ニッセイ・インデックスパッケージには異なる組成の4商品がありますが、そのネーミングは意味不明です。この記事で取り上げるのは3本のバランスファンドですが、商品名と愛称はこうです。
商品名からは組成内容がイメージできません。愛称の方がずっといいです。
ニッセイ・インデックスパッケージのバランスファンド3タイプ
2017年11月17日に設定されました。税抜き0.324%と0.282%でしたので、当時としても少し高めでした。やる気を出して0.22%程度にして欲しかったところです。
組成内容は個性的です。おおよそ一般的ではないですね。もともと、多くの受益者から支持されることを目指さず、ニッチな需要に応えることを目標にしたのかも知れません。
設定来、信託報酬は引き下げられていません。そのため、他のバランスファンドと比べるとかなり見劣りします。
ニッセイ・インデックスパッケージは3タイプとも、つみたてNISA適格です。
ニッセイ・インデックス(内外・株式/リート)
5資産均等型です。税抜き信託報酬は0.324%です。
引用:目論見書
8資産均等型から国内債券、先進国債券、新興国債券を外したのと同じです。あるいは、3地域均等型に国内リートと先進国リートを追加したのと同じです。
ニッセイ・インデックス(内外・株式/リート/債券)
7資産バランスファンドです。税抜き信託報酬は0.324%です。
引用:目論見書
債券比率50%、残り50%が5資産均等型という組成です。
ニッセイ・インデックス(国内・株式/リート/債券)
3資産バランスファンドです。国内資産にしか投資しません。税抜き信託報酬は0.282%です。(これだけ安いです。)
引用:目論見書
国内債券が70%というのは超保守的ですね。国内資産のみだし、好みが分かれそうです。
運用コスト
次は運用報告書から計算した運用コスト(トータルコスト)です。スリムバランス(8資産均等型)と比較しています。
5資産均等型は隠れコストが高いです。7資産バランスファンドは、債券比率50%にしては隠れコストが高いです。
次は隠れコストの明細です。高い項目を赤字にしました。
保管費用が高いです。これはニッセイ新興国株式(と同じマザーファンド)の保管費用がバカ高いためで、ニッセイアセットマネジメントの商品の弱点です。
一方、国内3資産バランスファンドの隠れコストで計上されているのは監査費用だけです。売買委託手数料も有価証券取引税もゼロですが、これらは本当にゼロなのではなくて、この桁数だと0.001未満になるということです。(ニッセイTOPIX、ニッセイJリートの運用報告書の数値からそう判断しました。)
リターン比較
組成内容が同じバランスファンドが他にあればいいのですが、ぴったりなのを知りません。そこで適当に見繕いました。過去のリターン実績はあまり気にせず、組成内容が好きかどうかを優先するのがいいでしょう。
比較期間は設定直後を避けた2017年12月1日から、2020年7月31日までです。
5資産均等型とスリムバランス(8資産均等型)のリターン比較
次は5資産均等型とスリムバランス(8資産均等型)の比較です。
青のラインは5資産均等型ー8資産均等型です。この比較期間では大差ありません。もっと長期で見れば、債券に投資しない5資産均等型の方が高パフォーマンスになると思われます。
5資産均等型と3資産均等型のリターン比較
次は5資産均等型とニッセイ・インデックスパッケージ(内外・株式)の比較です。3地域均等型です。
青のラインは5資産均等型ー3地域均等型です。株価暴落前はリートが絶好調だったので、このような結果になりました。長期で見てどっちが有利かは、未来にならないと分からないです。
7資産バランスファンドとスリムバランス(8資産均等型)の比較
次は7資産バランスファンドとスリムバランス(8資産均等型)の比較です。
青のラインは7資産バランスファンドースリムバランス(8資産均等型)です。大差ないですね。
7資産バランスファンドとセゾングローバルバランスの比較
次は7資産バランスファンドとセゾングローバルバランスの比較です。
青のラインは7資産バランスファンドーセゾングローバルバランスです。大差ないですね。
国内3資産バランスファンドとダイワ・ライフ・バランス30の比較
次は国内3資産バランスファンドとダイワ・ライフ・バランス30の比較です。どちらも債券比率70%です。ダイワ・ライフ・バランス30は海外資産にも投資します。
青のラインは国内3資産バランスファンドーダイワ・ライフ・バランス30です。この比較期間だと国内3資産バランスファンドの方が有利でしたね。
絶望的に売れていません
次は設定来の資金流出入額の累計の推移です。
資金流入は続いていますが、金額が少なすぎます。純資産総額はどれも1億円未満です。
商品名が難解、信託報酬が高い、差別化要素特になし、となると人気を獲得するのは難しくなります。バランスファンドは組成すればいいってものじゃありません。
スリムシリーズにバランスファンドが1本しかないのは、良く練られたマーケティング戦略なのかも知れません。
結論:買ってはいけません
次の理由から、買ってはいけません。
- 運用コストが高い。
- 超絶不人気で、つみたてNISA適格であっても繰上償還のリスクが高い。
ニッセイ・インデックスパッケージ(内外・株式)
ニッセイ・インデックスパッケージの残る1商品は3地域均等型です。
これも絶望的に売れていません。