バランスファンド

たわらバランス(積極型、標準型、堅実型)の運用コストと評価

バランスファンドはマザーファンドさえあれば容易に組成できます。各資産クラスの指数がつみたてNISAで認められたもので、投資割合が固定比率であればそれを合成ベンチマークとすることで、つみたてNISAの「指定インデックス投資信託」で適格認定を受けられます。そのため投資割合を変更して、なんとか型と称した複数のタイプをまとめて組成されることが多いです。

たわらバランスには(8資産均等型)に加えて(積極型)、(標準型)、(堅実型)があります。投資対象は8資産均等型の8資産に為替ヘッジありの2資産を加えた10資産です。でも組成内容を良く見ると、意味のあることをしているのか疑問に思ってしまいます。

たわらバランス(積極型、標準型、堅実型)

2017年11月8日に税抜き信託報酬0.22%で設定されました。当時のバランスファンドのほぼ最安水準でしたが、その後信託報酬は引き下げられていません。

たわらバランス(積極型、標準型、堅実型)はつみたてNISA適格です。また、iDeCoナビによると、福岡銀行のiDeCo口座で扱われています。

組成内容

たわらバランスは代表的な8資産と、為替ヘッジありの2資産の合計10資産に投資します。為替ヘッジなしの8資産クラスと連動する指数は、たわらバランス(8資産均等型)と同じです。

次は株式、債券、リートの比率です。リートを株式に近いものとみなすと、標準型は一般的、積極型と堅実型は少し大胆な配分と言えるでしょう。

株式、債券、リートの比率グラフ

為替ヘッジありは先進国株式と先進国債券が対象です。次は10資産の投資割合です。

たわらバランスの組成内容のグラフ

細かい数値はこうなっています。

たわらバランスの組成内容の表

  • 先進国に偏重しています。
  • 先進国株式の為替ヘッジなしとありを混ぜている意図が分かりません。
  • 先進国債券のほとんどは為替ヘッジありです。為替ヘッジなしを申し訳程度に混ぜる意図が分かりません。
  • 新興国株式の割合は、積極型ですら2%しかありません。それで意味あるのでしょうか。

運用コスト

次は運用報告書から計算した運用コスト(トータルコスト)です。スリムバランス(8資産均等型)と比較しています。

運用報告書から計算したトータルコスト表

高コストになりがちな新興国株式の割合が極度に小さいことを考慮すると、たわらバランスの隠れコストは妥当な水準だと思います。

3タイプのリターン比較

次はたわらバランスの設定直後を避けた、2017年11月20日から2020年7月22日までの、3タイプの比較です。

3タイプのリターン比較グラフ

株式、リートの比率が高いと期待リターンは高くなりますが、変動率(リスク)も高くなります。

次は月次で求めたリスクを年率換算したものです。債券比率が高いと、リスクは減ります。

月次で求めたリスクを年率換算したグラフ

どれが自分にあっているかは自分で判断するしかありません。

スリムバランス(8資産均等型)とのリターン比較

超ローコストバランスファンドで人気の高いスリムバランス(8資産均等型)とのリターン比較です。青のラインはたわらバランスースリムバランス(8資産均等型)です。

たわらバランス(積極型)とスリムバランス(8資産均等型)の比較

積極型の方がパフォーマンスが高い傾向が見られます。

たわらバランス(積極型)とスリムバランス(8資産均等型)の比較グラフ

積極型の組成内容を考慮すると、この結果になるのは納得できます。これまでは、先進国株式比率が異様に高い積極型の方が、8資産均等型よりパフォーマンスが良かったわけですが、今後もこれが続く保証はありません。

