国内株式

Smart-i TOPIXの運用コストと評価

TOPIX連動ファンドが、その指数に忠実な運用ができるのは最低条件です。その上で、運用コストが低廉であることが求められます。そして、必ずしも信託報酬で決まりませんが、多額の純資産総額を集められる高い人気が競争の鍵を握ります。人気商品は良く売れることでさらに人気を獲得する傾向にありますが、これは当然の結果です。

Smart-i TOPIXは、TOPIXインデックスの信託報酬引き下げに貢献しましたが、自身は人気を獲得することができませんでした。商品単体で信託報酬を下げても、それだけで売れるほど簡単な市場ではないということです。

Smart-i TOPIX

スリム国内株式(TOPIX)の登場から半年後の2017年8月29日に、税抜き信託報酬0.170%で設定されました。当時の最安水準でした。その後2回引き下げられており、0.140%はTOPIXインデックスの最安水準です。

次は信託報酬引き下げ履歴です。

信託報酬引き下げ履歴表

スリム国内株式(TOPIX)やニッセイTOPIXは2019年6月には税抜き信託報酬が0.140%に引き下げられましたが、Smart-i TOPIXは8ヶ月程度遅れての対応でした。

Smart-i TOPIXはつみたてNISA適格です。また、iDeCoナビによると、次のiDeCo口座で扱われています。運用会社がりそなアセットマネジメントなので、納得です。

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運用コスト

次は運用報告書から計算した運用コスト(トータルコスト)です。スリム国内株式(TOPIX)と比較しています。

運用報告書から計算したトータルコスト表

隠れコストはスリム国内株式(TOPIX)の倍ですが、そもそもTOPIXインデックスの隠れコストは小さいので気にする必要はありません。

次は隠れコストの明細です。

隠れコストの明細表

Smart-i TOPIXは監査費用が少し高いですね。でも気にすることはないでしょうで締めたかったのですが、話はそれで終わりませんでした。

隠れコストが高かった第1期決算期間

リターン比較をした結果、Smart-i TOPIXの初期の頃のパフォーマンスが悪かったことが分かりました。それで隠れコストを第1期から計算したところ、徐々に削減されてきていました。

次は第1期から3期までのトータルコスト比較です。

第1期から3期までのトータルコスト比較表

第1期の隠れコストは明らかに、第2期もそれなりに高かったです。次はその明細比較です。高い項目を赤字にしました。

第1期から3期までの隠れコスト比較表

高いのは売買委託手数料でしたね。

スリム国内株式(TOPIX)とのリターン比較

Smart-i TOPIXとスリム国内株式(TOPIX)の税抜き信託報酬が0.140%で並んだ、2020年2月28日から、2020年8月21日までで比較します。

Smart-i TOPIXとスリム国内株式(TOPIX)のリターン比較グラフ

青のラインはリターン差で、スリム国内株式(TOPIX)ーSmart-i TOPIXです。株価暴落時に段差ができていますが、これは問題視しません。その後も青のラインはわずかに右肩上がり(スリム国内株式(TOPIX)の方が低コスト)のような気がしますが、比較期間が短いのではっきりしません。

つみたて日本株式(TOPIX)とのリターン比較

つみたて日本株式(TOPIX)はつみたてんとうシリーズのTOPIX連動ファンドです。税抜き信託報酬は設定来、0.180%のままです。Smart-i TOPIXは0.170%で設定されましたから、信託報酬はつみたて日本株式(TOPIX)の方が常時高かったわけです。ところがリターン比較結果は、隠れコストが無視できない存在であることを改めて教えてくれます。

次はSmart-i TOPIXの設定直後を避けた、2017年9月15日から2020年8月21日までの、つみたて日本株式(TOPIX)との比較です。

つみたて日本株式(TOPIX)とSmart-i TOPIXのリターン比較グラフ

青のラインはつみたて日本株式(TOPIX)ーSmart-i TOPIXです。つみたて日本株式(TOPIX)の方が低コストであることが分かります。次はつみたて日本株式(TOPIX)の第1期と2期のトータルコスト比較です。(第3期運用報告書はもうじき公開されます。)

つみたて日本株式(TOPIX)の第1期と2期のトータルコスト比較表

隠れコストは第1期から低水準です。次はSmart-i TOPIXのもの(再掲)です。

第1期から3期までのトータルコスト比較表

運用報告書の数値を信じるなら、第2期でようやくトータルコストが同等になりました。でも、ごまかしの効かない基準価額データ比較結果は、第3期以降もいい勝負ではないかと思わせます。

売れていません

次は設定来の資金流出入額の累計の推移です。純資産総額は10.96億円です。

設定来の資金流出入額の累計の推移グラフ

頭打ちにならずに資金流入が続いていますが、資金流入額が小さいです。信託報酬が同率のニッセイTOPIXとスリム国内株式(TOPIX)もプロットすると、Smart-i TOPIXの不人気さが良く分かります。

ニッセイTOPIXとスリム国内株式(TOPIX)もプロットしたグラフ

Smart-i TOPIXは右下にへばりついています。差別化できる要素がコストと人気しかないので、こうなると勝負になりません。

評価:選択する経済的合理性はありません

人気は水モノで、計画通りに制御できません。チャンスを活かせれば後発商品であっても圧倒的な人気を獲得できることもあれば、無残な不発で終わることもあります。現在の超ローコスト投信は、人気商品と不人気商品の差が激しい印象です。

Smart-i TOPIXは信託報酬の引き下げに貢献しましたが、人気の獲得には失敗しました。iFree TOPIXですらそうだったので、よりマイナーな印象のSmart-iシリーズではそもそも無理な戦いだったのかも知れません。

厳しいですが、Smart-i TOPIXを選択する経済的合理性はありません。

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