります。

ニッセイ新興国株式

スリム新興国株式より2ヶ月半遅い2017年10月13日に設定されました。当時最安水準だった税抜き信託報酬0.340%より0.001%ポイントだけ安い0.339%で設定されました。その後1回引き下げており、現在はスリム新興国株式と同率首位の0.189%です。

ニッセイ新興国株式は設定時も引き下げ時も、スリム新興国株式より0.001%ポイントだけ低い信託報酬に設定したのですが、その程度の差だとスリム新興国株式が対抗値下げするのは小学生でも分かります。話題作りのためとしても、効果は長続きしません。次はニッセイ新興国株式の信託報酬引き下げ履歴に、青字でスリム新興国株式の対抗値下げを加えたものです。

ニッセイ新興国株式の信託報酬引き下げ履歴に、青字でスリム新興国株式の対抗値下げを加えた表

高い運用コスト

運用コストは、信託報酬+隠れコストのトータルコストで見る必要があります。信託報酬が安くても、隠れコストが高くてがっかりすることは普通にあります。ニッセイ新興国株式はその代表格です。

次は運用報告書から計算したトータルコストです。スリム新興国株式と比較しています。

運用報告書から計算したトータルコスト表

ニッセイ新興国株式は隠れコストが高いため、トータルコストはスリム新興国株式に大きく劣っています。その差が0.3%ポイントもあるので、ニッセイ外国株式の強固なファンであっても、ニッセイ新興国株式は敬遠しそうです。

次は隠れコストの明細です。

隠れコストの明細表

ニッセイ新興国株式は保管費用の高さが目立ちます。

これは第二期決算期間のものですが、第一期はもっとひどかったです。昔の話はいいやって方は、ここまで飛ばして下さい。

超高コストだった第一期

次はニッセイ新興国株式の第一期と第二期のトータルコスト比較です。

ニッセイ新興国株式の第一期と第二期のトータルコスト比較表

第二期も高いのですが、第一期は目を疑うほどの高さでした。ひどいです。

次は隠れコストの明細比較です。第一期で高かったものを赤字にしています。

隠れコストの明細比較表

売買委託手数料も高いですが、支配的なのは保管費用です。

第一期のリターン比較

次はニッセイ新興国株式の第一期決算期間における、スリム新興国株式とのリターン比較です。

ニッセイ新興国株式の第一期決算期間における、スリム新興国株式とのリターン比較グラフ

青のラインはリターン差で、スリム新興国株式ーニッセイ新興国株式です。

新規ファンドはどんなものでも、設定直後は運用が不安定になるものです。が、ニッセイ新興国株式はひどかったです。黄色の丸で囲ったところで青のラインが階段状に跳ね上がっています。これは、ニッセイ新興国株式のリターンが大きく劣化したことを示しています。

運用報告書にある説明は

ニッセイ新興国株式が、受益者から見て、第一期に運用上の問題を起こしたことは確かです。でもそれを運用報告書で説明できるところなんて存在しないのかも知れません。

ニッセイ新興国株式の第一期運用報告書にはこうありました。

当期の税引前分配金再投資基準価額騰落率は-11.2%となり、ベンチマーク騰落率(-9.3%)を下回りました。なお信託報酬、マザーファンドにおける証券保管費用および売買費用等の要因を除くと、おおむねベンチマークに連動した投資成果となりました。

引用:運用報告書

保管費用がとんでもなく高かったことについて、何の説明もありません。これが現実です。

第二期以降のリターン比較

次は第二期以降、株価暴落開始直前の2020年2月20日までの、スリム新興国株式とのリターン比較です。

第二期以降、株価暴落開始直前の2020年2月20日までの、スリム新興国株式とのリターン比較グラフ

青のラインはうねっていますがその傾向は右肩上がりです。運用報告書から計算したトータルコスト差は0.3%ポイント程度ありますので、青のラインの傾きがそれぐらいなら期待通りです。

次はスリム新興国株式の運用コストを年率0.3%ポイント増量したものとの比較です。

スリム新興国株式の運用コストを年率0.3%ポイント増量したものとの比較グラフ

青のラインは右肩上がりでも右肩下がりでもなくなったので、期待通りです。

Fund of the Year非登場

次はニッセイ新興国株式とスリム新興国株式の、Fund of the Yearの順位です。ニッセイ新興国株式は20位以内にランクインできませんでした。

ニッセイ外国株式の圧倒的な人気は、ニッセイ新興国株式の人気に影響しないということですね。

勝負はとっくに付いています

次はニッセイ新興国株式の設定来の資金流出入額の累計の推移です。税抜き信託報酬を0.189%に引き下げてからの期間を黄色に塗ってあります。

ニッセイ新興国株式の設定来の資金流出入額の累計の推移グラフ

黄色の丸で囲ったところで頭打ちになりますが、信託報酬引き下げにより息を吹き返しました。その後、ほぼ一定のペースで増えていますが、純資産総額は17.23億円しかありません。

スリム新興国株式もプロットすると、もうとっくに勝負が付いていることを認めるしかありません。

スリム新興国株式とニッセイ新興国株式の設定来の資金流出入額の累計の推移グラフ

信託報酬が同率首位の2商品でも、これだけの差が開きます。超ローコストインデックスファンドの競争の厳しさを実感します。

結論:おすすめしません

ニッセイアセットマネジメントが好きであっても、スリム新興国株式を選んだ方がいいです。

  • 運用コストが高く、わざわざ選択する経済的合理性はありません。
  • 不人気で売れていません。

スリムシリーズが嫌いなら、話は別です。

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