たわらバランス(標準型)とスリムバランス(8資産均等型)の比較

積極型ほどではないですが、標準型の方がパフォーマンスが高い傾向が見られます。

たわらバランス(標準型)とスリムバランス(8資産均等型)の比較グラフ

たわらバランス(堅実型)とスリムバランス(8資産均等型)の比較

堅実型は値動きが小さいです。長期で見れば、8資産均等型の方が、高めの変動率を加味しても、有利になると思われます。

たわらバランス(堅実型)とスリムバランス(8資産均等型)の比較グラフ

セゾングローバルバランスとのリターン比較

高コストながら圧倒的な人気を誇る、キング・オブ・バランスファンドであるセゾングローバルバランスとのリターン比較です。青のラインはたわらバランスーセゾングローバルバランスです。

たわらバランス(積極型)とセゾングローバルバランスの比較

セゾングローバルバランスは株式比率が50%なので、パフォーマンスは積極型に負けますね。

たわらバランス(積極型)とセゾングローバルバランスの比較グラフ

たわらバランス(標準型)とセゾングローバルバランスの比較

標準型は株式+リートの比率が50%ですが、この比較期間だとたわらバランスの組成の方が有利だったということですね。

たわらバランス(標準型)とセゾングローバルバランスの比較グラフ

たわらバランス(堅実型)とセゾングローバルバランスの比較

堅実型の組成からは、この結果は想像できないですね。でも長期で見れば、パフォーマンスではセゾングローバルバランスにかなわないと思います。

長期で見ると積極型が有利なの?

上記のリターン比較だと、3タイプともパフォーマンスは大して変わらない(変動率は大きく違うけど)、という気がするかも知れません。でも、比較期間が長くなると高い変動率を加味しても、株式比率の高い方がパフォーマンスが高くなる傾向にあります。それをダイワ・ライフ・バランスの評価記事から抜粋します。

ダイワ・ライフ・バランスは4資産に投資するバランスファンドで、投資比率が異なる3タイプが存在します。株式と債券の比率はこうなっています。

ダイワ・ライフ・バランスの株式と債券の比率のグラフ

次は3タイプのリターン比較です。比較期間はほぼ15年です。

ダイワ・ライフ・バランスの3タイプのリターン比較グラフ

前半は、株価下落の影響により債券比率の高い方がパフォーマンスが良いこともあります。でも後半は強気相場でリターン差が広がるため、少々の株価下落では株式比率の高い方の優位性が崩れなくなります。

たわらバランスも、長期投資で考えればダイワ・ライフ・バランスに似た結果になると思われます。(でも必ずそうなるわけでもありません。)

売れてません

次は設定来の資金流出入額の累計の推移です。

設定来の資金流出入額の累計の推移グラフ

一番人気は標準型です。堅実型は不人気です。

次は純資産総額一覧です。

純資産総額一覧表

シリーズ全体で80億円しかありません。10億円、いや、1億円すら集められないファンドがたくさんある中、これだけの資金を獲得できていても「売れてない」と言うのでしょうか。ええ、そうです。

たわらバランス(8資産均等型)もプロットしました。紫のラインです。

たわらバランス(8資産均等型)もプロットしたグラフ

たわらバランス(8資産均等型)の純資産総額は99億円です。良く分からない組成のたわらバランスより、(分からなくても)名の知れた8資産均等型の方が人気を獲得しやすいのかも知れません。

スリムバランス(8資産均等型)もプロットすると、たわらバランスが生き残れる気などしないと思います。

スリムバランス(8資産均等型)もプロットしたグラフ

黄色のラインがスリムバランス(8資産均等型)です。純資産総額は571億円です。

結論:おすすめしません

おすすめしない理由です。

  • 8資産への投資割合のバランスが悪い。(その組成が好きなら問題ありません。)
  • 売れてない。(不人気である。)

8資産に投資するバランスファンドを嗜好するなら、スリムバランス(8資産均等型)が安心です。8資産均等型以外の組成が良いなら、多くの選択肢の中から好みに合っていて、十分に低コストで、良く売れているものを選ぶのがいいです。

おすすめの関連記事

-バランスファンド

© 2020 個人事業主が節税してインデックス投資 Powered by STINGER