国内株式

たわら日経225の運用コストと評価

日経平均連動ファンドの受益者は、他のアセットクラスと属性が違う気がしています。インデックスファンドを短期売買のおもちゃにしていますし、信託報酬を気にしない傾向が強い印象です。

たわら日経225の信託報酬は最安水準ではないものの、不思議なことに人気の獲得に成功しています。でもその運用は、ちょっと残念なものでした。

たわら日経225

2015年12月7日に税抜き信託報酬0.195%で設定されました。その後1回引き下げられています。競合商品はその後も信託報酬を引き下げ、現在の最安水準は0.140%です。

信託報酬引き下げ履歴表

たわら日経225はつみたてNISA適格です。また、iDeCoナビによると、次の金融機関のiDeCo口座で扱われています。

  • ソニー銀行
  • 楽天証券
  • 広島銀行

運用コスト

次は運用報告書から計算した運用コスト(トータルコスト)です。スリム国内株式(日経平均)と比較しています。

運用報告書から計算したトータルコスト表

隠れコストは標準的な水準です。

リターン比較

ごまかしの効かない基準価額データを比較すると、運用コストを含む実態が分かります。たわら日経225の運用は、(気にするほどではないかも知れませんが)ちょっと残念なものでした。

スリム国内株式(日経平均)とのリターン比較

次はスリム国内株式(日経平均)の税抜き信託報酬が0.140%になった、2019年5月14日から2020年8月28日までの比較です。

たわら日経225とスリム国内株式(日経平均)のリターン比較グラフ

青のラインはリターン差で、スリム国内株式(日経平均)ーたわら日経225です。株価暴落時に段差ができていますが、それは無視しましょう。

次は同じ期間における、スリム国内株式(日経平均)と、マザーファンドが同じつみたて日本株式(日経平均)の比較です。トータルコスト差は年率0.04%ポイント程度です。

スリム国内株式(日経平均)とつみたて日本株式(日経平均)の比較グラフ

この比較結果から、たわら日経225の基準価額の推移は期待通りと言えますが、青のラインが少し汚いのが気になります。

eMAXIS日経225とのリターン比較

次はたわら日経225の設定日直後を避けた、2016年1月4日から2020年8月28日までの、eMAXIS先進国株式との比較です。

たわら日経225とeMAXIS日経225のリターン比較グラフ

青のラインは右肩上がりで推移しているのは期待通りですが、細かい暴れが目立ちます。iFree日経225とeMAXIS先進国株式の比較です。

iFree日経225とeMAXIS日経225のリターン比較グラフ

明らかに違います。

基準価額の変動

次は2019年5月14日から、株価暴落開始前の2020年2月20日までの、スリム国内株式(日経平均)とたわら日経225の比較です。グラフのスケールを拡大しています。

スリム国内株式(日経平均)とたわら日経225のリターン比較グラフ、その2

毎営業日、0.05%ポイント程度の幅で変動しています。次は同じ比較をスリム国内株式(日経平均)とニッセイ日経平均で行ったものです。

同じ比較をスリム国内株式(日経平均)とニッセイ日経平均で行ったグラフ

毎営業日の変動幅はずっと小さいです。でもこのスケールだと青のラインはうねっているのが分かります。

たわら日経225は先物比率が高い

たわら日経225の基準価額が、他の商品より変動するのは、先物比率が高いからです。次は運用報告書から作成した、たわら日経225設定後の直近4期までの先物比率です。

先物比率比較表

スリム国内株式(日経平均)とiFree日経225は直近3期までしかデータがありません。たわら日経225は明らかに先物比率が高いです。ベンチマークに忠実な運用をするためには、先物比率はゼロにできないと言われていますが、たわら日経225の先物比率は不必要に高いと思います。

先物比率が極端に高い場合、現物株運用と呼べなくなります。たわら日経225は現物株運用と呼んでいいと思いますが、相対的に好ましくないことは確かです。どうして先物比率が高いのかは分かりません。でも4期に渡って高いままなので、アセットマネジメントOneはそのことを問題視していないのでしょう。

売れ行きは

次は設定来の資金流出入額の累計の推移です。純資産総額は243億円です。

設定来の資金流出入額の累計の推移グラフ

2018年から売れ始めました。やはり短期売買のおもちゃにされていて、時々資金流出が起きています。

ニッセイ日経平均とiFree日経225もプロットすると、たわら日経225が人気の獲得に(相対的に)成功していることが分かります。

ニッセイ日経平均とiFree日経225もプロットしたグラフ

緑のラインがニッセイ日経平均、青のラインがiFree日経225です。たわら日経225は2017年末に税抜き信託報酬を0.170%に引き下げて以来、信託報酬引き下げ競争から距離を置いています。信託報酬引き下げに積極的な商品より良く売れているというのは、僕の理解を超えています。不思議です。

評価:おすすめしません

日経平均株価指数に連動するインデックスファンドを選ぶなら、運用コストが安く、良く売れていて、運用が安定しているものが良いです。残念ながら、運用コストが最安水準のものは、あまり売れていません。運用コストの高い商品の方が良く売れています。そのため、自信を持っておすすめできる商品がないのが実情です。

たわら日経225は、先物比率が高いことを許すとしても、信託報酬が(最安水準のものより0.03%ポイント)高く、引き下げも期待できません。そのため、僕はおすすめしません。

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