バランスファンド

楽天バランスの運用コストと評価

バランスファンドが投資する各資産への投資割合をどうするかは、組成に関わる重要な要素です。均等型なら議論の余地なく「均等配分」ですが、そうでない場合は固定比率にすることが多いです。例外として、GDP比率をもとに配分するものもあります。

楽天バランスは株式部分が楽天全世界株式であるため、投資割合が時価総額比で可変です。これは実に合理的で、もっと評価されて良いものです。でも現実には、不人気で売れていません。

楽天バランス

2018年7月20日に設定されました。株式と債券の比率が異なる3タイプがあります。税抜き信託報酬は、0.12%+売買するETF/ファンドの経費率で構成されるため、タイプによって変わります。

良くあるバランスファンドと違って、債券比率が高いほど信託報酬が高いです。信託報酬は設定来、引き下げられていません。

楽天バランスは3タイプとも、つみたてNISA適格です。

組成内容

楽天インデックスバランスファンドには均等型、株式重視型、債券重視型の3タイプがありますが、どれも株式部分がVT、債券部分がバンガード・グローバル・ボンド・インデックス・ファンドとなっています。

株式部分がVT、債券部分がバンガード・グローバル・ボンド・インデックス・ファンド

引用:目論見書

株式部分は楽天全世界株式がVTを買っているのと同じです。債券部分はアイルランド籍のインデックスファンドを買います。債券部分は円でヘッジされるのが特長です。

3タイプは良くある配分です。

3タイプの株式と債券の比率のグラフ

株式部分は楽天全世界株式と同じなので、おかしな組成内容のバランスファンドよりよっぽど安心です。ところが債券部分は良く分かりません。目論見書に詳しい説明がないし、月次レポートには上位5地域までの配分しか載っていません。

次は債券部分の投資先上位5地域を示したものです。

債券部分の投資先上位5地域の円グラフ

せめて先進国、日本、新興国の比率を目論見書か月次レポートに記載して欲しいです。

運用コスト

次は運用報告書から計算した運用コスト(トータルコスト)です。

運用報告書から計算したトータルコスト表

楽天バランスは隠れコストが高いです。がっかりです。

次は隠れコストの明細です。高い項目を赤字にしています。

隠れコストの明細表

売買委託手数料が高いです。また、保管費用が少し高いです。さらに不満なのは、「その他」です。これ、印刷費用なんですが、バランスファンドでこんなに計上しているは珍しいです。

この隠れコスト、第1期よりは削減されましたが、第2期でこの高さなのはとても残念です。

3タイプのリターン比較

次は楽天バランスの設定直後を避けた、2018年8月6日から2020年7月31日までの、3タイプの比較です。

3タイプのリターン比較グラフ

この比較期間だと、どれも大して変わらない値動きに見えます。もちろん変動率はそれなりに違いますが、3タイプに大きな差が生まれているわけではありません。が、比較期間が長くなると株価下落・暴落を加味しても逆転されないだけの大きな差が生まれると予想されます。必ずそうなるわけではないのですが、期待値はそうです。

スリムバランス(8資産均等型)とのリターン比較

組成内容が全く違うので、過去の実績はこうだった、ぐらいに捉えてください。比較期間は2018年8月6日から2020年7月31日までです。青のラインはリターン差で、楽天バランスースリムバランス(8資産均等型)です。

株式重視型とスリムバランス(8資産均等型)の比較

大差ありません。

株式重視型とスリムバランス(8資産均等型)の比較グラフ

均等型とスリムバランス(8資産均等型)の比較

スリムバランス(8資産均等型)の方が変動率が高いようです。8資産均等型の債券比率が37.5%であることを考えると、まあそうかなと思います。

均等型とスリムバランス(8資産均等型)の比較グラフ

債券重視型とスリムバランス(8資産均等型)の比較

債券重視型は変動率がかなり抑えられています。

債券重視型とスリムバランス(8資産均等型)の比較グラフ

均等型とセゾングローバルバランスとのリターン比較

おそらく楽天投信投資顧問は楽天バランスを組成するにあたり、セゾングローバルバランスを意識したことでしょう。株式と債券の比率が50:50の伝統的な組成ですが、圧倒的な人気を誇ります。

均等型とセゾングローバルバランスとのリターン比較グラフ

大差ありません。いい勝負です。

不人気です

次は設定来の資金流出入額の累計の推移です。一番人気は株式重視型です。

設定来の資金流出入額の累計の推移グラフ

資金流入は続いていますが、流入金額が少なすぎます。純資産総額は全部で69億円しかありません。

楽天バランスの純資産総額一覧表

これだと、激戦区のバランスファンドのジャンルでは生き残れないでしょう。

評価:セゾングローバルバランスの代わりになれるはずなのに

楽天バランスは、意味不明な組成内容が多く見られるバランスファンドにおいて、好感が持てるものです。株式部分はVTだし、債券部分を為替ヘッジ付きにしたのはいい判断だと思います。

特に均等型は、セゾングローバルバランスの代わりになれるはずだったと思いますし、今でもその素質はあると思います。ただ、現状では不人気ゆえに積極的におすすめできません。株式重視型の組成が好きなら、選択していいと思いますが、均等型と債券重視型は資金流入額が少なすぎるため、先行きが怖いです。つみたてNISA適格であっても、繰上償還されない保証などありませんからね。

楽天バランスはもっと売れていい商品のはずです。楽天投信投資顧問が本気で売る気になれば、現在の不人気な状況を改善可能だと考えます。もっと魅力的でない組成のバランスファンドなのに、楽天バランスより売れているものを見ると、そう思ってしまいます。

でも本気出して売るのなら、隠れコストの削減にも本気を出して欲しいです。

おすすめの関連記事

-バランスファンド

© 2020 個人事業主が節税してインデックス投資 Powered by STINGER