バランスファンド

SMT8資産インデックスバランスの運用コストと評価

8資産均等型バランスファンドは人気の組成です。8資産均等型という組成に権利はなく、マザーファンドさえあれば容易に組成できます。だからと言って受益者をナメた設定をしたら、悲惨な結果になるということを実証しているのが、SMT8資産インデックスバランスです。

運用会社は三井住友トラスト・アセットマネジメントです。SMTグローバル株式や世界経済インデックスの成功体験が、判断を狂わせたのかも知れませんね。

SMT8資産インデックスバランス

2017年8月25日に税抜き信託報酬0.50%で設定されました。え、元祖8資産均等型のeMAXISバランス(8資産均等型)と同率です。全くやる気がありません。しかもノーロードではなく、金融機関は税抜き3.0%までの購入時手数料を設定できます。

2017年はわずか108日間に4本の8資産均等型バランスファンドが設定されました。次はその一覧です。

2017年に設定された8資産均等型バランスファンド一覧表

8資産均等型バランスファンドの信託報酬は0.22%が当たり前になった時期に0.50%で設定するとはどういう神経でしょうか。その後信託報酬は引き下げられていません。

また、解約時信託財産留保額0.1%が設定されています。2017年に設定された商品とは思えないです。

SMT8資産インデックスバランスはつみたてNISA適格です。

組成内容

8資産均等型を組成する際に、運用会社は既存のマザーファンドの利用を真っ先に考えるはずです。そしてつみたてNISAの指定インデックス投資信託で認められている指数に連動するものを優先するでしょう。その結果、僕が認識している7商品は連動する指数によって3つのグループに分かれます。(実はニッセイバランスとたわらバランスの新興国債券の指数は同じではないのですが、この表ではひとまとめにしています。)

8資産均等型バランスファンドの組成内容一覧表

三菱UFJ国際投信が運用している3商品はもちろん同じ組成(左端の列)です。SMT8資産インデックスバランスはそれらと同じです。

運用コスト=信託報酬+隠れコスト

次は運用報告書から計算した運用コスト(トータルコスト)です。スリムバランス(8資産均等型)と比較しています。

運用報告書から計算したトータルコスト表

隠れコストは標準的な水準です。信託報酬が高いので、トータルコストは旧世代のeMAXISバランス(8資産均等型)と同じ水準です。

リターン比較

MSCIコクサイに連動する先進国株式インデックス同士のリターン比較の場合、どちらも運用がベンチマークに忠実なら、リターン差はそれら商品のトータルコスト差を示します。このブログでさんざん行っている通りです。ところが、8資産均等型バランスファンドではそう単純な話ではありません。それは次の理由によります。

  • 8資産の投資割合はぴったり12.5%ずつではない。
  • リバランスして8資産の投資割合を12.5%に戻すタイミングが商品によって違う。

強気相場の場合、株式は債券より価格が上昇するため、そのままにしておくと株式資産の比率が債券資産の比率より大きくなってしまいます。それをどういうタイミングでリバランスして基本投資割合である12.5%ずつに戻すかは、商品(運用会社)によって異なります。以前三菱UFJ国際投信に質問した時は、次の回答をもらいました。

  • 資金流入時はリバランス頻度を少なくできるような買い方をしている。
  • 各資産の基本投資割合との差がある閾値を超えたらリバランスしている。
  • その閾値は固定ではないし、公表していない。

そのため、8資産の指数がみな同じ三菱UFJ国際投信の3商品とSMT8資産インデックスバランスのリターン比較であっても、そのリターン差はトータルコスト差をそのまま表しません。

eMAXISバランス(8資産均等型)とのリターン比較

次はSMT8資産インデックスバランスの設定直後を避けた2017年9月22日から株価暴落開始直前の2020年2月20日までの、eMAXISバランス(8資産均等型)とのリターン比較です。

SMT8資産インデックスバランスとeMAXISバランス(8資産均等型)のリターン比較グラフ

青のラインはリターン差で、eMAXISバランス(8資産均等型)ーSMT8資産インデックスバランスです。運用報告書から計算したトータルコストはほぼ同じなので、この比較結果は期待通りです。

スリムバランス(8資産均等型)とのリターン比較

次は同じ比較をスリムバランス(8資産均等型)と行った結果です。

SMT8資産インデックスバランスとスリムバランス(8資産均等型)のリターン比較グラフ

青のラインはスリムバランス(8資産均等型)ーSMT8資産インデックスバランスです。2年5ヶ月で1%ポイント程度の差が生まれています。

絶望的に売れていません

次はSMT8資産インデックスバランスの設定来の資金流出入額の累計の推移です。純資産総額はわずか0.47億円しかありません。絶望的です。

SMT8資産インデックスバランスの設定来の資金流出入額の累計の推移グラフ

資金流入はありますが、ほぼ誰も興味を示していないということです。そりゃ時代に合わない高額な信託報酬で設定したことによる、当然の結果です。

次は2017年に設定された8資産均等型バランスファンドの資金流出入額の累計の推移です。上からスリムバランス(8資産均等型)、つみたて8資産均等バランス、たわらバランス(8資産均等型)、SMT8資産インデックスバランスです。SMT8資産インデックスバランスは見えません。

2017年に設定された8資産均等型バランスファンドの資金流出入額の累計の推移グラフ

売れるわけない

Yahoo!ファイナンスによると、SMT8資産インデックスバランスは次の金融機関で販売されています。

  • SBI証券
  • 楽天証券
  • 松井証券
  • SMBC日興証券
  • カブドットコム証券
  • マネックス証券
  • 三重銀行

ネット証券利用者がSMT8資産インデックスバランスを選択する可能性は低いでしょうから、売るには金融機関の窓口を好む、自分で商品選択できない人をターゲットにするしかないはずです。それと販社があっていません。これでは売れるわけがありません。

結論:買う価値ありません

8資産均等型バランスファンドの税抜き信託報酬は0.22%が当たり前になった2017年に、2011年に設定されたeMAXISバランス(8資産均等型)と同率の0.50%で設定、しかもノーロードでないというやる気のなさは、嫌われて当然です。絶望的に売れていない現状に、僕はむしろ安堵しています。こんな商品、売れない方がいいです。

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