バランスファンド

たわらバランス(8資産均等型)の運用コストと評価

バランスファンドはマザーファンドさえあれば容易に組成できますし、人気の組成を丸パクリしても許されるようです。8資産均等型を人気の組成にしたのはeMAXISバランス(8資産均等型)ですが、たわらバランス(8資産均等型)がその人気に続きたかったのは間違いないでしょう。

でも、同じ組成なら必ず売れるというわけではありません。むしろ、インデックスファンドで人気を獲得するのは簡単なことではありません。

たわらバランス(8資産均等型)

スリムバランス(8資産均等型)から約3ヶ月遅れて、同率の税抜き信託報酬0.22%で設定されました。僕が知っている範囲では、4本目の8資産均等型バランスファンドです。

その後スリムバランス(8資産均等型)が5回の引き下げを行ってから、同率に引き下げました。

信託報酬引き下げ履歴表

設定から2年以上経ってからスリムバランス(8資産均等型)と同率に引き下げたのですが、その間に受益者は「たわらバランス(8資産均等型)は信託報酬引き下げないのね」と認識したことでしょう。

たわらバランス(8資産均等型)はつみたてNISA適格です。また、iDeCoナビによると、イオン銀行のiDeCo口座で扱われています。

組成内容

たわらバランス(8資産均等型)も、元祖8資産均等型であるeMAXISバランス(8資産均等型)と同じ8資産クラスに投資します。

投資対象資産と配分の円グラフ

引用:目論見書

そしてつみたてNISAの指定インデックス投資信託で適格認定を受けるためには、認められている指数を採用する必要があります。その結果、みな似たような組成になりますが、実は微妙に異なっています。次は主なローコスト8資産均等型バランスファンドの、8資産の指数を比較したものです。

8資産均等型の指数の比較表

3グループに分かれており、新興国株式と新興国債券に違いが見られます。なお表の新興国債券の指数はニッセイバランスのもので、たわらバランス(8資産均等型)の指数には「除くB格以下」がありません。

新興国債券の違い

新興国債券の指数としては、スリムシリーズと同じ「JPモルガンGB-EMグローバル・ダイバーシファイド」の方が馴染みがあるでしょう。では、たわらバランス(8資産均等型)の「JPモルガン・エマージング・マーケッツ・ボンド・インデックス・プラス」とどう違うのでしょうか。

馴染みがある方は現地通貨建て、馴染みがない方はドル建てです。ドル建ての方が為替ヘッジに都合が良いので、新興国債券の為替ヘッジありでは馴染みのない方の指数が好まれるようです。たとえば、eMAXISシリーズの新興国債券の指数は馴染みのある方ですが、それの為替ヘッジありの指数は馴染みのない方です。

次はeMAXIS.シリーズの月次報告書から作成した、上位投資国とその比率の表です。左側が馴染みのある方、右側が馴染みのない方です。

結構違いますね。

では現実のリターンはどうでしょうか。アセットマネジメントOneは、たわらバランス(8資産均等型)の新興国債券と同じ指数に連動するDIAM新興国債券インデックスを運用しています。為替ヘッジなしです。これと、eMAXIS新興国債券を比較します。

eMAXIS新興国債券とDIAM新興国債券インデックスのリターン比較グラフ

赤のラインがeMAXIS新興国債券、緑のラインがDIAM新興国債券インデックスです。青のラインはeMAXIS新興国債券ーDIAM新興国債券インデックスです。結構違いますね。でもこの比較期間だとどちらが有利かは時期によります。

運用コスト=信託報酬+隠れコスト

運用コスト(トータルコスト)は信託報酬と隠れコストの合計です。次は運用報告書から計算したトータルコストです。スリムバランス(8資産均等型)と比較しています。

運用報告書から計算したトータルコスト表

たわらバランス(8資産均等型)は隠れコストが少し高めです。次は隠れコストの明細です。

隠れコストの明細表

たわらバランス(8資産均等型)は全体的にちょっと高めです。

次は過去3期のトータルコスト比較です。

過去3期のトータルコスト比較表

次は隠れコストの明細比較です。

隠れコストの明細比較表

特段これが高かったから、という項目はないですね。

スリムバランス(8資産均等型)とは新興国債券の指数が違いますし、運用報告書から計算したトータルコストはほぼ同じと思っていいでしょう。

リターン比較

ここでは8資産均等型同士の比較をしていますが、連動する指数が違う資産クラスがあるため、公平な比較は困難です。あくまで過去の実績でしかないことに注意してください。

  • たわらバランス(8資産均等型)の設定日直後を避けた、2017年8月15日から2020年7月10日までの比較です。
  • 赤のラインがたわらバランス(8資産均等型)、緑のラインが比較対象です。
  • 青のラインはリターン差で、たわらバランス(8資産均等型)ー比較対象です。

