バランスファンド

楽天米国レバレッジバランスのパフォーマンスと評価

レバレッジを利用したバランスファンドである、グローバル3倍3分法ファンドが爆発的に売れ始めてから、類似商品がたくさん組成されました。楽天米国レバレッジバランスもそのひとつですが、投資対象が米国株式と米国債券というシンプルな組成で、僕がいちばん注目していた商品です。

設定来、楽天全米株式と値動きがどう違うのか気にしてきました。2月21日から株価暴落が始まり、急激な下落と過去最大の振れ幅を記録しましたが、楽天米国レバレッジバランスは期待通りのパフォーマンスを発揮しています。

更新情報

読者の方にコメント欄で指摘して頂きました。VTIの比率を下げたけど株式先物を追加したので、株式比率はそれほど下がっていませんでした。こちらを更新しています。

楽天米国レバレッジバランス(USA360)

2019年11月5日に税抜き信託報酬0.425%で設定されました。投資対象であるVTIの経費率0.03%を加えた税込み0.4945%が実質的な運用管理費用になります。先行していたレバレッジ型バランスファンドの信託報酬をふまえて、値ごろ感のある水準にしたという印象です。

  • 販売手数料は税抜き3%を上限にして販売会社が設定可能で、金融機関を選ばないと徴収されてしまいます。
  • 信託財産留保額はありません。
  • 信託期間は無期限です。

もちろんつみたてNISA適格ではありません。

愛称はUSA360です。これは米国株式90%+米国債券270%=360%にちなんだものです。

30年で25倍ですと

レバレッジ型バランスファンドは煽情的な喧伝文句が大好きです。楽天米国レバレッジバランスは30年で25倍になったそうです。

楽天米国レバレッジバランスのシミュレーション結果

引用:ファンド説明資料

他のレバレッジ型バランスファンドのシミュレーションより好感が持てるのは、積立シミュレーションだと明記している点です。でも所詮、過去のデータを使ったバックワードテストなので、参考程度にした方がいいです。

仕組み

僕も分かったような気になる、それほど複雑ではない組成です。(実は分かっていないかも知れません。)

まず、株式と債券の比率が1:3のバランスファンドです。株式の多くはVTI(楽天全米株式の原資産と同じ)、債券は米国国債です。

基本配分の図

引用:目論見書

楽天米国レバレッジバランスは純資産の90%を米国株式(主にVTI)に投資し、残り10%の流動性資金を含む純資産全体を元手にレバレッジをかけて米国債券に投資します。米国株式は純資産の90%ですが、米国債券は3倍の270%に相当します。合算すると純資産の3.6倍に相当する360%になるので、「スリーシックスティ(360)運用」と呼ばれています。

スリーシックスティ(360)運用のイメージ

引用:目論見書

そのため、よくある表現としては、楽天米国レバレッジバランスは3.6倍のレバレッジ型ファンドだと捉えればいいでしょう。そして、株式にはレバレッジをかけていないのが特徴です。

また、良く債券が27倍のレバレッジだという表現を見かけますが、楽天投信投資顧問は米国株式90%+現金10%の資産全体で3.6倍と捉えて欲しいようです。

運用コスト

まだ第1期運用報告書が公開されていないため、運用コストは不明です。

リターン比較

いつもなら設定直後は避けるのですが、この記事ではあえて楽天米国レバレッジバランスの設定直後から比較しています。右端は2020年8月7日です。

赤のラインは楽天米国レバレッジバランス、緑のラインは比較対象です。青のラインはリターン差で、楽天米国レバレッジバランスー比較対象です。

楽天全米株式とのリターン比較

リターン比較をする対象として楽天全米株式より適切なものはないでしょう。

楽天米国レバレッジバランスと楽天全米株式とのリターン比較グラフ

楽天米国レバレッジバランスは株価暴落時の下落率が小さかったため、ここで楽天全米株式に大きな差をつけました。3月23日に底値を付けたあと、株価は回復傾向になりますが、楽天米国レバレッジバランスは楽天全米株式より高パフォーマンスを維持できています。もしこの傾向が続くとしたら素晴らしいですね。

グローバル3倍3分法ファンドとのリターン比較

このグラフだけ、右軸をシフトしています。

楽天米国レバレッジバランスとグローバル3倍3分法ファンドのリターン比較グラフ

この比較期間だと楽天米国レバレッジバランスの圧勝です。でも、グローバル3倍3分法ファンドが期待されたパフォーマンスを発揮できるかどうかは相場次第なので、これからどうなるかは未来になってみないと分かりません。

