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【徹底比較】iDeCo口座はどの金融機関がおすすめですか?

iDeCo口座は金融機関によって違いが大きいです。手数料面では、大手ネット証券5社を選択しておけば横並びの最安ですが、取扱い商品に雲泥の差があります。現在は松井証券がスリムシリーズ全商品に対応していることから、「これからiDeCo口座を開設するなら松井証券一択で良い」が結論となりました。

でも一気にその結論を飲みこむのは難しいでしょう。そこで、界隈でいちばん分かりやすい比較結果をお見せします。

更新情報

各社のラインナップを確認しています。変更はありませんでした。信託報酬の数値の間違いを訂正しています。

表の見方

  • 信託報酬は税込みです。0.5%を超えているものは問答無用で赤字にしています。僕は、アクティブファンドだろうが何だろうが、iDeCoで高コストな商品を買うべきではないと考えています。
  • iDeCo口座のラインナップとして、金融機関が良い選択をしたと思うものは、右端の列に✔を入れています。
  • おおむね、コスト最安でない商品には✔はありません。iDeCo特有の事情、過去の経緯への配慮が必要ですが、✔が少ない口座は避けた方ががいいです。
  • iDeCoで買うのに向かないと僕が思っている商品には、✔が入ることはありません。

なお、一覧表で定期預金や債券ファンドにも✔が入っていますが、iDeCoでは期待リターンがある程度高い商品を選択するのが良いです。でもそれはこの記事のテーマではありません。

SBI証券のオリジナルプラン

オリジナルプランの新規申し込みは、2021年1月4日で停止しています。また、2021年4月あたりから、オリジナルプランへの変更もできなくなりました。

SBI証券は2つの「プラン」を持っています。プランごとに別口座です。

SBI証券のオリジナルプランの商品一覧表

✔が付いた商品が少ないです。高コストファンドが生き残っているのも気になります。

SBI証券のセレクトプラン

オリジナルプランとセレクトプランは別口座なので、お目当ての商品が違うプランにある場合は口座の移管が必要です。でもプラン間の移管は無料で行えます。

SBI証券のセレクトプランの商品一覧表

セレクトプランは後からできただけあって、✔が入っている商品が多いです。でもまだ高コストファンドがしっかりあるというところに、SBI証券の姿勢が表れています。

SBIグローバルバランスファンドに✔が入っていないのは、トータルコストが1%を超える残念な商品だからです。

楽天証券

楽天証券のiDeCo口座は、時代にあっていない残念なものです。解決するには、SBI証券のように別口座(新プラン)を作るしかないです。

楽天証券の商品一覧表

マネックス証券

比較的後発なので✔の入った商品が多いです。

マネックス証券の商品一覧表

それでもなお、こんな高コストファンドをどうして入れるんですか?と思ってしまいます。

また、たわらNYダウを選んでいるのはセンスが悪いです。NYダウをiDeCoで買うなら、iFree NYダウが最良の選択肢です。たわらNYダウはトータルコストが高かったです。

auカブコム証券

後発なのに✔が入った商品が1本しかありません。

auカブコム証券の商品一覧表

Wikipediaによると、auカブコム証券は、三菱UFJフィナンシャル・グループのインターネット専業の証券会社です。そのためでしょう、つみたてんとうシリーズから4本選択していますが、それらは信託報酬が最安ではありません。スリムシリーズからではなくて、つみたてんとうシリーズから選択したところに、auカブコム証券のiDeCo口座の立ち位置が表れています。

さらに、auアセットマネジメントの商品を売りたいので、バランスファンドは高コストなダメ商品で占められており、つみたて8資産均等バランスがありません。

松井証券

お待たせしました。ラスボスの登場です。

松井証券の商品一覧表

✔の付いた商品が多いです。それもそのはず、スリムシリーズ全商品に対応しています。また、信託報酬が1%を超えた、ボッタクリと言われそうな商品が全くありません。松井証券のこの姿勢は称賛に値します。