スリムバランス(8資産均等型)とのリターン比較

次はたわらバランス(8資産均等型)とスリムバランス(8資産均等型)のリターン比較です。この2商品で指数が異なっているのは、新興国債券だけです。

たわらバランス(8資産均等型)とスリムバランス(8資産均等型)のリターン比較グラフ

この比較期間ではたわらバランス(8資産均等型)の方が有利に見えますね。でもこの差を生み出しているのは新興国債券なので、長期で見ればパフォーマンスは変わらないと思います。

iFree8資産バランスとのリターン比較

次はたわらバランス(8資産均等型)とiFree8資産バランスのリターン比較です。この2商品で指数が異なっているのは、新興国株式と新興国債券です。

たわらバランス(8資産均等型)とiFree8資産バランスのリターン比較グラフ

どちらが有利かは時期によって変わります。2020年2月の株価暴落直前から、たわらバランス(8資産均等型)が有利になっています。

スリムバランスとの違いは本当に新興国債券だけ?

たわらバランス(8資産均等型)とスリムバランス(8資産均等型)の組成上の違いは新興国債券だけです。現実のリターン差には相応に大きなものがありますが、それが新興国債券の値動きの違いによるものなのか、確認しました。

スリムバランスと同じマザーファンドを利用するeMAXISシリーズの7資産と、DIAM新興国債券インデックスから8資産均等型を合成しました。毎月リバランスしています。次はそれと、たわらバランス(8資産均等型)のリターン比較です。右端は2020年2月20日です。

合成した8資産均等型とたわらバランス(8資産均等型)のリターン比較グラフ

青のラインはたわらバランス(8資産均等型)ー合成結果です。見事な右肩上がりの直線です。合成元資産の信託報酬が高いので、この結果は期待通りです。

売れてません

次はたわらバランス(8資産均等型)の設定来の資金流出入額の累計の推移です。純資産総額は95億円です。それだけあるのに「売れてません」と言い切るのですか。

たわらバランス(8資産均等型)の設定来の資金流出入額の累計の推移グラフ

バランスファンドは人気のジャンルで、8資産均等型はeMAXISバランス(8資産均等型)が市場を開拓してくれたおかげで、人気の高い組成です。たわらバランス(8資産均等型)単独で見れば、資金流入は安定していて一定の人気を獲得していることは確かです。が、他の8資産均等型バランスファンドと比べると、(生き残るには)人気が足りないことが分かります。

次はiFree8資産バランス、スリムバランス(8資産均等型)もプロットしたものです。

iFree8資産バランス、スリムバランス(8資産均等型)もプロットしたグラフ

青のラインがスリムバランス(8資産均等型)、緑のラインがiFree8資産バランスです。もっと信託報酬の引き下げに前向きだったら結果は違っていたかも知れません。

つみたて8資産均等バランスにも惨敗

スリムバランス(8資産均等型)の弟に相当するつみたて8資産均等バランスの税抜き信託報酬は0.22%です。たわらバランス(8資産均等型)の方が安いですが、人気は信託報酬だけでは決まらないのが、この業界の難しいところです。

次はたわらバランス(8資産均等型)とつみたて8資産均等バランスの設定来の資金流出入額の累計の推移です。つみたて8資産均等バランスの純資産総額は235億円です。

たわらバランス(8資産均等型)とつみたて8資産均等バランスの資金流出入額の累計の推移グラフ

この様子だと、信託報酬の引き下げに前向きだったとしても、劇的な違いはなかったかも知れません。

結論:不人気なのでおすすめしません

8資産均等型バランスファンドで生き残れるのはせいぜい2本でしょう。生き残れた商品だけが多額の純資産総額を集め、信託報酬引き下げ競争に勝つはずです。たわらバランス(8資産均等型)が生き残れるとは思えません。

たわらバランス(8資産均等型)の組成が好きで、スリムバランス(8資産均等型)では満足できない、という場合を除いて、8資産均等型に投資するならスリムバランス(8資産均等型)一択でいいでしょう。

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