ブラックロックインデックス投資戦略ファンドはアクティブバランスファンドです。投資対象も投資割合も、ファンドマネージャーが自由に変更できます。設定されてから6年以上になりますが、つみたてNISAで買える低コストな選択肢がたくさんある現在、コストも運用形態も時代遅れな印象です。
ブラックロックインデックス投資戦略ファンド
2014年5月28日に税抜き信託報酬0.83%で設定されました。信託報酬は設定来、引き下げられていません。また、現在ETFを10本売買していますが(現物株はゼロ)、それらの経費率は信託報酬に含まれていません。良心的と言うか、まっとうな会社は信託報酬+ETFの経費率の合計が実質的な運用管理費用で、現在これぐらいですと表記するものです。が、ブラックロックはそうしていません。(運用報告書には0.08%とあります。)
またノーロードではなく、金融機関を選ばないと税抜き1%を上限にした購入時手数料を請求されます。
ブラックロックインデックス投資戦略ファンドは8資産に投資するアクティブバランスファンドです。8資産の投資比率は決まっておらず、ファンドマネージャーが適宜変更します。
2020年10月16日に「指定インデックス投資信託以外」でつみたてNISA適格になりました。また、iDeCoナビによるとiDeCoでの取り扱いはありません。
なお商品名が長いので、この記事では「インデックス投資戦略ファンド」と略します。
組成内容
インデックス投資戦略ファンドは8資産に投資しますが、良くある新興国債券の代わりにハイイールド債券を選択しています。
引用:目論見書
また一部為替ヘッジするようです。次は現在の投資比率です。
引用:月次報告書
債券比率が高めです。また現在、国内リート、先進国リートには投資していません。この投資比率だと、ファンドマネージャーがどれほど優秀でも、パフォーマンスは知れていますね。
運用コスト
次は運用報告書から計算した運用コスト(トータルコスト)です。
隠れコストは普通のバランスファンドの倍程度、信託報酬が支配的ですがトータルコストは1%を超えます。
リターン比較
アクティブバランスファンドの実力を見せてもらいましょう。インデックス投資戦略ファンドの設定直後を避けた、2014年6月16日から2020年11月6日までです。
青のラインはリターン差で、比較対象ーインデックス投資戦略ファンドです。
eMAXISバランス(8資産均等型)とのリターン比較
次はeMAXISバランス(8資産均等型)との比較です。
eMAXISバランス(8資産均等型)の方がパフォーマンスが高い傾向でしたが、コロナショックによる株価暴落後は差がなくなっています。現在絶不調なリートの投資比率が、25%もあるeMAXISバランス(8資産均等型)のデメリットが露呈した形です。
セゾングローバルバランスとのリターン比較
次はセゾングローバルバランスとの比較です。高コストながら圧倒的な人気を誇ります。
この様子ならトータルコストが1%を超えるインデックス投資戦略ファンドより、セゾングローバルバランスの方が良いですね。もちろん、組成内容が違うのでリターン比較だけで優劣は測れないのですが、そうは言ってもインデックス投資戦略ファンドの高いコストを負担する価値があるようには思えません。
ブラックロックつみたてグローバルバランスとのリターン比較
ブラックロックつみたてグローバルバランスは6資産バランスファンドです。次は2018年2月1日からの比較です。
ブラックロックつみたてグローバルバランスよりはパフォーマンスが高いです。
人気は頭打ちから資金流出傾向へ
次は設定来の資金流出入額の累計の推移です。純資産総額は124億円です。
バランスファンドの純資産総額としては、決して少なくはありません。でも人気は頭打ちから資金流出傾向に変わっています。超ローコストな選択肢が増えた今、税抜き信託報酬0.83%ではそうなるのも無理はないです。
少ない販社
インデックス投資戦略ファンドを扱っているのは3社だけです。
- みずほ証券
- みずほ銀行
- 楽天証券
ブラックロックインデックス投資戦略ファンドは、設定当初は「みずほインデックス投資戦略ファンド」でした。その名残りだと思いますが、販社が少ないですね。でもせっかくつみたてNISA適格になったらのだから、販社は増やしたいでしょうね。
評価:ローコストな選択肢をおすすめします
バランスファンドには様々な組成のものがあります。もっとローコストで売れている、人気が頭打ちになっていない商品を選ぶのがいいです。僕はアクティブファンドに否定的ですが、そのバイアスを外せたとしても、インデックス投資戦略ファンドを買う価値はないと思ってしまいます。