スリムシリーズ全商品+楽天全米株式+楽天全世界株式により、かなりのニーズに応えることができると思います。

家族がこれからiDeCo口座を開設する場合に、どれを薦めますか?松井証券一択でしょ。

制度上の限界

この話はマニアックかつ愚痴っぽいです。そういうのはいいやって方は、ここまで飛ばしてください。

僕はiDeCoの制度改革と普及促進を全面的に応援しています。iDeCoの一部のデメリットを強調して、多くの読者をビビらせたり、不安を煽ったりしません。メリットとデメリットを具体例をあげて、公平に伝えているつもりです。

そのiDeCoがつみたてNISAと根本的に異なることのひとつに、対象商品の決め方があります。つみたてNISAは、金融庁が適格かどうかを判断します。要件を満たす良い商品を組成して持ってらっしゃい、歓迎しますが厳しく審査しますよ、というものです。適格との認定はきっちりやるけど、売る本数は制限しませんよ、という制度です。ただし、つみたてNISA口座は同時には1つしか持てないので、現在口座がある金融機関が買いたい商品を扱っていない場合は、口座を移管するしかありません。

一方のiDeCoは、全く違う考え方で始まったものゆえ、過去の悪しき慣習を継承してしまっています。対象商品の選択は金融機関が行うのです。しかも、現在では扱える商品数が35本までに制限されています。どうして上限が設けられたかと言うと、商品数が多すぎると利用者が選べないからという意味不明な理由からです。amazonのプライムビデオで無料映画が多すぎると選べなくなりますかね。つみたてNISA適格商品は190本以上ありますが、選べなくて困りますか?

それで、各iDeCo口座は商品数を35本以下(ターゲットイヤー型のみ、まとめて1本と数えます)にすることになりました。一度扱い始めると、おいそれとは扱いを終了できない(受益者が困るから)ものです。ところがより条件が良いとか、魅力的とか、人気の資産クラスに投資するとか、当然商品も人の好みも変わります。そういう変化に対応しにくい制度なのです。

次は各口座の現在の商品数と商品数の空きをまとめたものです。SBI証券はセレクトプランに空きが1つあるだけです。

各口座の現在の商品数と空き

SBI・V・S&P500、SBI・V・全米株式、SBI・V・米国高配当株式は、iDeCoでの取り扱いがありません。どれかひとつだけならセレクトプランに追加できなくはないですが、同じ問題はこれからも普通に発生します。

松井証券はスリムシリーズを制覇したため、空きは4つしかありません。やはり、現状の35本を上限とする制度はクソですね。

その他の比較項目

以下はつまらない話です。そういうのはいいやって方は、結論まで飛ばしてください。

手数料は横並び

大手ネット証券5社は、加入手数料2,829円、口座管理手数料171円で横並びです。

ポイント制度の対象外

大手ネット証券5社は、投資信託の保有資産額に応じてポイントが付与されるサービスを実施中です。

が、iDeCo口座はそれらの対象外です。また、投資信託の積み立てを楽天カードで決済すると、月額5万円を上限にポイントが付与される神サービスも、iDeCoにはありません。

auカブコム証券でauスマートベーシック、auスマートプライムを保有している人は、iDeCo口座でもPontaポイントが付与されます。でも、au利用者でないと半額にされる残念なサービスです。

ポイント付与率表

引用:auアセットマネジメント

ないよりはマシですが、そもそもこの4商品には魅力がありません。ポイントうんぬんの前に商品性です。

一時金と年金の併用

iDeCoには2つの受け取り方があります。

  • 一時金として一括で受け取る。税制的にはこちらの方が有利なことが多い。
  • 年金として受け取る。税制的には不利になることが多い。

JIS&T系である松井証券、楽天証券、マネックス証券、auカブコム証券は併用できました。SBI証券はどちらか一方しか選べませんでしたが、2020年3月から併用可能になりました

結論:これからiDeCo口座を開設するなら松井証券一択

iDeCo口座の移管には通常手数料と数ヶ月の時間が必要なので、最初からベストな口座を選ぶべきです。現状では、松井証券が最強・最良で、松井証券を選択しておいて困ることはないでしょう。

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