ウルトラバランス世界株式とのリターン比較

楽天米国レバレッジバランスとウルトラバランス世界株式のリターン比較グラフ

この比較期間だと楽天米国レバレッジバランスの圧勝です。以下同文。

米国3倍4資産リスク分散とのリターン比較

米国3倍4資産リスク分散はグローバル3倍3分法ファンド、ウルトラバランス世界株式より高パフォーマンスでしたが、楽天米国レバレッジバランスは負けていません。

これは単に、現在の相場が楽天米国レバレッジバランスにとって都合が良いだけなのかも知れません。

株価回復時のパフォーマンスは互角

次は株価暴落開始直前の2020年2月20日からの、楽天全米株式との比較です。

2020年2月20日からの、楽天全米株式との比較グラフ

株価が底値を付けた後の回復で、青のラインは右肩上がりです。でも、その期間だけを切り取ると、回復の様子はほぼ同じです。(これも、リターン比較は切り取る期間で印象が大きく変わるという「あるある」です。)

2020年3月23日からの、楽天全米株式との比較グラフ

でもこれは決して悪くありません。楽天全米株式は100%VTI、楽天米国レバレッジバランスは90%の米国株式(主にVTI)とレバレッジをかけた米国債券です。株価回復時の値動きが互角なら、時々やってくる大きな下落時に差を広げることで、長期で見れば素晴らしいリターンをもたらしてくれるかも知れません。株価下落時の株式と債券の値動きが想定通りならば、でしょうけども。

臨時レポート

こちらの臨時レポートで、設定後6ヶ月の運用を振り返っています。

当ファンドのリスク(振れ幅 )は米国株式よりも低く抑えられた一方、リターンは米国株式を上回り、相対的に運用効率の高い運用成果を獲得することができました。

こういうレポートは大歓迎です。運用状況の良い悪いに関わらず、継続して欲しいです。また、できれば信託報酬以外の費用についても言及して欲しいところです。

運用の実態

楽天米国レバレッジバランスの月次レポートには、株式と債券の比率が記載されています。それぞれ90%、270%の合計360%が目標値です。

次は月次レポートから作成した、それらの推移です。(初出時の間違いを修正しています。)

月次レポートから作成した株式と債券の比率の表

当初株式はVTIのみでしたが、3月から株式先物が追加されていました。4月からはVTIは75%程度で推移しています。株式先物を加えた株式比率はおおむね90%です。株式はVTIだけだと思っていたので、ちょっとびっくりでした。

次はお約束のグラフです。

月次レポートから作成した株式と債券の比率のグラフ

VTIの比率を下げた代わりに株式先物を追加した理由について、臨時レポートで言及して欲しかったですね。

期待よりは不人気

次は設定来の資金流出入額の累計の推移です。純資産総額は50.86億円です。設定時の純資産総額が2.07億円ありましたが、そのうちいくらかは運用側の初期投資かも知れません。

株価暴落開始後を黄色に塗っています。

株価暴落開始前はいい感じで資金流入が続いていましたが、株価暴落開始後は頭打ちになってしまいました。少ないながらも資金流入は続いていますが、(期待よりは)不人気ですね。

それでも、ウルトラバランス世界株式、米国3倍4資産リスク分散よりは売れています。

純資産総額比較表

楽天米国レバレッジバランスだって、グローバル3倍3分法ファンドの成功に続きたかったでしょうから、現在の売れ行きには満足していないでしょうし、パフォーマンスを考えるともっと人気が出ていいと思います。

妻が買っていました

妻は2020年3月に、楽天米国レバレッジバランスを買っていました。買うという話は聞いていましたが、詳しいことは追求していませんでした。10万円✕11回で110万円を特定口座で買っており、現在の含み益は35.8%だそうです。これは妻がヘソクリで買ったもので、毎月初の運用成績公開記事に出てきません。

もう買い増しする気はなく、10年以上売らないと言っています。10年で何倍に増えるか、楽しみですね。

評価:楽天米国レバレッジバランスに期待しています

僕はeMAXIS Slim先進国株式に集中投資していますが、だからと言って他の商品を否定しているわけではありません。楽天全米株式やeMAXIS Slim米国株式(S&P500)にも魅力を感じますし、投資家にとって良い選択肢が増えるのは大歓迎です。楽天米国レバレッジバランスはレバレッジを利用しているので、キワモノ扱いする人もいるでしょうが、それはそういう商品の歴史が浅いのでしょうがないと思います。

過去のデータを使って行うバックワードテストでは良い結果が得られる組成でも、未来では必ずしも通用しないと言われます。楽天米国レバレッジバランスも、言ってみれば、受益者から集めた資金を使って実証実験をしているようなものです。それは、他のレバレッジ型バランスファンドにも共通して言えることです。

おすすめの関連記事

-バランスファンド

© 2020 河童のインデックス投資 Powered by STINGER