投資の世界のアノマリーに、米国株は中間選挙の年の11月、12月は上昇する、というものがあります。アノマリーとは論理的説明ができないものの、経験則としてそうなることが多い、というものです。でも投資家の行動は往々にして論理的とは言えず、心理面への影響に左右されることが多いので、中間選挙の年の11月、12月は株高になるという傾向があるとされるのは、こじつけと言われるかも知れませんが、説明できる気がします。
でもこのアノマリーはどれぐらい当たっているのでしょうか。米国株式の好不調に大きく左右されるMSCIコクサイで調べることにしました。どうしてMSCIコクサイかってそれは僕が集中投資しているスリム先進国株式のベンチマークだからです。これは米国株式に関するアノマリーなので、本当はS&P500などで見るのがいいとも思いましたが、作業量が多いこと、僕の投資対象ではないことからMSCIコクサイにしました。ご了承ください。
で、2001年10月から存在している「日興インデックスファンド海外株式」の基準価額データの、2001年から2017年までの11月と12月だけを切り出して傾向を調べました。
2001年から2009年
グラフにプロットするライン数の制約により前後半に分けました。まず2001年から2009年です。横軸の年は無視してください。
プラスが6回、マイナスが3回です。中間選挙の年うんぬんには後で言及します。
2010年から2017年
続いて2010年から2017年です。
プラスが6回、マイナスが2回です。
前後半合わせるとプラスが12回、マイナスが5回です。プラスになることが多いし、2ヶ月で5%を超える上昇も珍しくないので僕は期待してしまいます。
まとめ
表にまとめました。マイナスの騰落率は赤字にしました。
この表からは「米国中間選挙の年の11月、12月は株高になる」とは言えないですね。そうでない年も株高になることがそこそこありますからね。また、金融危機とされる状況にならなかった年は株価上昇傾向が強いです。
では、11月、12月は1年の中でも株高になりやすいのでしょうか。その2ヶ月で5%超上昇した年の騰落率の変化を確認しました。以下、傾向のありなしのみを判断します。僕の主観による判断です。
2004年
あります。
2005年
微妙です。
2006年
ややあります。
2009年
微妙です。
2010年
ややあります。
2012年
あります。
2013年
ややあります。
2014年
ありません。
2016年
ありますが、トランプラリーなので例外でしょう。
結論:気のせいでしょう
やはり「米国中間選挙の年の11月、12月は株高になる」とは言い切れないですね。むしろ気のせいでしょう。年末という特別なタイミングなので記憶に残りやすいからではないでしょうか。
そうだとしても、僕としては今年の11月、12月はアノマリーでもなんでもいいので株高になって欲しいです。11月も半分過ぎましたが、ここまでは調整が終わり切らず冴えない展開です。あと1ヶ月半、先進国株式には是非頑張って欲しいものです。
見事に外れました
ズルズルと下落し、クリスマスに底を打ちました。